Grey Haris

なんだかんだで週一以上のペースで新譜を聴き漁った2008年がもう終ってしまう。
記憶とiPodに残しとけばいいんだが、記録もしておこう。
できるだけ多く振り返れるように短めに…なるといいな。

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今年ダントツでよかったのがボストンのMC、REKSの「Grey Hairs」
まずREKSというMC自体が素晴らしい。
高くも低くもなく、枯れてもなければ歌いもしない、ストリクトリーラップ、ワンマイクなスタイルはあえていうならスキルズに近しいものを感じる(そこに通ずるのは愛、ヒップホップ愛)。
スタンダードな押韻は安心感があり、かつハイライトではきっちり唾が飛んできそうな勢いでスピット。
とにかくヒップホップが好きでたまらないんだろうなあ、と聴き手に思わせてくれるアルバムなんだけど、その最たるものが「All In One (5 Mics)」
M.O.Pのリル・フェイムをホストに迎えた5つのヴァースからなるこの曲はそのままズバリ、ヒップホップ界をレペゼンする5つのマイク、偉大な5MCのラップを1曲に閉じ込めたっていう。
分かりにくいなあ。
ジブラ(つか、アイスキューブ)の「Jackin' 4 beats」のオケじゃなくラップスタイル版、これが分かりやすいかな。
Jackin' 4 flow。
自らのイントロダクションに続いて2パック、ビギー、パン、ビッグLのフロウをジャックしたREKSのラップが聴けるわけよ。
突っ込み気味だったり被せの不協和音がらしすぎるパックとか、ド頭からブレスレスで畳み掛けるパンとか、もう自然とニヤけるよ。
ほかに並ぶMCと比べると個性の薄い(真似のしづらい)Lのヴァースがすごい。
ああ!ビッグL!って、ビッグLが好きなら絶対に思うライミングとか言葉選びとか。
パクリはおろか、単なるモノマネでもない、愛がなせる業。
まあ聴いてみてつかあさい。


All In One (5 Mics)


Say Goodnight

どうよ、すごいでしょ、カッコいいでしょ、ヒップホップバカでしょww
「All In One (5 Mics)」は確かにボムなんだけど、ほかの曲も粒揃いだ。
まずはベテランプロデューサー2人、DJプレミアとラージプロフェッサー、どちらも最近の外仕事では出色な2曲。
プリモ作の「Say Goodnight」はデジ系の音で疾走感漂う全体の作りもいいんだけど、スクラッチで構成するサビの切れ味がハンパない。
いや、REKSのライミングも切れ味極まっててとにかくソリッドで、タイトという表現がしっくりくる。
教授の「Stages」もナスと自分wwの声ネタで構成するサビスクラッチンがカッコいい。
冬、ニューヨーク、夜、路地って感じの無駄のないシンプルなドラム&ベースに、哀愁系のギターリフレイン。
まだまだ現役だな、この2人。

いい仕事をしてるといえばスタティック・セレクター(ってカタカナで書くと間抜けだな、STATIK SELEKTAH)。
自身の作品でも聴かせるネタ感の強いトラックがこのアルバムでも全開だ。
いまや早回しネタ使いでいえばカニエより安定しているスタティック・セレクター、音数多めのドラムブレイクやピアノで構成されるヴァースの締めに女声ヴォーカルでゆるく煽る「How Can It Be」はブループリントを思い起こさせるブルージーさ。
ビッグ・シャグがヘイズみたいに歌い上げる「Black Cream」も、そのヴォーカルだけで充分メロウなのに、早回しの声ネタとビブラフォンの音色が鳴る美しさ。
つか、この「Black Cream」から先はほとんどがスタティック・セレクターのトラック。
どれも90年代中期から後期、ネタ感と奥行きのある気持ちいいビートで、その辺りを聴いて育った向きにはドツボなはず。
中でもサンシャインアンダーソンとか、その辺のヒップホップオリエンテッドなR&Bサウンドに通ずるスムースナンバーの「Telescope」、コンシークエンスにターマノロジー(この人もカタカナ向きじゃないな)をフィーチャーした「Premonition」、アーバンなテイストの曲がいい感じ。
同じくターマノロジーにクラムスナッチャもマイクを回す「Big Dreamers (Lawtown Remix)」も既聴感のあるネタ使いの温かみ+寂しさのダブルパンチ、渋いけど味のある曲。
急逝したサイエンティフィックに捧げた曲だもん、当然か。


Big Dreamers (Lawtown Remix)

主役のラップが高値安定、だからこそ音も映えるというか。
プリモやラージプロフェッサーがハードに攻めれば、今をときめくスタティック・セレクターがメロウにまとめる。
一本筋の通ったラップと、質と量が担保されたトラック群。
今年一番のお気に入りかも。
by blue-red-cherry | 2008-12-09 19:30 | 音楽
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