カテゴリ:本( 103 )

サッカー戦術クロニクル

c0025217_14101139.jpg

久しぶりの読書感想文。
西部謙司氏の「サッカー戦術クロニクル」

サッカーを本格的に見出したのは92年。
違うきっかけで入ったWOWOWで放送していたセリエA、まだミランにオランダトリオがいたころのセリエA。
日本ではスポーツ観戦好きな親父に連れられ、Jリーグ前夜のJSL、西が丘で読売や日産の試合を見たり、開幕前年のナビスコカップを見に行ったり。
初めての代表戦はオフト初陣、国立でのアルゼンチン戦だった。
そこからのめりこむのは早かったが、実はそれ以前を掘り下げることはほとんどしていない。
ワールドカップは94年からだし、クラブ、代表、どちらも92年以前、80年代も70年代もほとんど見たことなければ知識もない。
このようなオレみたいな新参にとって、この本は一部で教科書的に、しかししっかりと読み物として楽しめる一冊だった。

伝聞と、イメージでしかない74年、クライフの、ミケルスのオランダ代表が繰り広げたトータルフットボール。
“ボール狩り”の概念を貫き、すべてのポジションが崩れていく様は圧巻だ。
現代の下がってくるフォワードのスペース作りに通ずる、クライフと仲間たちのローテーションアタックは字面を追いかけているだけでワクワクしてくる。
このように、この本ではチャプターごとにその時代を代表する人、もしくはチームのサッカーを、目の前にピッチが広がっているかのように躍動的に描くと共に、冷静にそのサッカー的時代背景や、進化の歴史をバックグラウンドとしてきちんと描くことで、深い納得感と、ことあるごとに現代サッカーとの対比を挟み込んでくれるので、活きた知識として吸収できる。

多少の前後はあれど、74年のオランダ代表をスタートにクラブではサッキのミラン、クライフのバルサ、ファン・ハールのアヤックス、ギャラクティコ・レアル、モウリーニョのチェルシーからハードワークの現代へと追いかけていき、代表チームではペレから黄金の中盤にいたるブラジル、マラドーナのアルゼンチンなどに焦点を当てている。
それぞれ個性的なスタイル、ドラマティックな背景を持つエピソードが散りばめられるが、そこを繋ぐ軸がしっかりしているのでブレない。
本書のテーマであるトータルフットボール。
要は全員攻撃、全員守備。
ゲームの中の様々な状況に対応して変化していく究極のサッカーゆえに、その時代時代、場所場所の解釈があって、その遺伝子は歴史を彩ったエポックメイキングなサッカースタイルのあちこちで見られるということ。
プレッシング、オフサイドトラップ、ローテーションアタック、ワイドアタック、ポゼッション、マルチロール…。
究極のサッカーを実現するにはおよそサッカーで必要、有効とされている方法論のすべてが網羅されるべきであって、それは現実的に不可能ゆえに、その要素のどこかを尖らせたチーム、トレンドが歴史を重ねてきているのがよくわかる。
プレッシング、ゾーンディフェンスの礎を作ったサッキのミラン。
10番をウイングに置き、ピッチをワイドに使いながらトライアングルで結びつけた攻撃サッカーを実現したクライフのバルサ。
より強固で戦術的な守備ブロック作りに成功したモウリーニョのチェルシー。
理想に近づかんとし、どこかが足りないチームの進化の歴史は、必ず対抗馬が現れては塗り替えていくことの繰り返しで、徐々に理想形に近づいている。

一方でトータルフットボールは偉大なる個の歴史でもある。
クライフは象徴だが、その後に現れたマラドーナやジダン、ドログバといった選手たちは、1/11以上の存在感で全員攻撃、全員守備に近いサッカーの実現を促進し、また、戦術をぶち破ることにより進化を促している。
西部氏は、戦術の進化は、時代やその時代を生きる選手たちの進化による、ともしている。
スーパースターがハードワークを厭わない、攻守両面にスーパーな動きを実現する今の時代はまさしく、人が戦術に順応し、人にあった戦術が求められている時代ともいえる。

