WONDER WHEEL

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サーイプレッス上野とロベルト吉野!
めちゃくちゃハマっております。
ブラスト休刊号で未来を託されたMCながら、1stEPに1stLP、どちらも聴いたのはごく最近。
最初に彼らの歌を聴いたのは一昨年のタマフル内カウントダウンライブ、その後もサ上のDJ、DJレジェンドオブ伝説や、同じ名前を使ったbounce.comでの連載(激オモロー)に触れる程度で、この傑作2nd「WONDER WHEEL」の発売に合わせて一気に過去音源まとめ買いしたくらい。
もうライター業やらDJ業やらの副業、そして前に書いたラジオ「日本語ラップキラッ!」なども含めそのキャラにも完全にヤラレてて。
ほぼ同世代を生きてきた(あっちのほうがちょっと下)だけに、さんぴん組とLB組、あの日七夕の日を境に袂を分けられたその両者のDNAをどっちも受け継いだ稀有な存在は、雑食なオレたちナードコアなリスナーにドツボ。
前作の話は別途するとして、「WONDER WHEEL」の完成度の高さはそれこそ、「5th wheel 2 the corch」に通ずるものがある。


無駄に暑苦しくも髪色オサレだったりする上野と、無駄にメタルでハーコーなルックスの吉野。
見た目だけみればロックよりのハーコーラップやってます、といったほうがイメージどおりな2人だが、奏でる音楽は実にカラフルで楽しい。
表題曲の「WONDER WHEEL」から滲み出す楽しさ、温かさは彼らが純粋に音楽を楽しみ、その思いを届けたいというエナジーからにほかならない。
前作「ドリーム」でも「Bay Dream」というメロウチューンを手がけたラテンクォーターによる温かみのあるトラックに、リズミカルかつはっきりとした口調でポジティブな日常を綴るサ上のラッピン(肥やしの匂いのフレグランス!)+吉野のキレのあるまともなスクラッチ。
「Bay Dream」ともどもダボ+シャカゾンビの「It’s Okay」と並ぶ、あったか系日本語ラップの最高峰だと思う。
続くRYUZOを迎えてのバッキンザデイモノ、「START LINE」はモロ90’sフレイヴァ全開のワタライビーツがこの上なく心地よい。
サ上とRYUZOが歌う景色も90年代のそれで、クラシックの風格だ。
クリアなサ上とハスキーなRYUZOの対照的な声が掛け合う終盤戦も聴きどころだ。

まさにライブしている絵が浮かぶイントロ、「サ上とロ吉」
これ聴くと未見なライブが見たくなって仕方ない。
自分たちをレペゼンするナンバーなのに、「ドリームハイツの面汚し」とか「コックローチ野郎」とか、つくづくだよww
この自虐的なマッチョスタイルが、嫌味なくいろんな人に受け入れられる秘訣なのかも。
無駄に荘厳なサウストラックにて声だかに宣言する「PRINCE OF YOKOHAMA」にしたって、ダメダメなオレだけどあえてプリンス、なノリだもんね。
当たり前だけどね、上から目線の人多いから、この音楽。
フジロックに出たりと、異種格闘も積極的だからこそのライブ感、なのかな。
ギターが鳴り響いても四つ打ちになっても、なんでも乗りこなす。
いぬやま手がける轟音ギター、もはやノイズなサウンドに水を得た魚のようにこすりまくる吉野のスクラッチ、そんなトラックには若干攻撃的にスピットする上野と濃厚な一発、「TIME IZ ONLY IT THAT CAME」
激しさライクパブリックエネミーで、オリジナル志向だったり、ヒップホップど真ん中の軸があるからこそのメッセージが清々しい。
お馴染みクラブのエントランスでのゲスト入ってる入ってない漫談スキットを経ての「FEEL LIKE DANCE」はバリバリのダンスチューン。
スライマングース作で納得、跳ねるビートは確かにglobeへのオマージュを感じさせないこともないが、ぐねぐねにうねるベース、入り乱れるギター、まさにグルーヴィ。
めちゃ変化球なトラックも余裕で乗りこなすし、違和感なく溶け込んでるってのがこのアルバムの色を表している。
超ライブ仕様。
これに続いてBach Logicのバンギンロッキンビーツに宇多丸ゲストの「MASTERSオブお家芸」だからね。
ヘッドバンガー2曲が並んだこの流れは間違いなくハイライト。
でも歌ってる内容は引きこもり的でナードな自室賛歌っていうww

グダグダ極まりない「ボンクラの唄 p.k.a 僕等の唄 (東スポLUV)」があったり、偏愛的なラブソング「BABY LOVE」があったり、トピックの広さと目線の低さは多くのボンクラどもに愛される普遍性を感じさせる。
一方でバッキンザデイモノがあり、マザコンがデフォの成人男子高生には欠かせない「Dear MaMa」、最後はフッドのクルーでマイクリレーするごっさファンキーな「ZZ CAMP FIRE」で締めたりっと、こいつらとことんヒップホップ。
ジャンルを超えた活躍に賞賛を送りつつ、ヒップホップマナーにそった仕上げっぷりに膝を打つ。
マッチョもヲタもひっくるめて惹きつけるだけの触れ幅があって、それがぶれないぶっとい芯がある。
多くのヒップホップ好きが、グッドミュージックジャンキーが、彼らに希望を見出すのもうなずける。

泣きあり笑いありの一大ヒップホップエンターテインメント。
ライブ見に行かないと。
愛あるサ上とロ吉の魅力評は、前作・前々作のレビューに続く。
by blue-red-cherry | 2009-01-27 19:09 | 音楽
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