FC東京×川崎フロンターレ ナビスコカップ決勝

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ナビスコカップファイナル、川崎戦
前日の荒れ模様とは打って変わって、晴れの特異日らしい抜けるような青空の下、東京はクラブ2度目となる栄冠を勝ち取った。
5年前、延長、PKの末にタイトルを勝ち取ったあの試合のときは、まだこのブログを始めていなかった。
今こうして、このブログに東京がタイトルを勝ち取ったことを記せる喜びに、改めて浸っている。

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涙なき勝利。
試合終了を告げるホイッスルを聞いたとき、そんなフレーズが頭に浮かんだ。
5年前、シュートの集中豪雨を浴びた浦和戦、アクシデントを乗り越え、耐えに耐えた末に掴んだ初タイトル。
あの試合、オレは延長戦に入ったあたりから涙が止まらず、それから味スタでの優勝報告会までの記憶が曖昧だ。

目の前の試合だけに集中していたからかもしれない。
過去のこととか未来のこととか、あまりほかのことを考えずに、ピッチを駆けめぐる22人と1つのボールだけを追っていた。
90分の戦いにおいて東京は、5年前とは比べ物にならないほど、冷静に、立派に、堂々と勝利を掴んだ。

前日練習のことを書いた日記にも書いたけど、下馬評の悪さは5年前同様、相手は5年前のほうが脅威だったし、5年前のチーム状態はかなり厳しい状態だった。
だからこそ、5年前の勝利は価値のある勝利だったとは思うが、個人個人が自己の能力を出し切り、チームとしても支えあいながら相手を凌駕する様、それで掴んだ今回の勝利は圧巻だった。
石川じゃないけど、「積み重ね」と「平常心」がこの試合のテーマだった。
今季2度の逆転負けを喫している川崎相手に、同じ轍は絶対に踏まないという強い意志は、敗戦で得た経験値を丁寧にピッチに描いた。
多少のパスミスは見られたものの、序盤から(これは川崎にも言えることかもしれないが)浮き足立つ選手は見当たらない。
気負いすぎず、慎重になりすぎない立ち上がりは、互いを意識しあう両者だからこその立ち上がりだったように思う。

中央から右寄りに動きながら起点になろうとするテセと、そこへ送られるロングボールには今野と徳永がしっかり対応。
徳永を嫌がったか、左サイドに位置取ったレナチーニョとジュニーニョには、上がりを抑えた椋原が蓋をし、米本が挟む。
東京のラインはいつもより若干低めで、テセとジュニーニョにはおよそ、マンツー気味でマークを離さない。
下がったラインはスペースを完全に埋め、裏への抜け出し、飛び出しのパターンはほぼ封殺していた。
中盤の守備意識も高い。
開始から川崎のポゼッションでゲームは進んだが、梶山はアンカーとして最終ライン前にどっしりと構え、達也と羽生の両サイドはポジションを入れ替えながらも、どちらのサイドにいても上下動激しく、サイドバックと連携してスペースとキープする余裕を奪い続ける。
悔しい敗戦を糧にした、見事な守備網を敷いた。
やるべきことをただひたすらに、一生懸命に、そして平常心で、全員が遂行していた。

良い守備が出来ていたと思うが、それでも上回って穴を開けてきた川崎。
ジュニーニョとのワンツーで抜け出した谷口、一度は権田が止めたものの、こぼれ球をどフリー、がら空きのゴールに向けてジュニーニョが押し込もうとした場面は生きた心地がしなかった。
先制点がモノを言う試合なのはピッチもスタンドも認識していたし、あの場面を挟んだ数分が分かれ目だったかもしれない。
良いサッカーをしながらなかなか点を取れずにズドン、ってのはよくみてきた光景だが、苦しいときを耐えながらこっちがズドンってのはあまり記憶にない。
苦しい時間をしっかりと耐えた22分、目の覚めるような米本のミドルが、川島のセーブを弾き飛ばしてネットに吸い込まれた。
スタンドでは一瞬の出来事で、分からなかったその凄さも、もう何度も録画を見てまざまざと思い知った。
反応が遅れただけとは言わせない、強烈なインパクトと、無回転極まった脅威の弾道。
自身立ち上がりから不安定な出来だったことを吐露しているが、このあとのヨネのプレーぶりは、今季一番のものだったといえる。
ジュニーニョにレナチーニョ、テセ、憲剛。
ヨネは一人で4人をマンマークしてたんじゃないかってくらい、川崎のキーマンのトラップを狙い、かっさらい、前を向かれて正対すれば、小平のピッチに響いていた城福さんの「飛び込むな!」の声が聞こえてくるかのように、焦れることなく粘り強く対処した。
目の覚めるような先制弾、試合を決した先制弾が取り沙汰されているが、守勢の試合だったゆえに、彼が元来持ち、磨き続けている守備力こそ、強く光った試合だった。
ニューヒーロー賞はもちろん、この試合のMVPもまったくもって妥当。
底知れぬ能力が次々と開花していく様を見続けられる幸せを改めて感じている。