すべてのチーム、すべての選手が現代サッカーに繋がっている。
終章に収められたトータルフットボールの起源、74年のオランダ以前のトータルフットボールの源流についての物語が面白い。
考証材料が少ないこともあるのか、ことプレーの記述より、人や歴史背景に関するものが多く、随一物語的要素の強い章になっているが、それゆえ人が築いてきたサッカーという側面が浮き彫りになる。
ここで紹介されたサッカー、チームについて、映像が残っているものはできるだけ見てみたいと思っている。

トータルフットボールを軸に、膨大な量のサッカー知識を、実に読ませる内容で得られる。
サッカーファン必読の一冊。
これを読めば、サッカー観戦が間違いなく楽しく、深いものになる。
サッカーは知れば知るほど面白い。
続巻も手元にあるので、楽しみに読ませてもらおう。
by blue-red-cherry | 2009-09-19 14:12 |

Number

c0025217_11353739.jpg

「Number」最新号はヨーロッパ各国のリーグ開幕特集。
カカとロナウドの独占(らしい)2ショット、手が出てしまう。

蓋を開けてみなければ分からないこの時期、ピッチの中よりも外に寄った話になるのは当然といえば当然。
巻頭からは、オフシーズンの主役となったレアルマドリードの今季にかける意思、驚愕の補強の裏に潜むチームのアイデンティティー、フロンティーノ・ペレス会長、その人と成りについてなど。
300億を超える、支払った移籍金総額を見て遊びだとは到底思えないが、きちんと予防線を張り、回収できる自信を漲らせながら、支えたのは尋常じゃないクラブへの愛。
忠誠心とかそういうものじゃなくって、すべてにおいて世界一のクラブであること、そこへの思いは信仰に近く、純度は高い。
金持ちの道楽じゃあ、ここまで出来ない。
カカやロナウドはもとより、スペインの記者たちも一目置く富豪・ペレス。
銀河系のティピカルなイメージだけでは計り知れない人物のようだ。
インパクトは大きかったが、ある程度の中長期的な視野で行われた補強のようにも取れるし、一方で新シーズンのフィナーレとなるチャンピオンズリーグファイナル、その開催地がベルナベウであるがゆえの大補強とも取れる。
レアルの動向に世界中のサッカーファンの注目が集まるのは至極当然。

ライバル、バルセロナのコラムでは、懐疑的な意見が多いイブラヒモビッチの加入がバルサのサッカーを進化させるだろうという見方。
もちろんエトーとは異なるゆえに失うものも少なくないが、抜きん出た決定力、ハイレベルな技術が支えるキープ力がイニエスタ、シャビらのゴールを量産させるだろうという見方。
確かにハマれば面白そう。
中堅どころから強豪への仲間入りを果たそうとしているセビージャからは、チームの選手の異動周りの権限を任されたスポーツディレクターが登場。
こういう元選手がチーム経営・マネージメントで頭角を出すってパターン、日本はこれからだろうけど、期待したい。
それと、リーガ最下層クラブであるヘレスの記事。
リーガは2強が突出しすぎているし、プレミアもビッグ4とマンC、エバートン、ヴィラ、スパーズくらいまでかな、所謂その他大勢の生き方って結構難しい。
最下層ならではの割り切り、ファンはしているみたいだけど、その決断も楽じゃない。
奇しくも我らが東京の逼迫した経営状態が囁かれる昨今…いろいろと考えさせられる。

