浦和レッズ×FC東京 2010 J1第2節

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J1第2節、アウェー、埼玉スタジアムにて浦和戦
開幕連勝、チームが掲げた昨季2分8敗、上位チームとの対戦。
勝ちたい要素はあったが、それ以上にここまで公式戦、5年以上に渡って14試合未勝利という禍々しい現実を振り払うため、ピッチの上もスタンドも、隠し切れない思いが溢れていた。
そしてまたしても魔境・埼玉にて、ナニカを味方に出来ず、フラストレーションが溜まるだけの90分を終えて、勝ち点を逃した。

…というのが現地を後にしたときの感想。
明けて月曜、テレビ観戦した人と話すと、あまりにも自身の悔しさ、やり切れなさと対象的に、以前までの敗戦とは違う、というさっぱりとした感想。
あまりのギャップに、家に帰って録画を見直して、ある程度納得した。
今のチームの出来ないことと、少しの希望が見えた前半、苦境でも折れない采配と局面での選手の頑張りで今のチームで出来ることのヒントが見えた後半。
こうして冷静に見ると、良くも悪くも身の丈が露になった試合だったのかもしれない。
今日も、いや、今日はいつにも増して長くなりましたww

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悪くなかった立ち上がり。
どちらも落としたくない試合ゆえに、人数かけず、後方から2トップを狙った早い展開を試みる。
中盤のプレス合戦はなく、浦和は阿部と、降りてくるポンテが配球役になり、エジミウソンと田中達也を走らせる。
対する東京は前線のマークが剥がせないものの、同じくプレッシャーを受けない羽生、徳永のところでキープ、展開を試みた。
この時間、輝きを見せたのが徳永だった。
2トップはマーカーを剥がせず、両サイドのオフェンシブハーフも動きに乏しくスペースがない、そんな閉塞感が漂う中、チームいち、前向きにボールを受ける頻度が高く、難しい役割だったが、ドリブルの仕掛けで人を寄せ、自らかわして攻めあがることも寄せて散らすこともチャレンジしていた。
そこに前節のような安全第一の姿はなく、羽生とトレーニングする中で、チャレンジする徳永の役割が見つけてきた印象だ。
しなやかさやリズム、展開力で見劣りはするものの、というか別ジャンルに近いと思うが、ドリブルを使いながらのゲームコントロールや仕掛けの意思は梶山のそれと役割的には近しく、ボランチ徳永の可能性が2節にして見えてきたのは、光明としていいだろう。

しかしそれ以外がまずい。
攻守における、チーム全体の距離感がどうも、今ひとつ。
平山へのマークがキツイのは前節同様で、かといって人についてる分のスペースがあるかというとラインは低め、達也が狙う裏のスペース、という形も作りづらい。
それなのにこの2トップは最終ライン張り付きで、ならばラインを下げさせて平山の頭を狙い、リフレクションを拾って、という考え方もあるが、それも可能性低く実行されない。
というのも2トップと左右のオフェンシブハーフとの絡みが極端に少ない。
序盤、蹴りあってた段階で、カウンターから北斗が2度ほど独走、ミドルのあとに達也にスルーパスを送ったが、有機的なパス交換はあれ以外、ほとんど見られなかった気がする。
2トップがマーカー剥がせず、裏のスペースもないならば、彼らの近くでサポートし、寄せて開いての流れを作りたいところだが、バイタルを空けない阿部、細貝のコンビを嫌ってか、北斗と松下が絞る場面はほとんど見られなかった。
かといってこの両者がワイドを有効に使っていたかといえばそうでもない。
松下の左は、切り返してのインスイングなのか、止まった状態に限られるかもしれないが持ち味がキックなのは間違いなく、また、北斗は昨季から右サイド、力強いクロスで好機を演出している。
彼らをサイドハーフで使うなら、クロッサーとしての価値が真っ先に浮かび上がるし、それを見せておいてのサイドバックとの絡みなども期待できるが、そのどちらも見られない。
しかし実際は絞らない、ポゼッションにも絡んでおらず、どうにも中途半端な印象を受ける。
端的に言うと、運動量が少なく、同時にブロック作り、守備に重きを置いてるように見受けられることから、攻撃面で慎重になりすぎているように映る。
これが悪循環で、中央、ポジション崩さずにワイドのブロックをサイドハーフが律儀に埋める余り、阿部、細貝に加えポンテも加わった浦和センターに羽生、徳永とここで数的不利が生まれてしまう。
相手のポゼッションが高まり、となるとブロック作って受けに回り、2行前に戻る、と。
たらればでいけば達也の位置を少し下げてボランチ、ポンテにプレッシャーかけるべきだったとは思うが、どちらにしろ、梶山、石川が使える時間まで耐える、はベンチにもピッチにも、共通認識としてあったんじゃないかな。

