川崎フロンターレ×FC東京 J1第20節

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第16回多摩川クラシコ、スカパーにて観戦。
テレビ観戦でこの悔しさ、現地に行ってたら、恥ずかしながら多少荒れたかもしれない。
一方で冷め切らざるを得ない部分もある。
複雑な思いを抱えたまま迎える2週間の中断。
ここに希望を見出すか、絶望を引きずるか、今から2週間後が楽しみではある。

緊張感のある試合だった。
チケット完売のスタンドからの熱気が伝わってきたし、選手間に漂う緊張感も、3位4位の直接対決である以上のものを感じた。
できれば握手したくない、みたいな刺々しさ。
営業努力もあるし、劇的な幕切れが続いていることもそう、ファン、サポーターだけではなく、選手同士にもライバル同士の対戦、という意味合いが強まっているように感じた。

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どちらも前線に強さ、速さを兼ね備えた2トップを配置した序盤、虎視眈々と鋭いカウンターを狙う、ピンと張り詰めた空気がゲームを支配していた。
そんな立ち上がり、気負ったか、東京のリズムがおかしい。
0分、ディレイディレイで下がったところを山岸にオープニングシュートを放たれたかと思えば、3分、なんでもないロングボールの処理、完全に今野の処理範囲だったがなぜかやや距離のあったブルーノに任せ、遅れたブルーノは矢島へのアフターチャージでイエローをもらってしまう。
前回対戦のいやーな記憶がよみがえる展開。
さらにそのすぐあとのプレーでも、矢島の背中に張り付いた今野だったが、あっさりターンを許している。
徐々にチーム全体のポゼッションが高まることで持ち直した感はあったが、それでも26分にブルーノがジュニーニョにあっさりかわされてクロスを上げられた場面では、中央、矢島のマークを外してしまっている。
そして言うまでもない、アディショナルタイムでの、まさかのクリア。
今野ほどの選手が1試合でこれだけの判断ミスを犯すとは、にわかに信じがたい。
気負い、疲労、様々な要素があったのだろう。
ブルーノとジュニーニョのミスマッチ(それでもブルーノ、1対1のマッチアップはスピードを技術で補って頑張ってたと思う)はみんなでカバーしよう、というのが城福さんの指示だったみたいだし、そこでもかなり神経使っただろう。
それでも今野に代えは効かず、頼らざるを得ない現状はまずひとつ、分かっていたが露見した「我々の課題」。

久しぶりに受け気味、しびれる立ち上がりだったが、カウンターを仕掛けつづけること、その中でマイボールが拾えるようになり、ポゼッションを高めて自分たちの時間にした、15分以降の時間はなかなかの出来だった。
今野に限らず全体的に落ち着かない立ち上がりで、ゾーンは守れてるが人につけていない印象だったが、攻めていく中でリズムが生まれるのは最近のパターン。
平山が今野のフィードを収め、羽生が追い越しで抜け出してシュートを放った13分のプレーあたりからリズムがよくなる。
逸機したそのシーンは矢島のカウンターを喰らい、決定機を招いたが、その後は高い位置でのカウンター対策も取られ、多くの時間、ゲームを支配できていた。

しかしここでも課題が目に見えてきた。
薄々感づいている向きも多いと思うが、平山に頼りすぎてるきらいがある。
関塚監督にもバレバレだったし、それゆえの寺田、伊藤のハードマークだったと思うが、東京は手詰まりになったときの手段だったはずの平山目掛けたロングボールがいまや最優先事項になっていて、それ以外の崩しのバリエーションがあまりにも少ない。
確かに川崎の守備網はコンパクトでラインも高く、そこを下げさせたい狙いはあっただろうけど、ラインを下げさせたいならば裏狙いという選択肢もあったはず。
平山やカボレを囮に、羽生から石川へのスルーパスを狙った場面など、ああいう形を増やさないと、守りやすくて仕方ないだろう。
平山基点の攻撃を防ぐのであれば、前節の広島のように全体を下げて壁を作るやり方もあるが、今回の川崎で谷口と横山がやったようにバイタルを埋めつづければ、自ずと平山の活動域も狭められる。
実際、平山が下がってきて追い越しを誘発する形、いつもより作れないまま終わっている。
前線に張り付くだけならば、屈強なCBにベタ付きさせておけば威力は半減できる。

