リバプール×マンチェスター・シティ イングランドプレミアリーグ08-09 第24週

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引越しを機にハイビジョンテレビを得、ブルーレイレコーダーを購入し、スカパーに加入した。
今までアナログブラウン管オンリー、記録媒体はビデオだった身からすると相当なジャンプアップで戸惑いもあるが、これって物欲の構図というか、テレビを良くしたらほかも、の連鎖。
乗せられまくってるが、これがイイんだから仕方ない。
またしても危険なおもちゃを得てしまった。

早速日曜はプレミア3試合を視聴。
チェルシー×アストン・ヴィラとマンU×ブラック・バーンは作業しつつのながら見で、夜、リバプール×マンチェスター・シティを真剣に見た。

アンフィールドのユルネバに改めて感激。
下手に強制感と寂しさを出すよりは、ああやってフルコーラス歌手の人の流してそれに被せるスタイルでいいんじゃないかと思う。
スカパラのあれにしてもチバのあれにしてもちょっと変則的すぎて被せるの難しいかもだけど、東京独自のスタイルで。
あと歌い始めも入場にあわせてせっかくの入場テーマと被ってグダグダっていうよりは、ピッチでの練習時がちょうどいい気がする。
尺も決まってるし。
やっぱり本家は学ぶところが多い。
ぜひ一度生で、という思いを強くしつつ、早く味スタで歌いてえなあ~なんて。

試合のほうは前半、リバプールの勢いがシティを圧倒。
ジェラードとシャビ・アロンソを出場停止で欠く苦しい布陣ながら、前線からのプレスを合図に中盤も最終ラインも積極的な守備を志向したコンパクトなサッカーがシティを追い詰める。
水曜日のCLベスト16、レアル戦を前に主力を休ませたい、とか考えたくなるシチュエーションだが、上のサスペンションに加え、首位をゆくマンUが負けない。
目の前の試合にも全力で勝ちにいかなければならないチーム状態が、立ち上がりからチームの勢いを加速させた。
両チームとも蹴りあいで始まった試合だったが、リバプールはトーレス、カイト、ベナユン、対するシティはベラミー、ロビーニョ、アイルランドと、前線で働く3枚への収まり具合が違った。
リバプールの3人はそれぞれに特徴があるが、誰もが楔の受けをこなすし、誰もが裏を狙う。
そして基本、3人のうち2人は近い位置どりをすることでコンビネーションによる崩しも抜群。
この日はジェラードとアロンソを欠いたため、中央でのサポートやバイタルを使った攻撃の駒が不足したものの、前の3人の質・量ともにハイレベルな動きがリバプールの攻勢を実現した。
特にカイトとベナユンが縦横に自在にポジションチェンジし、そこに右SBのアルベロアが頻繁に絡んでくる右サイドの崩しは強烈で、さらにそこがいいから左サイド、リエラが比較的自由になってのアタックも効いた。
前半20分あたり、右サイドの連携いよる崩しからクロスが際どい軌道でエリアを通過したものの、流れ球を左SBのドス・セナがフォローし再び際どいクロス、このこぼれに関しては3列目のマスチェラーノがフォロー、と速さで枚数の不足をカバーした1次攻撃、揺さぶりの2次攻撃、その間に枚数を増やした3次攻撃という流れは圧巻だった。
押されっぱなしのシティは、アイルランドのピッチを切り裂いたサイドチェンジからロビーニョがフリーで持ち上がり、そのアイルランドへ絶妙のスルーパスを送った決定機以外はほぼ見所なし。
ロビーニョには徹底して2、3人の囲い込みがされていたし、前線の勢いがディフェンスラインや3枚並んだCMFの位置を下げることに成功。
分断された最終ラインと3トップの間を結ばんとしたロングパスはことごとく跳ね返し、あとはゴールだけ、という形で前半終了。

