LOST SHIT

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ノリキヨにBRON K、TKCとそれぞれのソロアルバムから入ったオレとしては垂涎、幻のアルバムだった彼らのクルー名義の作品群。
SD JUNKSTA名義の作品はそれこそホント超レアレアもいいとこだが、そんな作品群からいいとこどり、DJ ISSOがミックスした「DJ ISSO PRESENTS / SD JUNKSTA “LOST SHIT”」、こいつがたまにヤフオクで出会えたりして厄介だった。
もちろん多少値は張るし、どっかで持ってるヤツに出くわさないかなあ、なんてヤキモキしてたら再発されましたよ、再発。
もうね、もってないものの再発は大歓迎(もってるブツのは大反対ww)
今でもSD JUNKSTAの魅力って、日本語ラップの世界でいえば確実にその荒削り、勢いが生む危うさ、ラフさ、そして個が際立つゆえの集団芸の魅力、だと思う。
でもこのアルバムに収められてる03年から07年までの音源のラフ、ラグド&ロウっぷりったら今の比じゃない。
このヒップホップっていう音楽は垢抜けなさや、洗練されてない生々しさがプラスに働く音楽だ。
磨かれていく才能は頼もしい限りだが、磨かれる前の原石が放つエナジー、勢いあるよ、「LOST SHIT」。

SDTVのBGMとして認識してたピロピロでエスニックでオリエンタルなビートは「Super Afugan」なる曲のオケだった。
この曲に代表されるように、ある時期のSD JUNKSTAは中近東をイメージさせるエスニックでオリエンタルなビートに傾倒していたよう。
この曲に続く「SPEED KING」もそうだし、終盤に収録され、彼らの幻の代表曲として知られる「BANGLA7」もそう、このオリエンタルなエッセンスにバウンスビートを被せたフロア仕様の曲は、ジェイZとパンジャビMCのアレを思い出させる。

この辺の曲に時代を感じてしまうが、音のトレンドよりもむしろ、楽しむべきは荒削りなMCたちのラップ。
荒削りといっても今に至る個性の素はしっかり形成されている。
ビートに正対し、リズミカルに語頭や語尾で変化をつけてくるノリキヨはまだストレート中心のピッチングならぬライミングといったところ。
味のある声はまま、今でいうところの歌心はまだまだ未完成なBRON-Kの正統派な押韻スタイルはむしろ貴重だ。
TKCもフリーキーフロウなんだけど、トピックがなんというか、ラップ的ww
百姓一揆の段ではもっとアブストラクトっていうか、弾けたフィクションとノンフィクションの間、みたいな言葉選びだったよね。
世に出てる音源が少ないことでいえばKYNやOJIBAH、WAXあたりは今とさほど変わらず聴ける。
特にKYNの独特なリズムの取り方はもうこの時点で完成されていて、頭抜けたオリジナリティだと思う。

リリックの内容はあれだ、ヒップホップww
フッドのリアルを歌った、マニーキャッシュホーマニキャッシュホー、とか88とか93の話のオンパレード。
だってエスニックでオリエンタルなトラックに出てくるのだってイ○ン人から渋谷でいくら買っただの、そんな話ばっかだもんww
今となっては熱いメッセージも聴けたりするんだから、これもラフな魅力として流して楽しむのが正しいんじゃないかな。
きっとこういうのも今後、いろいろあったし隠喩が当たり前になってくるだろうからね。

そういう意味で聴きどころを見出すとすると、トラックやマイクリレーの妙にフォーカス。
ストリングスで軽く幻想的な雰囲気を出す走り気味のトラック、念仏調のフックがあやしい「ぬけぎわの森」、これまたピッチは早め、太めのベースにピコピコ控えめな電子音が鳴る機械的グルーヴにBRON-K&KYNがスキル合戦見せ付ける「N.U」、この辺は相当かっこいい。
スリリングでクールなピアノループが全編刻まれる「犯罪0の街」は評判の高さに偽りなし。

こう一枚、集団芸、マイクリレーの楽しさを詰め込まれるとどうしても、SD JUNKSTA名義の作品に期待せざるを得ない。
どうやら今年はクルーとしての作品も出しそうだし、それまでは「レイノヤツ ~SAG DOWN PARTY~」をヘビロして待つとしよう。
個々のスキル、存在感は格段に増してるし、トラックを提供されるであろう繋がりもかなり幅広くなっている。
マジで楽しみ。


by blue-red-cherry | 2009-03-18 11:54 | 音楽
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