もうひとつ、距離感の悪さは守備面でも悪循環を生んだ。
東京のディフェンスラインはブロック作れてるのに、ディフェンダーとディフェンダーの間に受け手が動き、そこに速いパスが出ると割と簡単に綻びを見せた。
相手の縦へのボール、受け手に対し、出し手、3人目と動いてきた縦の動きに対し、受けるブロックは作れていても、出し手に対するマーク、3人目に対するチェックが後追いになり、数的不利な状態に陥っていた。
上に挙げた中盤両ワイドのブロック埋める意識、実直に開きすぎているポジショニングとも同じ話で、相手がゆっくり回してるうちは穴を空けない、それでいいんだけど、マイボールを失った際にはどうしても距離が空きすぎていて、前への意思が統一されて動く浦和のアタックにどうしてもついていけない。
失ってからのプレッシャーという意味では徳永、羽生のところで何度か頑張っていたが、それでも切り替えが遅い、という見方が出るのは仕方ない。
しかしそれ以前に、相手の動きにどう対応するか、スペースは埋められていても、個々で繋がりながら対応する守り方で遅れが出ていた印象だ。
田中、エジミウソンへのファウルが増えたのも、後追いの守備だったことを証明している。
逆に阿部やポンテ、出し手へのファウルは数えるほどしかなかった。

だから、森重の退場についても、個人の守り方、判断のまずさだけでは片付けられない。
PKに繋がった宇賀神に対する守備も、退場になったファウルの前、柏木のポスト直撃弾に繋がったエリア直前でのエジミウソンに対するオブストラクションも、数で勝られ、受けの姿勢から追いの形で無理に止めに行った代償だ。
ただ、個人としてもまずかった部分はある。
宇賀神に対しての守備では、まずあの段階で手から体を入れて前に入るのはかなり難しかったと思う。
かといってボールに行くとなるとスライディングは必須で、あの位置で滑るのはリスク高かったのは間違いない。
となるとなんとかコース切るってのが妥当だったかと思うが、あのスピードで入られて並走では勝ち目なかった、それが森重の判断だったんだろうな。
開始早々に細貝の飛び出しに対し、似たような守備からもつれあった際どいシーンがあった。
あれで大丈夫だと思っちゃったかな。
二枚目のカードが出たファウルより、上に書いたその前のプレーだろ、というのは浦和な方も、青赤な方も共通した認識のようだ。
あそこで止めなければエジミウソンはエリアに入れてただろうし、得点機会阻止に近い。
DFとしては条件反射のレベルだと思う。
PKのとどちらにも言えることだが、森重のファウル以前に、あの形であの位置でダイレクトプレーを許せばああいうことになる。
一方で下地があった中で危険なファウルを続けてしまったことは、森重の反省材料だと思う。
全体的に荒かった、みたいな言われ方してるとこもあるが、この3つの大きなファウル以外はおしなべて、開幕戦同様にスマートにプレーしていた。
佐原じゃないけど、雨降って地固まる、城福さんの指導でこれを糧にしてくれればいい。
幸い、局面も課題が分かりやすいケースだし、スキルアップの材料としては悪くない。
代償は少なくなかったんだから、ペナルティ明けを期待して待つ。

個人的には、カードの基準はもう少し甘くてもいいかなとは思う。
バックチャージや得点機阻止、足裏、エルボーなどの危険度の高いプレーはともかく、例えば森重の退場に繋がったアフターとか、もちろんファウルなんだけど、あの程度のコンタクトはあってもおかしくないとは思う。
選手に怪我させないことは優先してほしいけど、ACLでの苦戦を見たりすると、もう少し厳しさ、激しさがあってもいいのかなって。

