![]() ![]() SDPでいえば「5th wheel 2 the corch」が傑作である一方、「WILD FANCY ALLIANCE」や「タワーリングナンセンス」にこそそのDNAというか、もっとも濃いスチャダラダラした部分を感じることが出来たりする。 ことサ上とロ吉に関しても、「WONDER WHEEL」は紛れもないクラシックであり、その完成度は突っ込みどころがあまりないという事実が証明していが、だからこそ突っ込みどころを残したラフな魅力が楽しめる1stアルバム「ドリーム」と1stEP「ヨコハマジョーカーE.P」にこそサ上とロ吉らしさと呼べるものを感じることができる。 まずはE.Pのほうから。 クラシックブレイクにゆるゆるなリリックが乗ったらしさ全開のイントロ、タイトで緩い、このバランスこそが真骨頂なんだけど、港ヨコハマがそうさせるのか、なぜか哀愁系のメロディアスなトラックが映える。 彼らの代名詞ともなっているDJ KAZZ-Kトラックの「ヨコハマジョーカー」は他愛のない等身大のサ上ロ吉をエレピ奏でる流麗なメロウチューンに載せたベストトラック。 ヨヨヨー、ヨコハマジョーカー、ヴァースでは語尾に語頭に動きのあるラップスタイルにしては直系なフックも耳に残る。 「そういうこと言っちゃいけませんね」という自虐声ネタスクラッチで始まる「P.I.M.P ~女喰ってブギ改~」は逆のベクトルに振り切れたタイプの好作。 タイトルまんまなどーしよーもないトピックを中毒性のあるエキゾチックなトラックに乗せる。 この辺のビートを選ばないフットワークの軽さも彼らの先代へのリスペクトがただの懐古主義にならない理由の一つ。 ラップがない曲も飽きさせない。 というかロベルト吉野の愛と狂喜と音楽性が味わえる「契り」は、「ドリーム」でも続編が楽しめるが、近年というかSDPシンコの流れを汲む声ネタとスクラッチで構成する曲という意味でかなり意義深いシリーズ。 このフォーマットに対する攻撃的なオマージュは語り継がれるべきだ。 不条理な世の中をファニーなオケの上でユーモラスに歌う「ショックタイム」はまさしくSDPチルドレンな作り。 名刺代わりのE.Pとしては申し分ない。 サ上とロ吉がカッコよくって楽しいのはやりきってるからにほかならない。 待望されたフルアルバム、「ドリーム」では自らの持つバランス感覚が最大限に活かされたバラエティに富んだ全17曲、頭から尻尾までサ上ロ吉印。 個人的にドツボなメロウ系、ラテンクォーター手掛ける「Bay Dream ~from課外授業~」は、ドラマチックなストリングスに胸キュン効果抜群の早回し声ネタサンプルを混ぜた鉄板の美メロ。 045スタイルなマッチョでいうところの「Rollin’ 045」、184045スタイルのヨコハマ賛歌はグっとくるものがある。 ダメな部分、弱い部分もさらけ出してのポジティブなメッセージには心の底から共感できる。 続く「LET'S GO遊ぼうZE」も全体に敷かれたピアノループにぶっといドラムを被せた心地よいトラックで、爽やかポジティブなパーティー行く前チューン。 こういうテンションの上げ方って彼らならではだと思う。 「話なんて誰も聞いちゃいねえ」ってBOSEの声を使ってたりするんだが、その怒り方や矛先の向け方がラジカルでスチャダラ的な「P.E.A.C.E. ~憤慨リポート~」。 音やキャラだけじゃなくってメッセージもオモロイんだよなあ。 社会風刺も社説欄じゃなくって日テレイマイ風というか。 トラックもリリックも思いっきり乗っかる「魔太郎が来る!」みたいな出オチものに取り組めちゃう勇気と乗りこなす器にも、凡百のギャングスタラッパーにはない才を感じる。 日本一のゲットーMC・SHINGO☆西成を迎えた「音楽遊び」もラップならではの試み。 そうそう、立ち居振る舞いやトピックの広さで間口を広げているけど、やってることはものすごくマニアックにヒップホップなんだよね。 レジスタンスなメッセージも反骨精神こそ美徳な音楽ならではだし、ロープレできちゃうのも出自を必要以上にレペゼンするのもありな音楽だし、それこそ言葉遊びが複雑で楽しいのもこの音楽だから。 分かりやすくマニアックなことを実現させるって結構すごいことだと思う。 レジェンドDJ、クボタタケシのビートをジャックした(本人許可済みとか)「アツメノお湯ソレハ熱湯」の感覚も、サ上とロ吉、ストリクトリー1MC+1DJという設定を最大限に活かした曲だし、つくづくヒップホップ。 アングラもメジャーもなく、ヒップホップ好きなら反応しちゃう要素が詰まりまくってんだよ。 ジャンルレスなダンストラックで跳ねまくる「バウンス祭り」がフェスウケするのは激しく納得だが、それもこれもKING3LDKとの馬鹿馬鹿しくも超リアルなクラブの入り口ナンセンストークがあるから、だと思う。 TARO SOULがキメキメでフックに華を添え、「明日になればまた会えるさ、でも夢の中でもまた会おうぜ」なんて歯の浮くリリックが飛び出るブザビ作のミッドナイトラブナンバー「LOVE SONG」がある一方で、その直前の曲は「徘徊ブルース」。 ズバリ、ピンクな夜の街のパトロール、フックはタロソのそれと180度違う、吉野によるスクラッチで構成する声ネタの並びは「黄金町ピンクのストリート」「曙」「赤線」「40分1万1千円」「楽しむか楽しまぬかDO IT」…大アリだと思います。 一昨年のタマフルの年越しライブでも披露していた「横浜×藤沢 酒呑みRAP」は憧れの日本全国酒飲み音頭へのオマージュ。 ギリギリっていうかアリナシでいくとナシな場合が多いと思う、実際。 これで曲の体を成してるって時点ですごい才能なんじゃないかな。 「つまんねえのだけは勘弁!」と放つ実質クロージングの「ハズレモン」、これもなんか胸打つんだよね。 「つねに心に忘れモン持った 街の場末のはずレモン 本当は出来る子達 立ち上がれ場末のハズレモン」って。 曲から感じるサ上とロ吉の魅力を綴ってみた。 その熱は充分、アルバムを聴くだけで伝わってくるが、ライブも見て、ラジオも聴いて、コラムも読めばもっともっとハマれる、好きになれる。 ここ一ヶ月くらいで一気にフェイバリット・グループのひとつになっちゃったなー。 BOSEも今が聴きどきって言ってますよ、ほら。 嗚呼、ライブ行きてー!!
by blue-red-cherry
| 2009-02-02 19:43
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