HEAVEN

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随分と経ってしまったが、発売日からほぼ毎日欠くことなく、一度は再生してるよ、「HEAVEN」
SEEDA本人のインタビューが載ったので、オレがこのアルバムをいろいろと深読みするのはなし。
つうか、書こうと思いつつ、深読みしてハマって書けずにいたんだけどね。

詳しくはamebreakを読めば分かるんだけど、彼が意図していたことを、意図通り感じていた。
リリックの内容はより、普遍的、普遍的ってのが正しいかはわからないけど、少なくともオレのように「Hustle」とか程遠いぬるめの世界にいる人間にとってより理解しやすい世界にある。
彼は以前から「そいつのリアル」を歌うべきだって言ってたし、彼を取り巻く環境や彼に渦巻く心の動きが変われば歌う内容が変わることも至極当然で、しかし歌っているSEEDAはSEEDAなわけで、伝わってくる熱情だったりリアリティーはまったく損なわれることも、当然ない。
HEAVENというタイトルに込められた意味も語られているが、それは痛いほどに扇情的に魂の叫びが耳に届く「Nyce Dream」で歌っているように、制作環境を自主に戻してまで、前作から数ヶ月という短いスパンで出してまで、彼が手にしたかったものなんだろう。

「生と死」をイメージせざるを得ないタイトルの作品であり、事実はなむけ的な「Lost Heaven」みたいな曲もあったりするんだが、そんな作品にエッセンスの粋を超えて存在感を発揮していたシンガーのORITOさんが亡くなったそうだ。
憂い、ブルージー、そんな言葉がしっくりくるORITOさんの声は、Bach Logicとのつながりで参加したんだと思うんだけど、additional vocalという表現では足りない、あの歌声があってはじめてトラックが、曲が完成していると思わせるものがあった。
ORITOさんとは面識があった。
静かな佇まいの中に熱さを携え、そしてプロフェッショナルな人だった。
どうか安らかにお眠りください。

Son Gotta See Tomorrow
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閑話休題。
一方で「生きる」ってことを強く歌っているとも思う。
「HEAVEN」なんかねえ世の中だけど、明日が来るから生きるんだ、みたいな、リアルなポジティブさ。
根拠のないポジティブも否定しないけど、力強くない、ただ前向き(なんかチープな響き)なだけじゃないポジティブってホントの力になるような気がする。
「Son Gotta See Tomorrow」「空」「紙とペンと音と自分」、この辺は共通してそんな空気があって、すごく胸がぞわぞわする。
聞いて元気が出る日があれば、聞いて泣きたくなる日もある。

フロウやライミング、スキルについて。
これもインタビュー参照なんだけど、スキルを追及することより多くの人の耳に届けることを志しているらしい。
そうだよな。
誰よりも流暢に英語を扱え、緩急どちらも高度なフロウを聴かせられるのは既に証明していたけど、「花と雨」「街風」ってどんどん聴きやすくなってきたのは感じてて、今じゃ日本のMCの中でもかなり聴き取りやすいMCの一人だと思う。
聴き取りやすい=平易、ではないってことだ。

I-DeAとBach Logic、東西横綱ががっぷりよつで組んだトラックのクオリティーが高いのは言わずもがな。
メロで聴かせるI-DeAと、グルーヴで酔わせるBL。
どちらもSEEDAのことを深く知っているし、SEEDAもまた彼らを深く知っている、信頼関係が生んだ統一感は出色。
BLとSEEDA、2人の世界である「花と雨」ほどではないかもしれないが、それがマイナスなことは何一つない。

一生聴き続けると思う。
いい音楽を、ありがとう。
by blue-red-cherry | 2008-02-27 17:54 | 音楽
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