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事実守勢だったし、サイドバックの攻撃参加なんかはほとんど見られなかったが、ドン引きしてたっていう印象はない。
贔屓目抜きにしても、そうだったんじゃないかな。
引いてスペースを消し、最終ラインで跳ね返す、前線のテセ、ジュニーニョへのタイトマークも目立ったが、出所である憲剛や横山、谷口へのプレッシャーも非常にタイトだった。
奪ってからの判断もよく、攻撃的な守備が消極的なドン引きのイメージを拭っていたのではないか。

奪ってからのパターンは2つ。
スタンドから「オーレ!」の声が上がる、落ち着いたポゼッションがひとつ。
ブルーノ、今野、梶山のトライアングルを基点に落ち着け、縦のボールは平山に当てることで次のコースを作り、赤嶺に達也、羽生の引き出しがその次の展開を作り出す。
サイドバックがタスクを外し、リスクを冒せばよりスリリングでダイナミックな攻撃を見せられただろうが、この試合、サイドバックの優先順位はまず、対面を抑えること。
フィニッシュに繋がるような連携こそ見せなかったが、攻勢をかける川崎の圧を捌くには十分、効果的なポゼッションを見せられていたと思う。

そしてもうひとつはカウンター。
夏の好調期を迎える前、オレはこのチームに「カウンターができないチーム」という印象を抱いていた。
カボレ単騎とか、石川単騎、みたいなのはあったけど、平山のクッションを利用したり、羽生、梶山がワンクッションになってから2枚、3枚と絡んでいく、ヒディングが言ってたところの「コレクティブカウンター」の形に近いものができるようになってきたのはここ最近のこと。
そのカウンターの精度を高めてきた平山と達也が絡んでの2点目、本当に見事なカウンターだった。
この試合でも再三、セットプレーのディフェンスに寄与していた平山が、セカンドボールの奪い合いでかき出し、拾った羽生からサイドを駆ける達也へフィード、迷わず前進し、ややアーリー気味にフラット、前目を巻いたクロスにファーサイドであわせたのは、自陣で相手ボールをかき出した平山!
監督、選手ともに全員攻撃、全員守備を口にする東京の良さを凝縮したようなカウンターだった。
長い距離を走った平山は、チームでも上から数えたほうが早いであろう俊足の達也に追いつく激走。
石川の代わりという目を向けられながら、違った個性でチームに貢献できることを毎試合証明し続ける達也(この試合での走りっぷりは一生忘れられない!)。