個人的には「これがサッカーだから」というのはそうしょっちゅう見なくていい。
攻め続けて華麗なサッカーをしているチームは、ゲームを支配した内容の末に勝ち点3を取るべきだと思う。
ジャイアントキリングこそ醍醐味、とか、これだからやめられない、みたいな試合はもちろんサッカーに必要な要素だけど、どうみてもこっちが勝ちでしょ、みたいな。
去年から通じて32試合もスコアレスドローを経験していないというシティが、一瞬の隙を突いて先制。
よく守ってきたロビーニョを、若干の不安どころだったルーカスが一瞬放してしまった隙の出来事。
ゴールもベラミー(下手クソなカッサーノって感じ)の強引なシュートがディフェンスに当たってのゴール。
いかにもサッカーってのは得てして~の要件そろいすぎでワラタ。
そこからしばらくはシティのターン。
解説の相馬直樹(総じてよかった)の指摘が正しいと思うけど、前半トーレスとカイトが縦横近い位置でどちらもがターゲットになる形でフィニッシュに近づいてたのに対し、後半はターゲットにトーレスを固定し、カイトを右、リエラを左に張らせてサイド攻撃を強化。
前半もそれなりにサイド使えてたのに、駒でそれを活性化させようとすることで相手の的を絞りやすくしてしまった印象。
窮屈そうにプレーするカイトやリエラはシティの網にかかり、流れていたリバプールの連携がせき止められてしまっていた。
結局リエラ→エルザールの交代で、トーレスとカイトが縦関係の2トップ、右にエルザール、左にベナユンとなってから再びリバプールのターンになったことが証明している。
前半からハイペースで動いていたこともあって足が止まりかけていたリバプールだったけど、ベナユンのシンプルな突破、トーレスとカイトがそれに絡むという形は充分に脅威足りうり、結果としてその3人が絡んだ形でカイトの同点ゴールが生まれた。
その後はマスチェラーノを下げてバベルを投入し、前がかりになったリバプールが一方的に攻める。
しかしこのバベルがいまいち。
左サイドで幾度となくフリーで受け、縦へ中へ仕掛けのチャンスが多々訪れるものの、クロスもドリブルもいまいち。
どうせならうまくいってたベナユンを貼らせて中なのか、後方支援なのか、サポートを厚くしたほうがよかったろうに。
結果としてターンオーバーに次ぐターンオーバー、ドロー狙いにシフト中だったシティの微妙なカウンターとの打ち合いになり、そのまま終了。
まあ決め切れなかったことを考えると、リバプールはこの試合の正当な勝者じゃなかったのかもしれないな。

流れでも書いたけど、個々に目を移すとやっぱりトーレスは凄い。
ポストプレーでの体の使い方が抜群にうまいし(2、3人は背負える)、その上での落とし・捌きというターゲットマン的動きと、楔を一発で抜き去るターンがまた絶品なのだ。
あっという間に数人を置き去りにするそのターンはバレーボールでいうところのクイック、ハマれば一気に決定機に近づく。
この試合では裏を取る動きはあまり見せなかったが、それももちろんできるし、試合終了間際にサイドで見せた重心低くストライドは長いという驚異のドリブルは単騎突破も充分可能なポテンシャルを見せ付けた。
超人感のあるイブラヒモビッチや、メッシらドリブラーのような一芸こそ持たないがフォワードとしての総合力が恐ろしく高いフォワードだと思った。
献身的な動きが目に付きがちなカイトも、センスと精度のあるプレーを見せてくれた。
度重なるポジションチェンジのコントロールや、ボールを呼び込み、呼び込んだあとの動作の速さなど、常に頭をフル回転させている印象。
ベナユンもそつなく動けてボールを扱えてたし、リエラも左利きならではの存在感を良きにつけ悪しきにつけ見せていた。
その辺がユニットで機能していた前半、ここにジェラードがいたら、アロンソがいたら、結果は変わっていたんだろう。
リバプールの進化は3日後、チャンピオンズリーグのレアル戦で確かめようと思う。

Jとか日本代表とかと比較してああだこうだ言いたくはない。
それにしてもパススピードの速さには目を瞠ったし感心した。
特にリバプールだけど、両サイドをワイドに使ってたりディフェンスラインからのビルドアップ(それこそキーパーが触る回数も多い)が目立ったりするが間延びした印象はほとんどない。
もちろんサポートする人の動きも多いんだけど、多少距離とったほうがフリーになりやすいのは間違いなくって、そこである程度の距離感があってもパススピードが速くてその距離感を感じさせない、超えるっていう。
トップにはビシバシ速いフィード入ってたし、ライン際だろうが最終ラインのボール回しだろうが、ちんたらした弾道は見かけられない。
これってさすがに意識の問題だと思う。
それこそまったくどうでもいい話だが、オレが次回のフットサルから強く蹴るし蹴ってもらって止めるし、みたいな問題。
当たり前の話なのでどのクラブも選手も意識してないはずはないが、これはやる余地、あると思うし、小さなことだけど目に見える効果が期待できると思った。

月額5780円は決して安くないが、サッカーは試合を見ないと分からないことが多すぎるので、いい買い物(無形だけど)したと思ってる。
by blue-red-cherry | 2009-02-23 15:27 | サッカー(FC東京以外)
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