片腕マシンガール

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せっかくの平日休み、しかもTSUTAYAがレンタル半額やってたので何か映画を、と物色したがいまいち刺さらず帰ろうとしたところで目に入った「片腕マシンガール」を見た。
最近は熱心なタマフルリスナーなのであの辺の方々絶賛、なB級ジャパニーズ映画、くらいにしか思ってなかったんだけど、いや、それこそ江口寿史の女子高生の絵が可愛いなあくらいの感想しかなかったんだけど、油断してたら火傷したww
オレはガキの頃、貧血検査で検査用に血を抜かれたのが原因で貧血状態に陥るようなか弱い少年だったこともあり、血を見るのが苦手。
ドラマや映画の医療シーンとかマジ無理なんですけど、てな具合。
そんなオレが興味本位で見てしまった「片腕マシンガール」は、「キルビル」どころじゃねーハンパないスプラッターシーンの連続だった。
あの辺を笑って飛ばせない人は絶対に見ないほうがいい。
せめて「キルビル」は大丈夫、くらいの耐性はないと吐くかもよww





オープニングからすごい。
時系列すっとばしてまずは八代みなせちゃん演じる片腕マシンガールことアミの復讐・殺戮シーンからスタート。
この手の描写に欠かせない「鎌」での接近戦から、最大の武器であるマシンガンを「蜂の巣になれえええええ!」ってぶちかますっていうww
この時点でお子様には薦められません。
文字通り蜂の巣になるんだけど、血しぶきの飛び散り方、肉片の飛び散り方、残ったボディの崩れ方とか、リアルとデフォルメの折衝っていうか、血が出るとか内臓が飛び出るとか肉片が欠けるとかいう事実のリアルさグロさをぶっ飛んだ描写で表現してあり得なさを加えてる。
ぼかしてるんじゃなくってそれがあるからエンターテインメントに出来てるっていうのかな。
ヤクザも大きなファクターだから当然「指詰めろや!」なシーンはあるんだけど、詰めさせられるのがヤクザん家の料理人、寿司職人だったりして、そいつに対して指詰めさせてさらに寿司職人ならではの罰ゲームをさせる…みなまで言いませんが想像しただけで吐ける話っしょ?
でもそこをギリ笑える範疇に収めてる…と思う。

キャスティングも、演者の頑張りもよかった。
演出もあるけど、どエグイシーンでも彼らだったから笑えた、楽しめたってのはある。
まず主演の八代みなせちゃんだけど、マジ可愛い。
上手い下手とかじゃなくって、ノースタントってのもすごいけど、ひとつひとつの演技が真剣そのもの。
鬼気迫るっていうか、例の頑張ってる女の子に弱い属性をガンガン刺激してくる。
弟がいじめの末に殺される、それの復讐に燃えるっていう設定は広く知られてるけど、さらに両親が殺人容疑をかけられて自殺してるっていう血塗られた経歴もある。
冒頭ちょっとだけ見られる普通の女子高生姿が普通に可愛いんだけど、この血塗られた過去・現実と直面して狂気の復讐マシーンになってからもちょいちょい可愛いところが出てきちゃう。
やっぱセーラー服のマジックは確実にあって、セーラー服で片膝立ててマシンガン乱射のところなんて、男心まで一生掃射されるよね。
マシンガール誕生の瞬間はひとつのハイライト(そこでもひとつの命があっさり奪われるお約束つき)。
弟に始まり、同士との熱い絆、バトルシーン以外にもハイライトは多い。
凡百のアイドルたちに大きく差をつける箔がついたんじゃないかな、八代みなせ。
あと敵のヤクザといじめっ子軍団も素晴らしいキャスティング&演技。
ヤクザで服部半蔵一族の末裔=忍者っていうアメリカ人が喜びそうな設定からしてギャグなんだけど、やることなすこと残忍極まりない。
それを笑顔でこなすヤクザの親分・木村龍二役の島津健太郎の演技が最高だった。
狙って芝居がかったトゥーマッチな感じがスプラッターにユーモアを加える。
無駄にギラついたルックスがAV男優っぽくって、極妻役の穂花とばっちりなコンビネーション。
で、その穂花、元ヤン上がりの極妻、旦那をいびりまくっておっかねーって思ってたらラスボスだもんね。
しかも最終兵器ドリルブラってww
そのグラマラスなボディーでスレンダーな八代みなせちゃんをドリルブラ責めするシーンは涙なしでは見られない。

もう途中からスプラッターシーンにも慣れた。
それよか徹底したバカっぷり、空飛ぶギロチンとか、片足チェーンソーとか、スーパー遺族とかもうギミックが次々に面白すぎて。
さらに一方で白熱してく本筋の復讐劇では八代みなせちゃんの熱い演技とヤクザのバカ加減のミスマッチという不思議な体の中、スタンダードに泣けてたぎる展開。
予算がなくってもやる気とアイデアと根性あれば、見る者をガッツリ引きこめるんだよってことを教えてくれる。

もう一度グロシーンをみたいか、この先もスプラッターにハマるかって問われると困るが、これはこれで見てよかった。
by blue-red-cherry | 2009-03-28 13:54 | 映画
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