グラスホッパー

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ちょい前に読了した、伊坂の文庫化最新作「グラスホッパー」
事前に得ていた情報では、彼の作風の中では最もハードなスタイルとのこと。
殺し屋が生きる、現実とちょっと不思議が入り混じった世界をいくつかの視点が語る。

今回も得意の群像劇。
主体も相変わらずキャラ立ちした3人の男が三者三様の絡み方で主軸につながっていく。
テーマはひとつの殺人事件を軸に進む。
そこにメインで絡んでくるのが殺し屋稼業を生業にするやつだったりするもんで、確かに淡々と、いつもよりは冷たい質感が味わえる。
ただし、それ一辺倒ではなく、きちんと箸休めというか、目をそらせる場所も常に同時進行でおいてくれているので、単なるハードボイルド小説とは一線を画す。

鯨っていう一人の主役がいるんだけど、彼がもつ陰陽的な能力を軸に、いつにもまして今作では人々の「ゆれる」心象風景が強く、印象に残った。
善と悪、正と否。
誰もが抱え持つ、己の光と闇が浮き彫りにされていく物語は読み応えがあった。

ものすごくハッピーでも、ものすごくサッドでもない。
いつもの気持ちになれてよかった。
by blue-red-cherry | 2007-08-02 21:23 |
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