THE GENESIS 1979

閉幕したEUROは各国の伝統や最新の戦術が反映された、スタイル同士の戦い=スタイルウォーズ、だと感じたが、同じく群雄割拠、良作ひしめく日本語ラップの世界もまた、スタイルウォーズだと感じる。
同じくサッカーで言えば小野伸二、稲本潤一の黄金世代、GENESIS 1979。
B.D The Brobusのアルバム「THE GENESIS」にも確固たるスタイルを見た。

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Brobusのアルバムや数々の客演を聴いていて、ニトロのゴアテックスを思わす散文的で直球を投げ続けるスタンスのライミングが耳に残っていたが、このソロ作では、同様の強引な押韻だけではなく畳み掛けながらキッチリ踏んできたり、要所だけにとどめて流してみたり。
意外と引き出しは多い。
しかし芯がとにかく太い。
腹の底から響く太い声、奇をてらわずヒップホップのマナーに沿ったライム、フロウ。
スキルやメッセージを超えた、力強さがある。
JBM、ミクリス、KGEとのBULL DAWGSによる「BULL’S EYE」が象徴的。
各々個性的な声質、フロウを駆使するハイレベルなマイクリレーだと思うが、「We’re BULL DAWGS!」と吼えるフックでのB.Dの迫力は圧巻だ。

声の良いラッパーにはシンプルなトラックが一番。
声的にラガり気味のJBMとのコンビネーションはJBMのストリートアルバムで聴けた「My Style」で既に見せつけているが、KING、ムロの手によるファンクサウンドでどっしり構えたバッドボーイズ賛歌「WORST」もバッチリ。
火事と喧嘩は江戸の華、とばかりに火傷しそうなB.Dの東京下町スタイルを綴った「火迺要鎖」
テーマも最高だが、DITCとかジュースクルーが思い浮かぶ、いなたいドラムブレイクにホーンとピアノ、ヒップホップ黄金期なHASSY THE WANTEDトラックがまた最高。
長く組む、このコンビ曲は鉄板。
ベストトラックは「ダンタラ~Tokyo Underworld~」かな。
ストリングスが勇猛な雰囲気を醸し出すトラックに、黙々と、ひたすらに、という感じのストレートなB.Dのラップが乗った、ストリクトリー・ヒップホップ。
超力強い所信表明は、耳に強く刺さる。

ナスの「illmatic」以来かわかんないけど、個人的に良いアルバムは無駄がなく、コンパクトにまとまっててほしい。
東京渋谷宇田川直系日本語ラップの今が凝縮された8曲に不足はない。
強烈なスタイル。
by blue-red-cherry | 2008-07-01 21:21 | 音楽
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