N*E*R*D、4年ぶりの新作「SEEING SOUNDS」が例によってとってもカッコいい。 シェイの「All The Girls Standing In The Line For The Bathroom」っていう叫びの危うさそのまま、トラックもドラム乱れ打ち、ちょいちょい挟まれるホーンループで煽りまくるシングル「Everyone Nose」を聴いて、ああ、また新しいなって嬉しくなってたが、アルバムもまったく期待を裏切らない。 イントロ的な扱いの「Time For Some Action」では、ベース一本、シンプルなバース展開の上にきちんとラップしてきて、シングルの前衛的姿勢とはまた違った、ヒップホップ的裏付けに安心感を得る。 「Spaz」はジェイZなんかも気に入りそうで、クリプス入りでリミックスが出そうな、「Funky Warm」よろしくピロピロなるウワモノとこれまた畳み掛けるドラムブレイクが中毒性高いトラック。 どちらもヒップホップなアプローチだが、ギターの轟音とメンバーのシャウトが入ることで表情が変る。 最近のUSヒップホップを聴いてると、所謂ROCK&POPSに括られる音との垣根がどんどん低くなってきている気がする。 ジェイやカニエがコールドプレイとやってたのもそうだし、マルーン5なんかそもそも、ヒップホップ世代のポップバンドというか。 「Sooner or Later」にはそれこそマルーン5臭がする(悪い意味ではない)。 こういうのが普通にカッコよく作れちゃうこの人たちはやっぱり、ヒップホップの括りだけでは語れない。 合いの手の入れ方とか、だいーぶ古い感じ、それこそオールディーズの香り漂う「WINDOWS」とか。 細かく刻まれるリズムが正確なループで高揚させつつ、ブレイクで刻んでくる「Happy」とか。 野外フェス映えするね、確実に。 個人的には「Yeah You」のジャズというかフュージョンっぽいアレンジがツボ。 ベースの低音の気持ちよさ、気持ちよすぎるトランペットの鳴り。 NERDっぽい電子音とリズムの融合で言えば、ラストの「Laugh About It」あたりもいい。 普段こういったテイストのアルバムを主戦場にしていないからというのもあるが、NERDのアルバムはいつもフレッシュでいつも飽きずに聴ける。 出し方がバンドスタイルで、歌主体であるだけで、いろんなエッセンスの取り込み方・吐き出し方は実にヒップホップを感じる。
by blue-red-cherry
| 2008-06-17 12:27
| 音楽
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