![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() CL準々決勝2本目は録画しといたビジャレアル×アーセナル。 ビジャレアルのホーム、エル・マドリガルってスタジアムの名前カッコよすぎだよね。 所謂前後半で趨勢が反転してしまった試合。 ここまで色濃く出るのも珍しい。 見る前はパスサッカー対決かと思ってたが、ビジャレアルのパスサッカーとアーセナルのパスサッカーは方法論がまったく異なる。 スピード、テク、 考え方、活かし方、互いの異なるスタイルがぶつかり合う興味深い内容だった。 まずはビジャレアルの前半。 パスサッカーの根底に、技術ではなく運動量と判断力があることを思い知らされた。 もちろん技術は高いレベルにあるんだが、例えばビジャレアルの中盤にナスリ、セスクレベルのテクがある選手はいない。 イバガサやセナはそれに近いものがあるが、彼らのパスサッカーは技術に支えられているわけではない。とにかくフォローが厚い。 マイボールになると低い位置ならばセナ、高めの位置ならばロッシにボールが集まるんだが、両者のキープ力を活かしつつ、ボールが入った時点でほぼ確実に半径5メートルくらいの広さでトライアングルができている。 このトライアングルは当然、ボールホルダーのパスコースを増やすし、この距離感がパスミスを激減させる。 そしてこのトライアングルは関わっている3人だけではなく、全体で共有されている。 ボールの動きによって三角形の角に入る選手は次々に入れ替わるし、出し手も受け手もパス&ゴーが徹底されているので、ダイレクトプレーが頻繁に挟まれる。 アーセナルの守備陣はデニウソン、ソングが引き気味で決して人数が足りていないことはないんだけど、単純な楔やフィードにこそ対応できても、縦横にリズムよく動きながらの繋ぎに対して追いかける守備になってしまい、後手後手でずるずると下がってしまった。 ロッシにしろイバガサにしろ、左サイドで起点になることが多く、そこに端を発したパスでの崩しが非常に面白かった。 ロッシ、イバガサにカプテビラやジョレンテがフォローに入るトライアングルが左サイドで小気味よくボールを回してアーセナルのセンターを引き付ける。 寄ってきたらセナに預けて逆、もしくは縦の展開を入れて、再びロッシやイバガサがフィニッシュのところに戻ってくる。 2列目にボールを入れてからのスピードアップが強力で、左サイドの基点から中、逆、とギアを上げていく攻撃は非常に統制が取れていた。 また、カウンターでも同様のスタイルが貫かれた。 奪ったボールが早めにロッシに入ると早々に2対2の形になることがあったが、ここでロッシは攻め急がず(ちょっとシュート意欲が少ない嫌いはある)相手ディフェンスをディレイさせ、その間にイバガサやカニは並列でフォロー、サイドバックが2列追い越していくという人数のかけ方。 ロッシとセナのキープ力と展開力、イバガサのアイデアと仕掛け、いくつかの軸を持ちながらも全体で見せた攻撃。 運動量と判断力、フォローや追い越しなどの組織の連携を活かした戦い方は、個の遅れを組織でカバーする戦い方のひとつの到達点。 彼らの一糸乱れぬ連携は、セナの先制点に代表されるように、幾度となくギャップを生んだ。 バイタルまでは攻略できていたが、エリア内での決定機が少なかったのと、それであれば遠めからの攻め手が欲しかったが、シュートに至る場面が少なかったのは完璧ではない証明だった。 それゆえの勝ちきれなさなんだろうけど、それにしてもバイタルまでの崩しは見事だったと思う。 前後半でガラリと変わった印象だが、正確に言うと60分からだな、劇的な変化があったのは。 ビジャレアルがゲームを支配するにはチーム全員の適切な距離感が保たれていることが不可欠だった。 そのためには攻守に前後をフォローする中盤に甚大な運動量が求められるし、前線と最終ラインも全体をコンパクトに保つという意識を欠かさず、上げる勇気と下がる気遣い、持ち場持ち場での判断力と集中力を落とさないようにしなければならない。 この試合、ビジャレアルがそれを保てたのは60分だった。 彼らはこの間、緩急つけた戦いをしていたわけではない。 60分絶え間なく連動し続けたし、集中力は保たれたまま。 立派な60分だったといえる。 選手個々の距離が開くことで攻撃の迫力が落ちたのは間違いないが、もうひとつ、守備での綻びも散見された。 ビジャレアルのトライアングルは守備時にも機能していた。 アデバヨールとの距離を縮めたい、アデバヨールにいいボールを供給したいセスクやナスリ、ウォルコットがバイタルに顔を出せば受けの守備網と前からの圧力が一気に取り囲む。 これがなくなってしまい、セスクや両サイドからアデバヨールへのボールが負荷なく上がりだす。 60分からの5分かは衝撃的だった。 ビジャレアルの選手はクリアするその瞬間のインパクト以外ボールに触れない。 前半それこそビジャレアルのパス回しについていくのがやっと、スペースもない、サポートもない攻撃陣は縦に速くスピードを活かしたいものの、孤立するだけだったアーセナルだが、ポゼッションの位置がハーフライン越えまで上がり、セカンドボールを拾えるようになったことで攻撃の人数が一気に増える。 アデバヨールが潰されたところにウォルコットやナスリが絡むようになり、単発だった攻撃に厚みが出だす。 ビジャレアルの最終ラインはいよいよ下がりだし、セナやエグレンも完全に吸収され、こりゃ時間の問題かなっと思ったところでアデバヨールのアクロバティックなボレーが決まる。 セスクのピンポイントなボールもすばらしかったが、あのスピードボールを胸トラで絶妙なコントロール、挙句あのボレーだからね。 徐々に圧力を増した結果ともいえるが、あのゴールはアデバヨールの強烈な個が生み出したゴールだ。 このあともアーセナルの時間が続く。 サイドバックやセントラルのフォローが増えたため、行って来い!だった前半に比べ攻撃の精度は上がったが、いかんせんスペースのなさの前に手詰まり感は否めない。 前半のアクシデントでアルムニアとギャラス、守備のカードを2枚切らざるを得なかったのは痛かった。 ただでさえ単調になりがちな縦に速い攻撃にアクセントをつけられれば違った展開もあったかもしれない。 その意味ではピレスが入り、後半頭から入ったマティ・フェルナンデスが乗ってきたビジャレアルは、苦しいながらも最後、多少盛り返したのは頑張った。 どちらにも次戦に向けて、多少の手応えと多くの課題が見つかった試合だったんではないだろうか。 メンバー戻ってきて楽しみにしてたけど、アーセナルのサッカー、つまんねえなあ。 いや、初めて見たビジャレアルのパスサッカーが面白すぎたからかな。 2ndレグ、ビジャレアルが先制する展開を期待。 パスサッカーを貫いてほしいぜ。 でもって準決勝はポルト×ビジャレアル希望!
by blue-red-cherry
| 2009-04-10 13:27
| サッカー(FC東京以外)
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