考えさせられるといえば、いくつかの監督インタビューの発言も気になった。
レアル以外、リーガ以外のクラブ、ユナイテッドやチェルシー、ミラン、インテルといったところは監督にクローズアップした展望記事だったんだけど、モウリーニョにはガッツリインタビュー。
それとまったく毛色は違うけど、ナンバーノンフィクションでクローズアップされた湘南ベルマーレの挑戦では反町監督にインタビュー。
この2人のインタビューで共通していたのは、理想を描いてシーズンインしながら、途中で選手層や相手との相対関係、様々な要因を鑑み、チームの目標のための最善策としてやり方を変えていること。
そしてそれを後退とは捉えていない。
モウリーニョいわく、「柔軟性はインテリジェンスと同義語である」。
ただし彼はまた、その柔軟性とインテリジェンスを得るためには「経験。これを重ねる以外にサッカーにおけるインテリジェンスの体得はない」ともしている。
反町は「ずっと同じやり方でやると、選手もまったりしてしまう。こういうのもできるという引き出しを与えて、新鮮さを取り戻してもらいたいんだ。それが勝利につながるはずだし、選手も新たにチャレンジしていける。それは決して、悪い状況ではないと思うんだ」と。
最近ずっとこのことばかりが気になってる。
東京は別のやり方ができないんだろうか。
城福さんにはまだ、サッカーにおけるインテリジェンスを体得するための経験値が足りてないんだろうか。

あとは森本の記事が面白かった。
「おめえ、何中だよ?」から早5年。
免許も取れない身空でイタリアサッカー界に飛び込み、現地人も驚くその度胸と努力には頭が下がる。
期待したい選手だし、とりあえずカターニャの試合を通して見てみようと思う。

今号は中の上、ってところでしょうか。
by blue-red-cherry | 2009-08-26 11:36 |

バクマン。

c0025217_1753498.jpg

「バクマン。」4巻。

変わらない面白さ。
むしろ加速している。
早くもサイコーとシュージンにコンビ解消の危機を与えておきながら、離れながらも結びつく2人のアイデアを運命というだしにしつつ、少年ならではの仲直りの早さでより結束を深まらせる序盤。
中盤からは、3巻でサイコーがエイジの短期アシをやったときの繋がりで、よき仲間でありよきライバルと呼べる関係の福田、中井(+蒼樹)との切磋琢磨の金未来杯。
グングン伸びていく新鮮力の台頭と、いずれ劣らぬ白熱のレース、クライマックスは連載をかけた戦い。
ハイライトづくめだが、例えば連載を決める編集部の会議室だったり、淡々としつつも手に汗握る展開は、アクションやSFのようなドンパチとは違った高揚感、緊張感がある。

何気にサイコーとシュージンの物語の鍵を握る、とっぽく見えて野心家な服部、そして積極的なアプローチでついにシュージンを振り向かせた見吉、この2人の活躍も目立った。
どちらも思いはまっすぐで、話せば分かるところとか、ジリジリしたレースの中で清涼剤的存在かも。

この段階で連載持っちゃうって思ったより早かったな。
つか、中の話じゃないけれど、この漫画自体にも同じように筋書きや組み立てがあって、いつごろまで、とか目処があって作られてるんだろうな。
連載作家としての話も面白そうだし、楽しみ楽しみ。
一方で、悩める亜豆の話はできるだけライトな方向でお願いします…。
by blue-red-cherry | 2009-08-06 18:09 |

GIANT KILLING

c0025217_23505570.jpg

「GIANT KILLING」も気付けば11巻ですか。
コミック派だと、2ヶ月、3ヶ月のブランクが興味を少しずつ奪ってしまうんだけど、いざカバーをめくれば、そこからノンストップ、最後まで一気に読ませる力がある。
ていうか、やっぱりこの人、サッカー好きすぎだろ。
そしてサッカー好きのために書いてるんじゃないだろうかっつうほど、琴線突かれまくり。
オラが街のチームを応援することの楽しさ、苦しさが詰め込まれてるよ。
Jリーグは夏のキャンペーンやるなら、これを課題図書にして小学生とかに読書感想文コンクールとか、させればよかったのに。

