talk about ペン先にこめた喜怒哀楽

GEEKといえばDJ TAIKIで、OKIといえばWORD SWINGAZという認識だったオレがOKI from GEEK「ABOUT」を買いましたよ。
SCARS聴いてSEEDA聴いてSWANKY聴いてSD JUNKSTA聴いてGEEKってどんだけミーハーなんだと思われても仕方がないが、衝動が収まるわけなかろうが。
リリースも多いが、食指が動いたもので満足できなかったものが今のところない。
一歩踏み出せばすぐ分かることだが、日本語ラップは今もめちゃくちゃ面白い。

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「花と雨」収録の「Saibaiman」でしか聴いたことなかったOKIのラップは、上に挙げたラッパーたちの中でも群を抜く明瞭さ。
声質からして澄んでて抜けがよく、かつ言葉選びも日常をエグってくるライムに相応しく虚飾がない。
フロウも枠を逸脱することはなく(平易ということではない)、聴き易さの要素はすべて揃ってる。

成年の主張。
格差社会だの円とドルが上下するケオティックな経済の話とか、いろんな法案の話とか。
オレらの隣にもう既にいて、気配を感じさせないんだけど、そこにリアリティが感じられないから、自分の話ではないように聞こえるからっていう「本当は怖い社会の話」がストリートでフィルタリングされた言葉と音。
OKIが歌うMONEY,CASH,HOESのストーリーは、路地裏に投影された社会問題。
日々漠然と抱えている不安や憤り、その対象はナンなのか、人それぞれあるだろうけど、OKIの吐き出す言葉にそんな景色を見た気がする。

文字通り操り操られの組織社会で生きる難しさを吐いた「マリオネット」、どうにもならない矛盾だらけの格差社会が目の前にあることを再確認する「born to be」、繰り返される毎日、朝の電車のこととか毎日オレも感じてる「kinou to onaji」
目に見えないけど誰もがため息とともに吐き出している灰色のバイブス。
改めてこう伝えられると、なんかそうだよなー、そうだよなーって。
シャンパン、パンパン!もいいけどさー、ラブソングもいいけどさー、こういう風な機能あるよな、ラップって。
アイドルに道端の、路地裏のリアリティは歌えないよ。
「あの日」「Pass」、自身のストーリーを綴った曲も多い。
聴き取りやすい言葉がそうさせるのか、一つ一つの言葉が場面を想起させる。
GEEKとGEEKが競演した「Wave」と、東のOKIと西のOKIが競演した「K.Y」の2曲は、どちらもシンプルでファンキーなトラックの上をオレがオレが的なトピックで歌う、所謂ヒップホップ的な曲なんだけど、逆にこのアルバムでは浮いて聴こえることがこのアルバムの全体像を示しているのかも。

トラックのレベルも高い。
ネタ選びがヒップホップらしくないというか、音楽性が一際目立つI-DeA作の夜めでジャジーな「1g」、NORIKIYO招いて等身大のポジに共感する、トピック的にもオレ的ベスト、メロウで疾走ってる「四畳半劇場」が出色かな。
SUIの固くて跳ねるビート+気持ちいいピアノという鉄板ビーツに女性ボーカルが響く、アルバム中もっとも艶やかな「マリオネット」もお気に入り。
「1から10世知辛く すべもなく whatcha gonna do」って、日本語ラップじゃなきゃ生まれないフックだよね。

ラップするほうが話すより伝えやすい。
どこかのラッパーが言ってたけど、そんなラッパーならではの愛が詰まったフリースタイルもらしい。
何かを伝えたい、吐き出したい、ラップしたい、そんな思いが詰まってて伝わってくるアルバム。
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by blue-red-cherry | 2008-03-14 18:59 | 音楽
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