火種

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レペゼン韻踏合マザファッキン組合、孤高のフリースタイラー、ヒダディー
去年いちばんハマった日本人ラッパーの一人。
韻踏のメンバーであり、数多のバトルを制してきたフリースタイラーであり、当然ながらスタイルはガシガシに踏みまくる押韻スタイル。
それでいて「関西ィィィィィ」に見られるような独自の言語感覚とイントネーション、伸縮自在なフロウで、ティピカルな押韻至上主義とは異なる存在感を発揮している。
最近ではペイジャー、UMBでの活躍、なんといっても「ヒダディーひとり旅」で知られている。
どっぷりハマって今は大好きなMCのひとりなんだけど、韻踏の音源は未聴で、きちんと音源聴いたのもノリキヨの2ndというビギナーですが、初ソロアルバム「火種」はソッコーで購入、以降結構聴いてます。


韻踏でもヘッドフォン張り付きがいい、粘着質の高音ヴォイスで強い個性を発揮しているヒダディーだけど、ソロとなると頭のてっぺんからつま先までそれ。
当然トピックはラヴソングやファミリーネタまで取り入れたバラエティ豊かなラインナップだが、ヒダディー初心者なオレにとってはあの強烈な個性、ルックス含めた攻撃的なスタイルはセルフボーストもの、所謂ラッパー然とした楽曲でこそ映えて聴こえた。
序盤から続く勢いのある楽曲群が真骨頂。
ギターの轟音とぶっといベース、ドラムが速めのBPMでズンズン鳴り響く「マザファキライフ」、ロマンクルーのALI-KICK手がけるこれまた高速なファンクナンバー「果てるまで蹴る」、どちらもフリースタイラー、ラッパーとしての所信表明を高度なライミングで聴かせつつ、フックでヴァースで抑揚のあるフロウも披露し、この辺で掴みはガッツリ。
言葉選びはいたってシンプル、辞書引かなければ分からないようなワードは一切なく、ともすればダジャレギリギリの関西ィィィなユーモア溢れるセンスで、踏み倒す押韻スタイルは高度でありながら聴く側の難易度は高くないという、ある意味理想的な出来。
とはいえ広く世間一般向けかというと、それは言い過ぎ。
もちろんモクモクな世界は隠しようがなく、それがまたヒダディーの怪しい魅力にマッチするんだから、必然ともいえる。
ダンスホールのリズムを刻み、重いビートがうねる「けむりの都」はまんまそんな曲なんだけど、水を得た魚のよう。
上のアルバムプロモーション用のCMでも使用されている(後半は「マザファキライフ」)オリエンタルな読経ループと打楽器、ベースで構成されたドープすぎる「D.DADDY.DADA」もハマりすぎ。
ストレートなラップの巧さと、キャラクタ込みの怪しい魅力、その二つの顔がもつ音楽性と不良性がきっとラップ好きを惹きつけてやまないんだと思う。

カッコよさ優先で聴いているためここではおざなりにしてしまっているが、リアルでダディーな側面を歌った「X'mas LOVE」や、ピースフルなトラックで柔らかくポジティブにバッキンザデイ聴かせる「RHYME GREEN」あたりも味わい深い。
まだ「ヒダディーひとり旅」も見てないし、もっと深く聴いて知っていけば、もっといろんな面を楽しめそう。
あまりチバチバしすぎないでくれぐれも気をつけて火をつけて、これからも作品聴かせてくださいって感じです。
揃い踏みのマイクリレー「ビートナックルズ」も良かったし、そろそろ韻踏まとめ聴きかな。
by blue-red-cherry | 2009-02-24 19:16 | 音楽
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