アメリカン・ギャングスター

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ジェイZのアルバムから遅れること何ヶ月か、彼の同名アルバムを作るに至った動機となった映画「アメリカン・ギャングスター」を見た。
リドリー・スコット、ラッセル・クロウのコンビといえば、そういえば「ワールド・オブ・ライズ」を試写会で見たのをとんと忘れていた。
壮大な煽りの割りにはいまいちだった「ワールド~」とは違い、ニューヨークはハーレムに新風を吹き込んだ黒人麻薬王の物語は、史実に基づいているからこその迫力と凄みがあり、それがまた見事にエンターテインメントとして昇華されていた。





デンゼル・ワシントンがまたしても好演。
誰よりも熱く揺るぎない信念を内に秘め、あらゆる物事にスマートに対処する当時における新時代の麻薬王・フランク。
新しいやり方、誰もやったことのないやり方でのし上がっていく、チェンジさせていく姿は時代も扱うものもまったく異なるが、オバマとダブって見えないこともない。
最も深く、太い家族の絆をベースにした稼業の進め方、革新派でありながらも誰よりも慎重に事を進める様に魅了される。
時折感情を爆発させるところとか、常時見せるスマートさとの対比にハっとなる。
見事に演じ分けられていた。
でもデンゼル・ワシントンの笑顔はどうしても人の良さが滲み出ていて、結果として警察の汚職を一掃することに協力しているとはいえ、悪行を働いた麻薬王であるにもかかわらず悪役感がまったくしないってのもいかがなものか。

半面でとことんまで直球な正義漢、リッチーの人間臭い人柄もたまらない。
あのちょっとダレた感じのオッサンが激ハマりだな、ラッセル・クロウ。
融通の利かない徹底した正義はありとあらゆる障壁にぶつかるが、それでも最後、彼がいろんな人を巻き込み、何より結果を出してよかった。
正義は報われないと。

フランクの嫁・エヴァを演じたライマリ・ナダルって人、かなーり美人だった。
でも誰かに似てるなあと思ったら、王様のブランチでおなじみのエレナ嬢だったわ。
エレナ、やっぱ美人だな。
あと、フランクのシャブ生成工場の仕切りを任されてたredとかいう名前のお姉さんもファンキーで美人だったな。
そうそう、Bボーイ的にはフランクの兄弟でコモン、リッチーのチームにRZAが出てるのも見逃せない。
全編を彩るブラックミュージック。
ジガがインスパイアされたエピソードを除いても、ヒップホップ好きは見といて損はない。

警察が腐りきった暗黒街の暗黒時代に終止符を打った超大物の逮捕劇とその後の捜査協力という顛末は、まさに事実は小説よりも奇なりを地でいくストーリー。
ただのドンパチとは一線を画す渋く、黒光りする男の世界。
ギャング映画はこうでなくっちゃ。
by blue-red-cherry | 2009-01-30 01:25 | 映画
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