トッテナム・ホットスパー×ウエストハム・ユナイテッド イングランドプレミアリーグ09-10 第20節

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中一日という強行日程で行われたプレミア第20節、トッテナム・ホットスパー×ウエストハム・ユナイテッド
ウルブス戦を取りこぼした後はホームのシティ、アウェーのブラックバーン戦に連勝し、連戦に備えて面子を入れ替えて戦った前節アウェーのフラム戦は劣勢ながらもきっちりドロー。
いい流れのまま年内最終戦を終えたかったスパーズ、完ぺきではなかったが、地力と選手層の差でしっかり勝ち点3を奪ってくれた。
この地力≒ポテンシャルと選手層の充実がこの先、シーズン中盤から後半でものを言う展開になりそうな気がしてならない。

ハマーズは攻守の心臓、パーカーが早々に負傷交代したのが致命的だった。
連戦ながらうまくやりくりしてきたスパーズは、エンジン全開とまではいかないものの、この試合でも一瞬のキレと迫力に一日の長がある。
対するハマーズはアップソンとトムキンスのCBコンビを中心に粘り強く守り、跳ね返したボールをパーカーに収めることでポゼッションでスパーズを上回る立ち上がりを見せた。
パーカーのキープ力、前への推進力、そして気合いの入ったプレスやチェイスは、ハドルストーン&パラシオスのセンターハーフと互角にやり合うものがあり、解説の粕谷氏が「パーカー>バリー」とするのも、今季の出来を見れば納得させられる。
そんなパーカーがわずか11分でピッチを去ったことは、カード一枚切る以上の大きな損失だったのは明らかだ。

だが、それでもギリ互角、やっと戦えるレベルだったのが正直なところ。
スパーズにはレノンがいる。
パーカーが退く直前の11分、ポゼッションでは五分か、やや劣っていたスパーズは、幾度か見せたレノンからの攻撃を終ぞ実らせる。
楔を受けたデフォーが程よく溜め、右サイドを膨らんで走るレノンの前のスペースに送る。
ディフェンダーと駆けっこ状態になったレノンはあっという間に数馬身差をつけて抜け出してグラウンダーでマイナスの折り返し、ディフェンスの足に当たってコースが変わったものの、中央に詰めていたモドリッチが難なく押し込んで先制。
もうね、レノンがキレキレなこととか、毎回すぎて書くのも馬鹿馬鹿しい。
このアシストは持ち前のスピードを全開にしたフィジカルが前面に出たプレーだったけど、この日もクロスの種類、ドリブルともに例によって豊富。
右を切ろうという、ハマーズディフェンスの意図が見られたこともあって、カットインからの左足シュート、ショートパスのチャレンジも目立った。
確かにひとつ、もうひとつ伸びればという点を挙げるとすると、カットインからの左足のシュート。
これの精度上がってきたらいよいよ、穴ないけどね。
とにかく手がつけられない。
このままのペースを維持してワールドカップ出たら、世界中を驚かす可能性秘めてるよ。
ハマーズはちょっと、レノンのケア足りなかったかなー。
でもそれも、ハドルストーンとパラシオスがよく引き付けて、溜めて、いいパス出してたからだし、まだまだ本調子に程遠いとはいえ、先制点後のモドリッチはタッチ数多く、ケアすべき対象だった。

前半は先制点の後、完全にスパーズのターン。
レノンを使ったスピーディーな右サイド、好調維持するクラウチに当てる中央からの崩しに加え、パーカーの抜けた中盤でハドルストーンとパラシオスが無双状態。
ポゼッションでも上回り、しかもフィニッシュ頻度も高く、セットプレーの山を築いた。

後半も65分くらいまではスパーズがその、クオリティの差で圧倒してたんだよね。
同じ連戦でも、選手の入れ替えでニコとモドリッチとか、クオリティが落ちないし、一瞬一瞬の切り替えや寄せ、抜け出しの部分のキレが違う。
連戦で難しいゲームになればなるほど、基本的な技術の差が出やすいし、その意味でスパーズの選手のクオリティの高さが際立った。
しかし、攻めれば攻めるほど、取れないとうまくいかない負のスパイラルに陥るという、サッカーの常套句はこの日も健在。
ボールがまったく収まらなかったフランコの1トップを諦め、パーカーと変わって入ったヒメレスとの2トップにしてきたハマーズ。
ゾラ監督のこの布陣変更で、左ウイングとしてまったく存在感がなかったディアマンティが中盤でタッチ数増やしてゲームを活性化。
ペースダウンしていくスパーズを尻目に、積極的な動きで80分くらいまでは圧倒的に押し込んだ。
ベースの部分は変わってなかったりするんだけど、こういう展開、ホント多いから不思議だよなー、サッカーって。

こういう試合をどうやって締めるか、実況も解説もテーマにしてたが、ひとつ見事な回答が提示された。
81分、攻勢続くハマーズのセットプレーを跳ね返したスパーズは、レノンが粘ってデフォーへ展開、デフォーは激しく寄せられながら粘ってカットインしながら強烈な無回転ミドル!
グリーンが一度は弾いたものの、リフレクションが吸い寄せられるようにデフォーの足元に転がると、今度は迷いなくストレートシュートを振りぬき、ネットに突き刺した。
レノンのパスも良かったし、何よりこのデフォーの一連の動き、ハンパないです。
体の使い方もうまいし、かつ、ディフェンスとの間の取り方も絶品。
そして2本のシュート。
もう、目見開いたわ。
このチームはカウンターもできる。
充実著しいドーソンに加え、復活したキングも危なげない。
チョルルカ、アスーエコトも問題ないし、強固な守備陣はこれで、4試合連続のクリーンシート。
彼らが壁となり、脅威のスピードを誇る前線が、鋭いカウンターを実現する。

ハマーズはツキがなかった。
バランスよくなった後半の布陣に、パーカーが絡めばもっと多くのチャンスを築けただろう。
ダメ押しされる直前の投入となったスタニスラスの勢いは一瞬ながら面白かったし、パーカーに加えて左SBのイルングも早々に下げざるを得なかった展開は厳しかった。

そんなハンデがあったとはいえ、勝ちきったスパーズ。
これは素直に喜びたい。
モドリッチはプレー時間を追うごとに勘を取り戻していく様が見て取れたし、代わりに入ったニコがまた、むき出しの負けん気をピッチに表現してくれた。
現時点ではニコのほうがフィットしそうな気がするが、こうなってくると、ますます共存の可能性に期待が高まる。
でも粕谷氏の異常な愛を感じる、ハドルストーンも圧倒的な存在感見せてたし、うーん充実してる。
冬のマーケットで多少動きはあるかもしれないけど、この選手層、ハマーズはおろか、ヴィラ、下手したらガナーズにも劣らない。
中盤から終盤戦、否応にも期待は高まる。
by blue-red-cherry | 2009-12-29 12:51 | サッカー(FC東京以外)
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