「Number」最新号はW杯出場を決めた日本代表に対し、「変革なくして4強なし CHANGE!」と迫る内容。 変革の象徴として表紙に登場したのは本田⊿。 本田⊿のインタビュアーは金子達仁。 金子達仁って、スポーツ新聞とかに寄せてる時世のコラムは、恒常的にいろんなもの見てない、薄さが目に付くからそのアクの強い個性が仇になってるけど、ある程度限定されたテーマや空間で集中した仕事をすると、そのオリジナリティーが活きる。 この人選はバッチリだと思うな。 最初のやりとりが、 ―まずは二者択一の質問から。本田圭佑はすべての事象、行動に意味を見いだしたい人間である。 「…………イエス。」 鳥肌立つよねww 北京での屈辱をベースにした構成は、彼のぶっとい信念を引き出し、金銭感覚やロードマップになぞらえた未来予想図までに及び、なかなか興味深い。 30くらいまでの数年間、どういう行く末を辿っていくか注目したい選手だと改めて思った。 関東の岡田監督、連載の中澤は変わらない思いを。 岡崎と長谷部、新たな代表の顔になりつつある2人のインタビューも、soso。 中西哲生と相馬直樹の対談は凡庸。 東京サポ的ハイライトは石川インタビュー。 福田健二ルポでおなじみの小宮良之氏のインタビュー。 最近の石川フィーバーにおける記事に共通して言えることだが、石川も口酸っぱく言ってるように、この成果は経年の積み重ねがあってこそのもの。 変化の兆しは少しずつ現れ、続く好調は年をまたいだ少し前からのものだ。 このインタビューも小宮氏の見立ては、サイドアタッカーからの脱皮を本人の言葉で一朝一夕ではなかったことを知り、そして代表特集よろしく、さらなるステップへ推薦する。 語られる石川の言葉も真新しいものではないが、自身のプレースタイルの変化を語る際、右サイドから主戦場をスライドしていく過程、課題に挙げられ続けた守備面での自覚・ターニングポイントと、なるほどと思わせる発言も。 現代表に重ねた上で、「あの中でやってみたい」、「誰々のパスを受けてみたい」という趣旨の発言も面白い。 マリノス時代から時を経た俊輔との競演に馳せる思いもあるようで、これは俄然、代表入りを応援したくなる。 同じく代表の座を虎視眈々と狙う存在としてインタビューを受けていた、佐藤寿人との対比も面白い。 石川が変化をうまく取り込んで評価を上げているのに対し、寿人は貫きたい自身のスタイルへのこだわりを語る。 寿人も代表で見たい一人ではあるけれど、その葛藤に答えが出ない限り難しいのかも。 次号は読売巨人軍特集だそうだ。 「BRUTUS」の強烈なタイアップに対し、スポーツグラフィック誌ならではの構成でしっかり対抗してほしい。
by blue-red-cherry
| 2009-07-03 23:11
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