ならば、川崎がバイタルを埋めるために捨ててきた中盤のプレッシャー、そこで持てるセンターハーフの頑張りが欲しかったところだが、その意味では米本の不調が響いた。
彼が疲れていたのは広島戦やもう少し前から目に付いていて、動き少なくフォローが遅く、判断の遅れからくるパスミスの多さ、そして戻りのスピードも明らかに遅れている。
この辺のネガティブ要因が連鎖してか、運動量も積極性も、やや陰りが見える。
ルーキーに連戦でハードワークを強いれば当然起こりうる事態だが、これもまた、代えの効かない選手層に行き着く問題でもある。
ブロック作り、東京対策をしっかりしてきた川崎を前に好調を支えてきたチームとしてのハードワークが効かない中、長友の個の力で打開した先制点は見事だった。
幾度となくマッチアップすることになった森を完全に抜き去り、それにより横山を引っ張り出すことに成功、エリアに石川が飛び込むスペースができた。
あれはひとつのヒントだろう。
相手がどこを、なんのために固めてきているかを見定めたら、今度はどうやってそこに穴を空けるかが課題で、そのひとつの手段としては1対1の形を作り、そこで綻びを作ることで連鎖的に崩していくのは間違ってない。
長友の好判断、そのあとのしっかり狙った折り返し、詰めた動き、合わせる技術と石川もバッチリだった。
後半、劣勢を強いられて前後の距離が相手からの苦戦を見ても明らかなように、平山に集める形は、周りが連動してはじめて効果を得る。
ほかの引き出しがあって活きるパターンのひとつでもある。
例えばサイドハーフとサイドバックの有機的な絡みだったり、センターハーフの攻撃参加だったり、バリエーションを増やしていかないと苦戦は続くだろう。

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あっという間の45分、入り方のバタつきで不安が募ったが、持ち直した上に先制、ギリギリでの結果だが、前半は非常によく頑張った。
城福さんは2点目取りにいけなかったことを敗因のひとつにしていたが、当然前がかりに出てくる相手に対し、カウンターで一矢、トドメをさせればよかった。
それでいくと、平山のスルーパスに抜けたカボレの1対1、右サイドを石川が抜け出してのクロスに平山がドンピシャで合わせたシーン、あれのどちらかが決まっていれば、評価も全然違ったんだよね。
そこのタレラバを突き詰めていくか、もしくはそのあとを考えるか。

後半の手詰まり感は、自身の無策のほかに、相手の策に対応できなかったというのも大きい。
53分のレナチーニョ投入から、ゲームの趨勢は一変した。
56分、3枚のフォワードへのマークが定まらない中、長友がレナチーニョに引っ張られ、あっさり裏を森に突かれると、フリーでクロスを上げられ、同じく3枚になったことで自在に動くジュニーニョを捕まえきれず、同点弾を叩き込まれた。
この場面は、レナチーニョ・森、の関係に対し、受けた東京は長友・米本で対応したが、米本は森のスピードにまったくついていけず、ここでの追いかけ具合を見ても彼の疲労蓄積を心配せざるを得なかった。
解説の柱谷幸一氏も言っていたが、後半、川崎の4-3-3への移行は予想された事態。
試合後のインタビューでも当然、そこは聞かれていて、城福さんは「外はSBが見て、中はCBと2対1の関係、トップ下は声を掛け合って」といった趣旨の発言をしていた。
この考え方でいくと、トップ下の部分がまったくできていなかった。
ジュニーニョがさかんにバイタルに降りてきてはタッチの回数を増やし、サイドバックのオーバーラップ、谷口や憲剛をうまく使って完全にリズムを奪われた。
梶山、米本のコンビは攻守どっちつかず、どちらもジュニーニョ対策には回っておらず、押し下げられてのサイド攻撃に対応すべくラインに吸収されがち。
最終ラインの人数がそろっているところへのカウンターも次第に効果が弱まる。
前への意識がカボレ、石川、平山と前線の選手はオフサイドにかかる場面もしばしば。
前後の意識が完全に乖離している証拠に見えた。
数のバランスでいけば優位を保っているはずの中盤も、互いの距離感が開いていくのを止められずにスカスカになり、相手の前線にはプレッシャーをかけられマークを乱され、中盤はいいように使われて、こちらの前線は孤立無援。
そもそも相手はミッドウィークに120分プレーした選手が何にもいる中、先に足が止まったのは東京のほう。
万事休す。