川崎との試合が続く11巻。
もう遠い昔の記憶なので、前半に椿を囮にした攻撃が奏効してたなんて、思い出せない。
ディテールは最低限抑えながら、あとはピッチで選手の覚醒に期待する、ちょっと現実離れした作戦だけど、結局ピッチで働くのは選手たちだし、今回も上がる展開。
椿のくだりは珍しくヒーローモノっぽかったけど、ベテランの旨味の描き方とか、相変わらずのリアリティーがある。
出来すぎない、川崎戦の締め方もいいよねえ。
でも、タッツミーのやり方って、まあ現実世界じゃ当たり前だけど、1シーズンで結果が出るような代物じゃないよね?
とはいえ連載で数シーズンも持たせるほど、やらせてもらえるかは微妙な気がする…。

サポが意気上がるエピソードも泣ける。
「俺達の声はチームを動かせる!!」も良かったけど、そのあとのコールリーダーの心の声、「こんなところで今シーズンも……早々と諦めるわけにはいかねえんだよ!!」って。
わかります(泣)

もうずっとそうだけど、最近サッカーを見るたびに、サッカーが好きで好きで仕方ない自分に気付く。
そこまでさせるサッカーの魅力を人に伝えるのって案外難しい。
スーパープレーもそう、感動させる劇的な展開もそう。
でもそれだけじゃない。
スタンドに、クラブハウスに、サッカーの面白さはあらゆるところに散りばめられていて、それは知れば知るほど奥深く、楽しめるものだし、伝えきるのは難しい。
その意味で、サッカーの面白さ、どちらかといえば特にクラブチームを応援すること、クラブチームの物語としてという部分が大きいが、それを知ってもらいたいとき、オレは迷わず「GIANT KILLING」を読むこと薦めるね。
回を増すごとに、その思いは深まってきたよ。
次も楽しみです。
by blue-red-cherry | 2009-08-04 00:04 |

Number

c0025217_21444172.jpg

「Number」最新号はW杯出場を決めた日本代表に対し、「変革なくして4強なし CHANGE!」と迫る内容。
変革の象徴として表紙に登場したのは本田⊿。

本田⊿のインタビュアーは金子達仁。
金子達仁って、スポーツ新聞とかに寄せてる時世のコラムは、恒常的にいろんなもの見てない、薄さが目に付くからそのアクの強い個性が仇になってるけど、ある程度限定されたテーマや空間で集中した仕事をすると、そのオリジナリティーが活きる。
この人選はバッチリだと思うな。
最初のやりとりが、

―まずは二者択一の質問から。本田圭佑はすべての事象、行動に意味を見いだしたい人間である。
「…………イエス。」

鳥肌立つよねww
北京での屈辱をベースにした構成は、彼のぶっとい信念を引き出し、金銭感覚やロードマップになぞらえた未来予想図までに及び、なかなか興味深い。
30くらいまでの数年間、どういう行く末を辿っていくか注目したい選手だと改めて思った。

関東の岡田監督、連載の中澤は変わらない思いを。
岡崎と長谷部、新たな代表の顔になりつつある2人のインタビューも、soso。
中西哲生と相馬直樹の対談は凡庸。

東京サポ的ハイライトは石川インタビュー。
福田健二ルポでおなじみの小宮良之氏のインタビュー。
最近の石川フィーバーにおける記事に共通して言えることだが、石川も口酸っぱく言ってるように、この成果は経年の積み重ねがあってこそのもの。
変化の兆しは少しずつ現れ、続く好調は年をまたいだ少し前からのものだ。
このインタビューも小宮氏の見立ては、サイドアタッカーからの脱皮を本人の言葉で一朝一夕ではなかったことを知り、そして代表特集よろしく、さらなるステップへ推薦する。
語られる石川の言葉も真新しいものではないが、自身のプレースタイルの変化を語る際、右サイドから主戦場をスライドしていく過程、課題に挙げられ続けた守備面での自覚・ターニングポイントと、なるほどと思わせる発言も。
現代表に重ねた上で、「あの中でやってみたい」、「誰々のパスを受けてみたい」という趣旨の発言も面白い。
マリノス時代から時を経た俊輔との競演に馳せる思いもあるようで、これは俄然、代表入りを応援したくなる。
同じく代表の座を虎視眈々と狙う存在としてインタビューを受けていた、佐藤寿人との対比も面白い。
石川が変化をうまく取り込んで評価を上げているのに対し、寿人は貫きたい自身のスタイルへのこだわりを語る。
寿人も代表で見たい一人ではあるけれど、その葛藤に答えが出ない限り難しいのかも。

