アウェー鹿島戦は今朝起きてから録画で見た。 今年はホントにアウェー行けてないなあ。 喜びも悔しさもテレビの前じゃ、半減だ…けど悔しい。 なんつうか、最近の東京はゲームプランが見えてこない。 いや、自分たちのサッカーを貫く、これがゲームプランだな。 だから相手の対策もしない、自分たちのやり方が立ち行かなくなったときも変えない(変える術を持たない)。 7月の好調を経て、だいぶ相手に研究されるようになってきただけに、こっちの無策っぷりが目に付く。 スタートは自分たちのやり方でもいいと思う。 でも明らかに急所を潰されているのならば別の策をとらなければダメでしょう(というかそれが出来てこそ、長所が長所たる状態なのでは)。 中央固められたのでサイドを厚く、その判断は正しいが、中央を固められるのはここ数試合、幾度も経験してきたわけだし、ハーフタイムの修正、もしくは達也が入るまで修正できないという状態は、指示が悪いのか、ピッチの中が悪いのか。 それこそ中と外の使い分けができていれば相手のやり方が偏ることでアドバンテージが出来る箇所も出てくるはずなんだけど、図らずして毎試合、解説者に「中央に寄りすぎ」と指摘され続けた形がまたしても証明された。 中央を固める相手に中央突破仕掛け続けるって、どんだけ愚直ですか。 目の前の勝ち点だけを追っているわけじゃないんだろうけど、鹿島とやり合う準備は出来ていたのか。 中途半端に打ち合ってカウンターのスペースを与えてしまったり、相手のポゼッションに対しては受け、追いかける守備に終始し、リズムを作っていた出所への守備は充分だったのか? どうにもちぐはぐなゲームプランで、いつも後手後手に回っている印象がある。 攻撃が中央に寄るのもある意味仕方ないとは思う。 ビルドアップの今ブルを除いて、前目で計算できる基点が平山と梶山しかない。 特に平山の体のキレは出色で、競り合いや背負ってのプレーのほか、鋭いターン、前を向いての積極性と、1人前線で気を吐いている。 その力をもう少し、エリアに近い位置で使わせてあげたいところだが、彼が下がってこないとボールが回らないし、前線に張ったら張ったで相手CBとボランチのサンドイッチを軽くしてくれるフォローはない。 彼自身に課題がないかといえばそんなこともないだろうけど、充分すぎるほど働いてくれてると思う。 ここが危険なのは衆目一致で、小笠原と青木がバイタルをまったく空けなかったのは、平山の基点潰しに他ならない。 オリベイラはきっちり平山をスカウティング、リスペクトしてきた。 岩政のハードマークに遭いながら、歴戦の守備的MFにも挟まれ続けた90分、平山の無得点を責めるのは酷。 となると必然的に矛先になってしまう、カボレ。 確かにここ数試合の外しっぷりは目に余るものがある。 後半、達也と大竹が入ってきて、サイドからのチャンスメークが目立ちだした60分以降に数度、決定機を迎えている。 少なくとも4回は決定機と呼べるものがあった。 確かに一矢報いたあのシーン、あとは決めるだけという形はそこまで多く作れていない。 しかし、達也のシュート性の折り返し、確かにクロスの勢いはかなりのものだったが、あれは触るだけで入る、のレベルだったし、混戦を抜け出したキーパーとの1対1、チョップキックというアイデアは悪くなかったが、あのダフりっぷりにはがっかりさせられた。 少し休ませるのも、いいのかもしれない。 研究されだしてからのゲームでは、中央を固められ、いかにサイドをうまく使うかがひとつのテーマになってきている。 この試合の劣勢を盛り返したのも、達也と大竹が明確な意思を持ってサイドで仕掛け、徳永や長友が息を吹き返したことが大きい。 であれば、これは何度も書いてることだが、サイドからのボールに対して絶対の結果を残してきている赤嶺に中を任せるアイデアが試されるべきだし(サイドからボールが入るときに限って交代のカードが祐介だったりするんだよな…そういう不具合も目に付く)、例えば中央で勝負するのが難しいのであれば、カボレをサイドに出すってアイデアがどうして出てこないのか、不思議。 なんにせよ、ここ数試合の残念な結果もカボレのチャンスがすべてモノに出来ていればまったく違ったものになっていた。 カボレ1人に責任があるとはまったく思わないが、カンフル剤を打つとすればカボレの使い方(外すのか役割を変えるのか)にヒントがありそうな気がする。 きっと誰もがそう思ってるんだろうけど、石川の穴、思った以上に大きかった。 目に見えるフィニッシュの部分はもちろんだけど、彼のダイナミックな動きの貢献度はフィニッシュの場面以外でも大きい。 中央に偏りがち、スクランブルにならないと機能しないサイド。 ここのバランスも石川の判断に救われていたことがはっきりした。 サイドから中、中からサイド、的確かつ量の多い動きが東京のリズムを作っていたんだと思う。 梶山がアンカーで、ボールを散らすことでリズムを作るように、石川は自らのポジションを変え、呼び込むことで変化をつける。 ボール回しでゲームを動かすパサータイプが典型的な静的ゲームメーカーだとしたら、自身の動き出しでゲームを動かす、動的ゲームメーカーといったところか。 試合勘がいまひとつ、自身の中で守備とのバランスどりに腐心した北斗にこの役割を期待するのは難しい。 