空中ブランコ

空中ブランコ_c0025217_17121237.jpg

「空中ブランコ」、読了。

いいわあ、伊良部先生。
癒される。
天然っぽくもあり、確信犯っぽくもある。
子供のころの初期衝動がそのまま残ったまま受け皿だけ成長しちゃってて、財力も最強な、厄介すぎる子供大人。
天然でも確信犯でも、どっちでもいいか。
診察料はあってないようなものっぽいが、貧乏人でも通えるもんならぜひ診てほしい。

今回は「イン・ザ・プール」よりハートフルなのが多かった気がするなあ。
落としどころが夢の達成だったり、家族愛だったり。
「女流作家」とか、結構パンチあるし考えさせるよね。
それに笑いの要素が加速気味。
「義父のづら」なんて最強に笑えないネタを超笑える話にしちゃってるもんな。
全部根っこは何かしらの神経症なんだから、笑えない話で笑わせてるってことはすべてのエピソードに貫かれているかもしれない。
ただ茶化してるだけじゃなくて、上にも書いたけど、最後温まったりしちゃうからもう。
痛快作を欠かせたらホント、巧いよなあ、奥田英朗。

伊良部はなぜに注射フェチなのか、そもそも注射のどこが好きなのか。
まゆみちゃんは何者なのか。
ちょっと引いて考えると知りたいことだらけだな。
とりあえず次は「町長選挙」。
病んでるときにでも読むかな。
絶対元気になれちゃうから。
by blue-red-cherry | 2007-10-26 17:13 |
<< 豚バラニラチャンプルー 香港食堂 >>