次号は読売巨人軍特集だそうだ。
「BRUTUS」の強烈なタイアップに対し、スポーツグラフィック誌ならではの構成でしっかり対抗してほしい。
by blue-red-cherry | 2009-07-03 23:11 |

Number

c0025217_23543259.jpg

「Number」、最新号はW杯最終予選直前特集。
本当に直前も直前、ウズベキスタン戦の2日前の発売ってのがまず、いただけなかった。
「Number」の特集記事は、インタビューにしろ分析記事にしろ、最低見開きびっしりくらいの文字数があり、章立てすると3章6編くらいがデフォルト。
となると、普通に生活しながらだと2日で読みきることはまずないからね。
ウズベキスタン戦前に読み終えられなかったのがケチのつけはじめ。

最近は「Number」のサッカー特集を手なりで買ってしまっている感があるが、久々にいまいちな内容。
俊輔のロングインタビューは超ロング、日本復帰へ向けて総括的なコラムもあり、まずまず。
続く長谷部のインタビューも充実のシーズンでつけた自信の裏付けとなる、ドイツで得たものを引き出せている。
なかなか拾えていない現地、オランダでの声を添えた本田圭佑の記事も面白い。
連載インタビューの中澤も、代表引退決意からの気持ちを踏まえた濃密な内容で、ここまでは総じて信頼の「Number」クオリティ。

それが中盤、まずはイタリア人記者とスペイン人記者による、岡田ジャパンの戦術的分析がぶち壊す。
海外の人にどう見られてるか気になる、という島国根性はオレも備えているので意図は納得。
実際、同じイタリア人記者がJリーグを転々とした前回のレポートはなかなか面白かった。
確かに一こま一こま、「前線からの激しいプレス」や「人もボールも動くサッカー」の粗を描き出すくだりはうなずけるところもあるけれど、所詮一面しか見られない。
しかもそれが誰も指摘していない、その人ならではのオリジナルな視点ならば2ページも3ページも割く必要があるかもしれないが、どうもそんな価値があると思えない。
スペイン人記者のほうはもっともっと感覚的で、「日本人だろ、知ってるよ。ナカタにナカムーラ…」なんていうステレオタイプのコメントが似合うレベルのやりとり。
ここ、つまんなかったなあ。
よっぽど西部さんにがっつり6ページくらいあげて、「アジア用と世界用の戦い方」みたいな戦術論でもしてもらったほうが面白いと思う。

後半の山田直輝、岡崎慎司、赤丸急上昇の2人のインタビューももう一声、欲しいところ。
出自なのかキャラクターなのかプレースタイルなのか、聞きたいポイントが満遍なすぎて散漫というか平坦。
吉崎エイジーニョが岡崎をインタビューするという、直感的な組み合わせは悪くないけど、もっと突っ込んでほしかった。
ただ、そのインタビュー中にあった岡崎のガキの頃からの座右の銘、「一生ダイビングヘッド」の一言が、先のウズベキスタン戦の決勝ゴールに繋がっていると思うと感慨深い。

オシムのCL評も思ったより凡庸。
次回のサッカー特集はヨーロッパもオフだし、代表も一段落だし、どう出てくるか。
こんなときこそ取材力全開で、どこにも出ないような深い記事を期待しております。
by blue-red-cherry | 2009-06-09 00:10 |

まつりスペシャル

c0025217_12452748.jpg

「バクマン。」と一緒に「まつりスペシャル」の3巻も購入。
同じく3巻だけど、足並みは全然違う。

相変わらずまつりの悩めるプロレス少女っぷりと、諸角渉への片思い、まごころプロレスの困窮した状況などが描かれつつ、今回は重松のまつりへの想いもスパーク。
まつりのプロレスへの思いも一区切りし、重松の告白で恋も一気に進展するとなると物語はいよいよクライマックスへ向かってる感じだ。
登場人物も少ないし、ストーリーに大きな起伏はないし、短期決戦だったんだろうな。

