Politics As Usual

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REKSに続いて、同じ文脈で語られるべきはTermanology(ターマノロジー)のアルバム、「Politics As Usual」
彼もまた、というか彼が昨今のボストン勢の台頭の先駆けだったんだね。
プリモのフックアップとバックアップを得て、ヘッズの注目度はハンパなかったわけだが、プリモのフックアップにはグールーがボストン出身なのが関係してたりするのかな?
耳障りの良さでいうとスムース、メロウなトラックが多かったREKSのアルバムのほうが聴きやすかったりするんだけど、所謂ストリートっぽさというか、ヘッズ向けなのはこっちかな。


WATCH HOW IT GO DOWN


HOW WE ROCK


SO AMAZING

なんといってもプリモ作の3曲がヤバイ。
2年前の曲だという「WATCH HOW IT GO DOWN」は、プリモの最新のクラシックと呼んで差し支えない。
ギャングスター以降というくくりで言えば、「Nas Is Like」や「718」に匹敵する。
タイトルにもなっているM.O.Pのリル・フェイムによる「WATCH HOW IT GO DOWN」の声ネタスクラッチも高らかに、軽やかに刻むアップテンポなビート、ムービーライクなウワモノ。
なぜかこみ上げてくるものがあるタイプの曲であり、問答無用のヘッドバンガーだ。
相方の急逝にめげず、UGKを、サウスをレペゼンしているバンBをフィーチャーしたボストン・サウス・エクスプレスな「HOW WE ROCK」のカッコよさも異常。
打って変わってウッドベースにも似た太めのギターリフと、鉄琴っぽいミステリアスな鐘の音で構成されたハードな曲調で、ターマノロジー、バンBとプリモのスクラッチ、三者の掛け合いで「THIS IS HOW WE ROCK!」と文字通りにロックされる。
プリモといえば欠かせない、ピアノサウンドが堪能できる「SO AMAZING」も外せない。
重めのビートに被せてピアノを当ててくるダウンビートなトラックで、これまたニューヨークの街を闊歩している気分にさせられるバックパックヒップホップ。
ジガにジェイダキス、ビッグLらの声で構成するフックのスクラッチもいよいよ絶好調で、真骨頂。
三曲三様、さすが自ら見つけてきたアーティスト、気合の入り方が違うし、抜かりがない。
どうしてもトラックに耳が行くが、テイストも早さも違うこの三曲で、ベースは安定させながらもそれぞれにあった引き出しのライムフロウを聴かすターマノロジー本人のスキルも確認できる。

どうしてもプリモ曲が目立つし、聴く前は「この時代に全曲プリモとか、望む人いるのかな」なんて思ってたけど、ごめんなさい、全曲プリモでお願いしたかったです。
それでもバックワイルド、ピートロックにアルケミスト、ハヴォック、ラージプロフェッサーと、ニューヨークの中堅・ベテランをそろえたプロデューサー陣、ほかのも悪くない。
ソウル・ファンク色が強いレイドバックチューン、「RESPECT MY WALK」はバックワイルド作。
「AAAAAAAA…Alchemist」、おなじみのイントロから始まるアルケミストの「HOOD SHIT」にはモブディープからプロディジーを迎え、モロクイーンズな仕上がりになっている。
キラキラした音色が印象的な「Float」、ぶっといビートにハイトーンな女声のループがクセになる「PLEASE DON’T GO」と比較的キャッチーなトラックを提供しているNottzだが、出色なのはシークロウチとフリーウェイとタイトなマイクリレーを実現した「DRUGS CRIME & GORILLAZ」
ピートロックとラージプロフェッサーがそろってメロウ、というよりは哀愁系のトラックを用意しているがどちらもいまひとつ、ターミノロジーのタイトなラップにフィットしていない。
いかにもニューヨークな、ビジュアルが浮かびそうな、無機質で固めなトラックがハマるのかも。

どうだろ、捨て曲ナシとまではいかないけれど、アベレージは高いアルバムじゃないかな。
つか、最近の向こうのヒップホップの流れ、変に偏ってなくって本質に近づいてきてるっつうか。
時代感とか地域感に頼らない良さがある。
いいことだ。
by blue-red-cherry | 2008-12-16 14:18 | 音楽
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