ここでどういう対応に出るか。
4-3-3への対応はある程度できていた、そのあとマイボールにしてからのアイデアがプアだったとは城福さんの弁。
話題の選手起用、70分にヨネと草民、77分にはカボレと達也、遅れて82分には石川に代えて赤嶺。
結果からすると、どのカードも効果的ではなかった。
草民には、城福発言を踏まえると、マイボールの繋ぎ、前後分断した最終ラインと中盤を結ぶ役割が期待されていたと思う。
使われ始めたばかりの草民は、それこそ物足りなさを覚えるくらいにチームプレーに徹してて、下がっての引き出し、前のフォローとこういった気の効いた動きができていた。
しかし最近、仕掛けの意欲が増してきたと同時に、今度はそういったチームを小気味よくリズム刻ませるような動きがまったくできなくなってしまった。
結局彼は、前線近くで仕掛けてはロスト、を繰り返し、ネガティブなイメージを持たざるを得ないプレーに終始してしまった。
達也はどうだっただろう。
カボレとの交代だったので、フィニッシャーとしての役割もひとつ、求められていたか。
ポジショニングも中盤、前線、どっちつかずで彼もまた、消えてしまった。
この試合に限っては、石川が右に張り出して、サイドからクロスを上げるシーンが多数、見られた。
それを考えると、赤嶺をもっと早く入れて、サイドアタックの強度を上げる、サイドだけは主導権を握る、そんな選択肢もあったかも。

なんにせよ、交代策が奏効したかが問題ではなく、川崎の布陣変更による一連の負の結果は、オプションがないこと、その問題を突きつけられたことに尽きる。
単純にレナチーニョをベンチに置ける選手層を羨むこともできるが、テセ、黒津を余らせながらも試合中に劇的な変化を生める、フォーメーションの転換という術をもつこと、ここの差も見過ごすわけにはいかない。
長く連勝を続けてきたし、広島、ナビスコ連戦、この川崎戦と、その力を試す意味でも、交代策を含め貫いたことは悪ではない。
大事なのはそれによって知りえた壁、課題をどう克服していくかだ。
連勝を勝ち取った最終ラインからのビルドアップ、2トップの破壊力を使いつつ、何度も攻めなおし、穴を作れる中盤の動き、良かったところを崩す必要はない。
しかし結果を出しつづけ、固定された4-4-2が手詰まりになったときの打開策、オプションが今、このチームにはない。
良い流れを切らないための草民、クローザーとしての達也、この2枚は確かな効果を生み出してきたが、広島戦、川崎戦と、劣勢を跳ね返す切り札としての役割は果たせなかった。
この点に関しては城福さん自身も認めているし、何より達也がしっかりと自覚していることが救いだ。
奇しくも27歳の誕生日を迎えたその日に、冷や水を浴びせられた感はあるが、12番目の選手としてチームを支える、サブメンバーの筆頭である彼の自覚的な言葉は頼もしく、尊敬する。
個々の意識の問題は達也を筆頭に、赤嶺、祐介はもちろん、浄、佐原らベテラン、大竹、椋原ら若手の突き上げ、期待するしかない。

一方で城福さんも、4-4-2に捕らわれすぎない、オプションを用意する必要はある。
6月の中断明けから確信をもって貫き、結果を残してきた戦いがここでさらなる壁にぶつかった。
オプションの少なさだけではなく、一部の選手に対する過負荷、疲労の蓄積、攻撃パターンの単純化…課題は少なくない。
広島、川崎の戦い方は今後の東京と対戦するチームへのヒントになることだろう。
これを乗り越えなければ上位争い、ACLなんて夢の話だ。
その意味で、中断前最後の試合で現実と、未来への課題を見つけられたのは幸運だったと思いたい。

なんだかネガティブな粗探しとタラレバの書き殴り。
くだらんものを書いてしまった。
こんなときこそ、歩みを止めてはいけない。
試行錯誤の末、ようやく手に入れつつあった自分たちのサッカーと、それに対する自身、信頼。
こんなことでは揺るがない。
壁は高ければ高いほど越えがいがある。

中断明け、もう一段階上の次元にチャレンジする城福東京の姿が見られることを信じて、前向きに過ごしたい。




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…え?肘打ち?論外だよ、語るまでもない。
ただ、意見書、抗議文、なんでもいい、当事者は意見しなければならない。
メディアで良心があるやつはドンドン騒ぎ立てろ。
アフターゲームショーは良かった。
野々村さんは逃げないからいいよ。
その点、日本代表で自分のためにシステム組んでもらうような選手は、苦笑いじゃダメでしょ。
笑えたけど、認めるんなら神妙な面持ち、じゃないとやっぱりその程度か、ってことになりますよ。
こういうのは風化させちゃいけない。
試合に負けたのは東京の力不足、総合力で川崎に及ばなかった。
これは勝ち負けとは関係ない。
いちサッカーファンとして、こういう選手がプロとしてピッチに立ってることが許しがたい。
これを負け犬の遠吠えと受け止めるなら、どうぞご勝手に。

あ、結局触れちゃったわ。
by blue-red-cherry | 2009-08-02 14:48 | FC東京
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