神尾さんが描くキャラはまつりにしても美々にしても可愛いし、少女漫画も読んでみようかな。
by blue-red-cherry | 2009-06-07 12:50 |

バクマン。

c0025217_11435489.jpg

忘れた頃に「バクマン。」3巻到着。
いつも「バクマン。」の単行本を手にするときってなんだかんだで凹んでることが多く、その凹んだ気持ちをポジらせてもらってる。

個人的にはこの作品の落としどころはサイコーと亜豆の偉大なる純愛のハッピーエンドであってほしいんだけど、それとは別に、世の評価とますます合致して、展開はジャンプ編集部と漫画家の実情暴露が本格化している。
シュージンとサイコーの若き才能がステップアップするためのロードマップだけではなく、今回はジャンプのシステム(アンケート至上主義とか)にまでメスを入れるくだりがある。
ここはひとつハイライトで、サイコーたちのライバル、新妻エイジが活躍する今作、縁あってエイジのアシスタントをすることになったサイコーと、同じく志を持ちながらエイジのアシをしている福田と中井、この漫画家同士の邂逅から生まれるジャンプ改革論=面白い漫画とは?という、熱い談義がたまらない。
理詰めができるサイコーと福田を前に才能とパッションで対抗するエイジ。
結果としてサイコーの成長に繋がるのはお約束として、この談義自体は熱く、共感できるものだったし、ある種批判ともとれるこの内容を書ける作者、載せる編集者の気概に拍手。

サイコーがエイジとの邂逅に刺激されて純度を高めていく中、悩めるシュージンは見吉との仲を深めていく。
まんが道的要素が濃くなっていく中で、バランスのとり方が今回も絶妙。
サイコーとの対比で悩めるシュージン、ていうのはまんが道なんだけど、シュージンと見吉の可愛らしい愛のはぐくみ方はキュンですな、キュン。
それがまた、サイコーの嫉妬を煽ったりして、作家2人組の難しさを高校生ならではの思春期的要素に重ねて描くからエグくならないっていう。
たぶん最初の設定の段階でここまで練られてたんだろうな。
もちろんサイコーには亜豆の存在があるからブレないっていう。

単純にレベルアップ、ステップアップしていくサイコーとシュージンを見ているだけで楽しいし、エイジの天才っぷりにも圧倒させられる。
亜豆と見吉、2人のヒロインとの掛け合いも、ティーネイジ・ラブって感じでエキスもらえる。
何よりこの漫画、前向きなオーラが出まくってるからいいんだよなー。
次も楽しみにしてます。
by blue-red-cherry | 2009-06-06 11:56 |

ストロベリーナイト

c0025217_10423818.jpg

久しぶりに読書。
誉田哲也の人気作、「ストロベリーナイト」
「こんな警察小説を待っていた!」だっけな、とにかく店頭ポップで推されまくってた印象がある。
篠原涼子主演でドラマ化できそうな女刑事モノだけど、グロが多いから映像化は無理かなあ。
映像化といえば同じく誉田哲也の、毛色はまったく違う青春ストーリー、「武士道シックスティーン」の映画化は決まったね。
北乃きいは盲点だった。
成海璃子は…まああの立派な体躯で豪快な面を打ってくれるかと思うと、ちょっと期待。

まあでもいつかは映像化されそうな予感
by blue-red-cherry | 2009-06-06 11:03 |

Number

c0025217_214558.jpg

発売日に買ったのになんだかんだでずーっと積ん読状態だった「Number」をようやく、それでもサッカー関連記事だけだが、読み終えた。
買ったばかりの頃は浅田真央とか石川遼の記事も面白そう、とか思ってたんだけど、日が経ち、さらに付録というかタイアップのキリンカップ別冊も読んだらお腹いっぱいになってしまった。