とまあ、11人のうちから課題は思いっきり露見されてて、森重の退場との因果もそこにあったと思う。
それは開幕前、開幕戦で再確認された梶山、石川の不在という単純な答えではなく、攻守に繋がりを欠いた綻びの連鎖。
ただ、現場で肌で感じた雰囲気も嘘ではないはず。
どことなく浮き足立ち、急ぎがち、自分たちの時間を持てないのはこの試合に限らず、幾度となく見せられてきた浦和戦の光景だ。
こう続くと、退場者出すのも一度や二度じゃないし、苦手意識やコンプレックスを持たないほうが難しい(なにより見てるほうに根強いくらいなんだから)。
でもこればかりは乗り越えてもらわなきゃ困る。
そういう意味で、ファンもフロントも、川崎じゃないけど、いちチームの対戦以上に盛り上げる企画、やってもいいのかなって思った。

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さて、森重の退場以降について。
過去のこの対戦を思い浮かべれば、ここからしおしおになり、閉塞感漂うまま終わっていく流れも想像に難くなかった。
その思いを払拭してくれたのが、44分の石川の投入だった。
控えには2枚のセンターバックが名を連ねており、定石どおりならばセンターバックを入れる、もしくは徳永を下げるにしろ、中央で守備とのバランス取れる選手を入れる、という判断が予想される。
しかしここで城福さんは石川を送り込むことで、オレたちはやられたわけじゃないというメッセージで下を向かせず、追いつき、追い越すんだと背中を押した。
残り時間わずかだったが、だからこそ、その思いは強くゴール裏にも伝わったと思う。
数的不利な状況は変わらないし、石川自身も万全ではない。
彼の投入だけで劇的に状況が変化することはなかったが、後半立ち上がり、城福さんからラインの上げ下げに関する指示が出ていたようだが、下がりすぎず、奪ってから前へという意識は確実に強まった。
少しずつ浦和の足が止まりだしたことも見極めての判断だと思うが、ここから60分に椋原→赤嶺、63分に羽生→梶山。
畳み掛ける城福采配。
73分に梶山のキープからスルーパス、赤嶺が押し込むもののオフサイドと判定された幻のゴールを皮切りに、ここからの5分間は一人少ない東京が浦和を圧倒した。
77分には長友のオーバーラップからのクロスに平山が飛び込むも、ゴールインしたのは平山のみ。
続く78分には今野のフリーキックに平山が競り勝って落としたボールを、エリア左で石川がボレー、難しいボールでジャストミートできずキーパー正面。
さらに右サイドバックに入った松下が上がってのクロスを平山がニアですらし、ファーに流れたところを赤嶺が左足で思い切り良く振りぬくが、バーの上。

この怒涛の5分間含め、後半の多くの時間、積極姿勢で浦和を上回った東京。
もちろん、投入された交代選手のクオリティの高さは言うまでもない。
石川の前への推進力はスペースに、平山の衛星に動き回り、平山の頭を狙った攻撃を後押し、活性化した。
梶山のキープ力と展開力、まだまだ全開とまではいかないが、それまで東京に足りなかったものであり、足の止まり始めた浦和の中盤にあのプレーは嫌だったはず。
最も目立ったのは、開幕戦に続き赤嶺のコンディションの良さだ。
出場時間、すべてをならせば消えている時間も多いんだけど、赤嶺が入ったことで平山のマークが分散し、平山が競り合いで力を発揮しだしたのは明らか。
そして何より、幻のゴールとなった73分でのプレーが強烈なインパクトを残した。
ディフェンスを背負いながらラインとの駆け引きを行い、タイミング良く梶山からパスを引き出すと、寄せられて体制崩しながらもゴールキーパーをしっかり見てコースに流し込んだ。
あの半身がオフサイドになるならば、オフサイドの厳罰化が行われたと思わざるを得ないレベルだったし、駆け引き、ボディバランス、シュート、赤嶺の一連の素晴らしい動きが幻のゴールと扱われてしまうのはどうにも納得がいかない。
非常に充実を感じるプレーだった。
残念ながら中盤との有機的な絡みが見られず、平山の手助けにもならず、前線では存在感を発揮し切れていない達也をトップで使うならば、赤嶺を、と叫ぶ声が出るのもうなずける。
この時間はもっともうまくいった例だが、平山の傍で体を張り、守備を引き付けながらゴールを狙う赤嶺、平山というターゲットを軸にチャンスメイク、自身の飛び出しと絡めた石川、そしてポジションを下げ、人数少なかったこともあるが、上下左右にスペースある中でその運動量が攻守に目立った達也。
スクランブルで見られた個々の踏ん張り、2試合続けて結果が出ない前線の組み合わせ、いまだベストが組めない戦いが続く中で、現状の最適解のヒントは見えたような気がした。