この美しく、様々な「積み重ね」が凝縮されたゴールのあとも、攻勢を強める川崎に対し、途中出場で躍動する長友が2度の決定機を迎えている。
確かなボール回し、ディシプリンと運動量・質が融合したブロック守備、そして一撃必殺のカウンター。
何かに取り組んでは何かが出来なくなるのがお決まりだった東京が、今まで取り組んできたことのすべての成果をピッチに実現した。
個々の成長も端々に見て取れた。
シーズン前の突然の塩田の離脱で回ってきた守護神の座を、守り続けることで自信を深め、実力をつけてきた権田は、この大一番で安定感とスーパーセーブの両方を、高次元で見せ付けた。
代表組が抜ける中、20歳らしからぬ落ち着きで評価を高め、守備要因として大舞台をこなすごとに飛躍的な成長を遂げてきた椋原。
彼らの成長なくしてこの勝利はあり得ない。
代表復帰を経て、見違えるように風格が出てきた徳永、10番が誰よりも似合うようになってきた梶山、もはや日本屈指のセンターバックと呼んで差し支えないだろう、今野。
中堅どころの充実も見逃せない。
いまやチーム唯一の外国籍選手となってしまったブルーノだが、怪我に苦しんだ昨年、今季のこの活躍を予想できた人が何人いただろう。
3度目にして今回の優勝がいちばん嬉しいと語ってくれたキャプテン・羽生は、いまや押しも押されぬ東京のキャプテンだ。
マツ、佐原、難しい立場にありながら、それぞれの立場でベストを尽くしてくれる、頼もしい控え選手がいることも忘れてはならない。

涙なき勝利。
ピッチにセンチメンタリズムや過剰なドラマはなかったけれど、胸を打つ、感慨深い勝利だった。
交代出場した選手、出場できずともチームを支えた選手。
現時点でのチームの集大成とも言える出来に、筆が止まらない。

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涙なき勝利。
散々そんな言葉で引っ張ってきたけど、そう思ったのは実は一瞬だけ。
表彰式を経てのウイニングラン、ゴール裏での胴上げ。
中心にいたのは、藤山であり、浅利。
そこからはずっと、泣きっぱなし、泣かされっぱなしだった。
場所を移して味スタ、優勝報告会で満を持して口を開いた城福さんから語られた試合前日、浅利が号泣したエピソード。
「積み重ね」と「平常心」で戦い、勝利を勝ち取ったように思えた選手たちは、重い思いを背負っていた。
椋原が試合前日のインタビューで「背負っているものが違う」と答えていたのもうなずける。
城福さんの苦渋の選択の中には、サリを外すことがチームに与える影響も含まれていただろう。
サリの涙を無駄にしない。
その合言葉は見事に実践された。
見事にFC東京は、2度目のナビスコカップを掲げることに成功した。
しかしサリにとっての最後の晴れ舞台はこの一度しかなかった。
城福東京が紆余曲折を経て、チームとしての強度を高めてきたその集大成が具現化されたその試合の裏に、ベテランの涙があった事実は必然なのかもしれない。
ベンチ入りしながらも出場が叶わなかった藤山も涙した。
クラブスタッフとしての残留を求めながら現役にこだわった男のプライドからすれば、出られなかったことの悔しさが優勝の喜びを上回ったとしても、なんら不思議なことではない。
チームは生き物で、その姿は何度も何度も、様々な形のサイクルを経て変えられていく。
スタッフや、サポーターへの感謝を訴えた社長の挨拶(とシャー)。
その前に、冷え込んだ夜の味スタを温め、昼間は昼間でポテンシャルの高さで相手の海豚を圧倒したドロンパ。
浅利のエピソードの衝撃にフラフラになりながら、試合を思い出し、社長やスタッフのことを思い、ドロンパという存在にも助けられていることを実感し…クラブってこういうもんなんだなって考えさせられた。

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あ゛ー、やっぱり長くなった上に、まとまりのない文章になった。
しかももう2日後だっつうのに、情けない。
インプットが多すぎたわ、2009年11月3日は。
自分の中で租借してアウトプットするのは、シーズン終わったくらいにしたほうが良かったのかもしれない。
なにせ、まだシーズンは終わってないからね。
ナビスコのファイナルでは、その時点でベストのパフォーマンスをして、ベストの結果を得た。
これはその前のアウェー清水戦と同じ感想。
監督の対策も、選手の準備も、ここ数試合は目の前の試合でベストを尽くすことが徹底できている。
これからもそれを続けていくだけ。
それがオレたちの、クラブの未来を作っていくんだ。

ナビスコカップ優勝、おめでとう、ありがとう。

次はリーグ、天皇杯。
まだ何も終わっちゃいない。
ギザ貪欲にいきまっしょい。
by blue-red-cherry | 2009-11-05 20:02 | FC東京
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