この春めでたく海外厨デビューを果たしたオレにとって、海外のサッカー選手のインタビューや考察記事はフレッシュなだけではなくて実用性も兼ねていて、ちょうどCL準決勝の前後半を挟んだり、各国リーグが佳境だったりで興味深かった。

特集タイトルは「最強の組織論」。
ここでいう「組織」はピッチ上の組織ではなく、育成もあれば広報活動もあり、もちろんビジネスであり、もっといえば文化レベルまで落とし込まれたクラブとしての組織論だった。
チャプターは監督、選手と分けられており、それぞれそのクラブを象徴するような人物をクローズアップしている。
バルサならばグァルディオラ。
ユナイテッドはもちろん、ファーギー。
あ、クラブを象徴する人物だけじゃなかった、そのクラブの今を色濃く映し出す、チェルシーのヒディング、インテルのモウリーニョ、なんてのもあった。
レアルはラウル。
リバプールはジェラードで、ユベントスのデルピエーロと、選手は分かりやすいな。
どのクラブにも魂、伝統などの言葉でしか表現できないような歴史と人、積み重なったアイデンティティーがある。
戦術面も継続されることでそれがアイデンティティーになりうるもので、ベンゲルの若手重用スタイルや、アヤックスの3-4-3などはそれ自体が今、変革を迫られている岐路に立たされており、ここでは呪縛になってしまっている、としている。

それぞれに面白かった。
バルサの現代サッカーを席巻する攻撃サッカーのスタイルはすでにクライフのドリーム・チームのときに培われた信念が幹になっている。
スタイルは技術や身体能力といった人選、環境で選択され、実際ピッチで形作られるには思考と判断による。
だから古びないし、時代にあった形に進化しているんだと思う。
ファーギーの錆びない野心、ヒディングの正解を見つけ、それを選ぶ迷いのない実行力。
激動の時代を経て様々な血の入れ替えがあったにも関わらず、同じ愛を注がれるリバプールがある一方で、異なる主義・スタイルを提唱する指揮官のもとで自分を貫き通すデルピエーロのような絶対的存在がいたりする。
クラブのあり方はそれぞれで、人に左右され、人を左右する。
やはり10年やそこらのクラブにはまだ、確固たるよりどころなど見つからなくて当然なのかもしれない。
でもこのわずかな10年、よちよち歩きの10年だからこそ感じられる趣きがあるのも確かだ。
少しずつ積み重なるクラブの歴史に、かすかに息づき始めたチームのアイデンティティー。
後藤健生氏いわく、愛のないフットボールクラブに未来はない。
まったくだ。

クラブどころかサッカーというスポーツそのものに異常な愛を注ぐオシムのCL観戦記も面白かった。
これは誌面じゃ足りないよ。
90分、何かしら発せられ続ける老将のありがたいお言葉をリアルタイムで聞けるなんて、ライターさんウラヤマシス。
キリンカップ本は…金と労力がかかってるね。
近年はマッチアップや日程調整がうまくいかず、あまり良いイメージがないけれど、うまく使えばこれ以上ない強化の機会にできる。
体感として懐かしかったのは、我が人生、初の日本代表観戦となったオフトジャパンの初陣、アルゼンチン戦ね。
あと、オグのフランスから奪ったゴールも忘れがたい。
最近は行ってないんだなー。
あとあと、知る由もなかった時代の話では、データとして聞き知るレベルだった海外クラブを招いていた時代の話。
スパーズとかボロとかも来てたんだね。
イングランド勢が立ち上がりの頃、多く来てたみたいだけど、そのときのパイプはないのかな?
さらにその頃は日本から、代表のほかに天皇杯優勝クラブも出てたらしい。
で、日本代表が読売クラブに敗れるっていうありそうな事態が起きてしまい、それから日本からは代表だけが出ることになったんだって。
海外クラブとの対戦も見てみたいし、天皇杯覇者ともやらせてみたいけど、無理だよな、そりゃ。
by blue-red-cherry | 2009-05-14 21:04 |