仕事がちょうど22時前に終わりそうな感じで、もちろん家にBSはないし、決勝の時間は別の用事があったし、事実上の決勝戦かもってことで昨夜も昨夜とてftnkでアルゼンチン×ブラジル。 メンツ的にはメッシが入ったくらいの違いだけど、豪雨の国立で見たアルゼンチンとは完全に別物。 華々しく散ったとは言いがたいが、多少は局面でらしさを見せたブラジル含め、なんつうか、久々に「サッカー」楽しんだって感じ。 圧倒的にボールを支配し、中央の連携とドリブルで穴を空けようとするアルゼンチンに対し、初めて見たっつうくらいの徹底したカウンター狙い、サイドバックの攻撃参加に多少光明を見出すしかなかったブラジル。 ブラジルのカウンターってのもそうそう拝めない貴重なもので楽しめるかと思ったんだけど、いかんせん1トップのソビス以外にペナへ侵入する選手がおらず、ジエゴやロナウジーニョにおさまったとしてもなかなかスピードアップしない。 ジエゴとロナウジーニョのボール捌きはさすがで、いいキープから時折数人のディフェンスを切り裂き、鋭いパスでチャンスを演出するも2の手、3の手がなく自滅していた。 ラフィーニャ、マルセロの両SBはオーバーラップの意識高く、それゆえにまた中の枚数の少なさが露見され、歯痒い展開。 っと、ブラジルの見せ場を書いてみたがこれは全体で言うと15%くらいの割り合いでしかない。 南米の両雄の戦いには、悲しいほどの差があった。 特にセンターラインの差が歴然。 お家柄か、このU23にしてもブラジルのCB2人は安定感に欠け、よくついてはいたがアグエロ、メッシの突破に対して遅らせるかファウルするかで精一杯。 ボランチ2枚に関しても、上に書いたように攻撃に参加できないばかりか、リケルメ、ガゴ、マスチェラーノのセンターにチンチンに振り回されていた。 この差はいかんともしがたく、試合の支配はもちろん、フィニッシュにいたるのもいたしかたなし。 すべてにおいてアルゼンチンが勝っていたといっていいだろう。 メッシの推進力は凄まじく、当然ペナでボールを持てば超危険な存在だが、一度中盤に顔を出して受けて自ら再度ゴールへ突進する様がすごい。 ディレイするにもどうにも後ずさり、ほとんどの場面がファウルか、もしくは2点目のゴールに繋がったようにペナへの侵入を許している。 むしろゴールを与えなかった、決定的なシュートを打たせなかったことは褒めてもいいかもしれない。 リケルメのボールキープ、ボール捌きは芸術の域だ。 特に難しい足技を使うでもなく、ただ足裏で引いただけなのにその懐の深さで完全に自分だけの間合いに引き入れ、そして悠々とフリーの選手へ展開する。 相手に激しく寄せられたときも同様で、懐と同じく自らの特長である体幹の強さを利用して相手のタックルをがっちり受け止め、そこでまた自分のキックができる空間を生み出す。 自分のリズムを持つことは非凡な証であり相手を欺けるが、味方まで欺いては意味がない。 梶山はこのシンプル極まりない芸術品を勉強してみてはどうだろうか。 ガゴやマスチェラーノのハードワークあってのアルゼンチンだと思うが、アグエロはよく決めた。 義父・マラドーナwwの前での2発は輝かしい成績だ。 彼もまた小柄ながら1トップを任されるに値する、ほかの武器、スピードだったりテクニックだったりポジショニングだったり、持ってるなあ。 全員が的確にポジションを変え、その場その場で適したプレーをする。 誰もがどのポジションにいても勝負するマインドがあり、それに打ち勝つ技術がある。 このアルゼンチンのサッカーを前に戦術やフォーメーションの談義は空しいものでしかない。 攻守の差こそあれど、全員が全員、勝つために、ゴールを奪うためには何をすればいいのか、それを考えて行動している。 サイドで1対1になればより深くエグってクロスをあげ、高い位置でボールを奪われればフォワードだろうとスライディングして止めにいく。 やれ1トップがどうだ、シャドーストライカーがどうだとか、アタッキングサードがどうだとか、それ以前の問題を抱えているような気がするな、わが国のサッカーは。 審判のカード乱発には萎えたが、勝負は決まっていたし、最小限の被害で済んでよかった。 まさか北京オリンピックのサッカーでこんなに楽しめるとは思ってもみなかった。 日本戦の出来ならばアルゼンチンの圧勝もありえそうだが、さてナイジェリアはどうだろう。 ここまできたらリケルメに金メダルあげたいね。 ああ、楽しかった。
by blue-red-cherry
| 2008-08-20 11:38
| サッカー(FC東京以外)
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