慣れないポジションを担うことになった選手たちの奮闘も見逃せない。
ボランチに希望が見え始めた徳永は、危ないパスミス一本あったものの、センターバックに入ってからも安定したプレー、前への積極性は失わなかった。
そしてなんといっても松下。
最初のポジションでフィットしていない、というのが気にかかるところだが、ボランチ、右サイドバックとポジション移しながらも、気合いの入ったプレーを見せてくれた。
特に右サイドバックに入ってからはビッグプレー連発。
センターバックがビルドアップに上がることで最終ラインにひとり残ることが少なくなく、34分にはサイドチェンジ一発でエリアに柏木にエリアに侵入されるも、じっくり対峙しブロック、38分には徳永、今野ともに後ろを空けたところにエスクデロへスルーパス、逆からはポンテが裏を狙うという1×2の絶体絶命のピンチに、後ろを切りながら間合いを詰めてエスクデロをスライディングでストップという、歴戦のセンターバック顔負けの守備。
攻撃機会は多くなかったものの、上がれば平山の頭に合わせたクロスしかり、武器である右足を振りぬいたりと、持ち味を発揮しているとは言いがたいが、ここぞというときに戦える選手であることを証明してくれた。
こういった、普段とは違った役回りでの仕事をそのまま、次戦以降に繋げるのは難しいが、この試合での輝きそのものは色褪せるものではないし、次に同じ状況に陥ったときにきっと、力になってくれるだろう。

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とまあ、長々と書いてきたが、録画を見なかったらほとんど分からなかったことだらけだな。
やっぱりゴール裏は異世界だし、毎試合飛んで跳ねて声を枯らしてサポートするコアの方々には頭が下がる。
力が入る分、悔しさもひとしおだし、喜びもひとしお。
押し付けはあまり気持ちよくないが、それだけ特別な場所だと、改めて思った。
そんな中でもしっかりと見えた権田の活躍にも最後、触れておきたい。
エジミウソンのエリア左からのテクニカルなシュート、バイタルからの弾丸ミドル、どちらもスーパーセーブ。
サイドを破られることも少なくなく、クロスへの対応も的確だった。
バックパスもまた多く、これの処理も例によって安定していた。
しばらく落ち着かないと思うが、最後尾の彼の充実はひとつ、数少ない好材料だ。
それと、前半浦和に押されている段から、後半は絶対落ちる、とは思っていたものの、10人にも関わらず攻守に凌駕した運動量は評価できる。
90分通して戦う力は、アクシデントのありなし、たらればを抜きにして、東京のほうにあったと思う。
城福さんが胸を張っていい、としていたのはこの点なんじゃないかな。

外野の意見の多くが一致するくらいだから、城福さんが気づいていないはずはない。
前線、中盤の組み合わせをどういじるのか。
もしくはいじらないのか、いじらずに貫きたい狙いがあるのか。
そして個々の選手たちはどう応えるのか。

一人少なくても勝ち点を取りに行く采配は、開幕戦に続き、勝ち点への執念、真の優勝争いへ臨む決意を感じるものだった。
浦和戦の敗戦はそれとは違った悔しさがあるのが正直なところだが、信じられる、期待できる部分はあった(スタジアムで感じられなかったのは気がかり、単純に自分が入れ込みすぎてただけだと思いたい)。
オレは信じるし、期待する。
出来ると思ってるから。
by blue-red-cherry | 2010-03-16 17:17 | FC東京
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