チルドレン

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伊坂追っかけ読みシリーズ。
「魔王」とか「砂漠」とか「死神~」とか。
実は新しいのから入ってったんだけど、いつか読み直して書いとこ。
今回は文庫化されて間もない「チルドレン」

痛快娯楽作の「陽気なギャング」は置いといて、あれを除くと伊坂作品の中ではいちばん明るく、気持ちのいい作品かな。
家庭裁判所が舞台である以上、難しめな夫婦や親子の問題、それに中心人物の永瀬が生まれつき持つ、盲目と言うハンディーの話だったり、抱えるものはあるんだけど、そこで描かれるのがその設定をバネにしたポジティブさだったりして、気持ちいい。
5編からなる連作短編集だが、すべてのエピソードに関連性がある。
これは群像劇を得意とし、自分の作品をリンクさせる趣味がある伊坂作品の特徴が、短編集という形で凝縮された印象。
ただ絡めるだけではなく、過去現在の時間軸が背の順みたいな真っ当な並びじゃなくてあちこちに飛ぶんだけど、その並びが通して読んでると絶妙なんだよなー。
さすがだね。

相変わらず、スタイリッシュで甘酸っぱい。
どこか冷めているような世界観や書き方だけど、くすぶってる胸の中の火種に火をつけるエッセンスがたくさん詰まってる。
奇跡を起こす、奇跡を信じるってのがいいじゃない。
吹っ切れぶっ飛び系キャラの陣内だけど、実は地に足ついてたり、リアリストに見える鴨居や永瀬がロマンを持ったり、そういう冷たさと暖かさのバランスがいいよね。

ちょっとカッコよすぎる気がしないでもないが、嫌味には感じない。
若くても、年寄りでも関係ない。
夢見て、根拠の無い自信を持って、前だけ見て進んで生きたい。
by blue-red-cherry | 2007-06-01 16:52 |
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