であれば引き続き好調を維持する羽生に、前目の位置でかき回して欲しかったが、北斗のところが安定せず、梶山とヨネも前向きでプレーできる環境を持て余す中、ブロックに飛び込んでいってはプレー機会を失ったり、また守備的なバランスどりに意識が向いていたり、中途半端。 その意味で割り切った達也・大竹投入後の展開は悪くなかった。 恐らく達也が右を、大竹は左を崩すことを求められたんだと思うけど、達也はそれをとことん遂行、大竹は序盤指示通りに左に張っては窮屈さを感じさせていたが、(恐らく)自らの判断で中央~右寄りにポジションを移して躍動。 2人とも指示をベースにしながら、個人の持ち味を出しきれていた。 石川や羽生のように、判断力に優れ、スキルもオールマイティーな選手であれば自由を与えることが効果的かもしれないが、達也や大竹のように尖った部分を徹底することで活きるやり方もある。 常々思ってきたことがピッチに描かれているのを見て、改めて「ほかのやり方」の重要性を強く感じた。 前のほう、攻撃面での不満が強いのは3失点が攻撃と表裏一体だったことにあるんだろうな。 3失点、すべてチームの意識は前に向いていた。 ちょっとの差であり、大きい差、切り替えのスピードで鹿島との差を思い知らされた。 立ち上がりの失点は前線に放り込んだボールを跳ね返され、大きなサイドチェンジで振られたのち、追いかけていった北斗、徳永、梶山の3人が、新井場と野沢のコンビネーションであっさりかわされてしまった。 2失点目は、平山のトライが何度かチャンスを作り、鹿島が平山対策で最終ラインとバイタルに蓋をしてきたことで梶山とヨネの保持時間が上がって全体が前へ前へ意識を向けていたところ、曽ヶ端のパントキックへの反応が遅れた。 今野が興梠に張り付きながらバウンドの憶測を誤ると、その裏の広大なスペースをブルーノとマルキーニョスが駆けっこする状態に。 両サイドバックはハーフライン付近をうろついていたし、パントの落下点に意識を寄せていた選手は何人いただろう。 この一瞬は切り替えの意識、カウンターへの備えの意識を欠いていたのではないだろうか(権田の飛び出しを責めるのは酷。むしろ後半同じく難しい飛び出しで防いだ場面を考えると、修正してきたところを褒めたい)。 トドメの3失点目は前がかりになったところ、それも重用していた東京の右サイドを的確に狙われた。 山形戦の失点もそうだけど、終盤だろうが序盤だろうが、サイドは頑張って2枚で守らないと、数的優位を作られてしまえばクロスを入れられてしまう。 それにしても見事なカウンター、サイドアタックだった。 新井場に通したフィードも速いグラウンダーだったし、受けた新井場のクロスも正確にニアを詰めてきた。 今野の体制が悪かったとはいえ、日本を代表するディフェンスの頭上から叩き込んだ大迫のヘディング、悔しいけど迫力があった。 どのゴールにもちょっとずつ足りない部分があり、それが積み重なって、繋がっての失点となった。 攻めの部分で課題が多く、取り組まなければいけないことが多い中であっても、リスクヘッジを怠るとこうなってしまうんだな。 こう考えると攻め手のなさ、カウンターリスク、相対的に考えてガチに打ち合うべきだったかという疑問が残る。 鹿島がセンターハーフを自陣に残し、少ない手駒で仕留めることを選んできたのに対し、馬鹿正直に手数や人数をかけたところをものの見事に刺された。 後半、足が止まったことと、サイド攻撃の意思を明確にして攻撃に幅を持たせたことではじめて梶山やヨネの展開力が活きたが、それまでは前を向けるものの出しどころは見つからないし、自身で穴を空けることもできないしで、ただただ持たされていたように映った。 中田浩二を入れて青木を外に出しての達也対策、結果としてこれは大竹も中央右寄りで加勢したことで東京が上回ることが叶ったが、対応は早かった。 選手個々の差は確かにあった。 だからこそ、ゲームプランがあって然るべきだったのではないだろうか。 自分たちの現在地を知りたいのならば、正面から正直にぶつかるのも間違ってない。 しかし悔しいけど、弱者としての戦い方を、あまりにも無視しすぎている。 うまくハマったときのサッカーの素晴らしさは、メディアがこぞって取り上げてくれた通り、確かなものであり、オレたちはそれに魅了されて、誇りを持って、応援している。 でも特攻して討ち死にしてほしいなんて、誰も望んじゃいないと思うんだけどな。 上を目指すにしても、下を見て引き締めるにしても、自分たちのやり方を貫き通して欲しいものを得られるほど、東京は強くない。 やり方が確立されてきたこと、色が出てきたことはそう簡単に得られない成果だと思うけど、それだけじゃ足りないこと、分かってたはずだ。 ACL出場圏内の3位までの勝ち点差は6。 降格圏内までは勝ち点12差。 どっちに転んでも、これから先は勝ち点にこだわらなければならない。 背に腹は変えられない。 選手も監督もスタッフもフロントもファンもサポも、覚悟が必要だ。 迷いなく、前へ前へ進みたい。
by blue-red-cherry
| 2009-08-24 14:11
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