アーセナル×チェルシー イングランドプレミアリーグ08-09 第33週

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続きまして、ビッグロンドンダービー
もしくはUEFA CL 08-09 3位決定戦。
プレミアリーグ 08-09 3位決定戦でもあった。
ベンゲル自身がCL敗退のショックはチェルシーのほうが重いはず、みたいなことを言ってたようだが、そりゃそうだ、チェルシーのほうがいいサッカーしてファイナリストにより近い存在だったんだから。
そんなことより、ファイナリストの座を争うに相応しかった実力を見せてくれればよかったんだ。
まあガナーズは早々に敗戦を認めてたみたいだったからな。
しかしCL敗退時のしおしおな感じといい、なんだかベンゲル、情けないぜ。

さておき、暖かく迎えてくれたエミレーツの満員のサポーターの前で、ガナーズは序盤から速く、迫力のあるサッカーを展開した。
最終ラインを高く保ち、コンパクトなフィールドで激しいプレスをかけ、奪ってからは中央とサイドをバランスよく使えていた。
ファン・ペルシーを最前線、ウォルコットが右肩上がりに尖った中盤はソングのアンカー、ディアビの左を固定しながらセスクとナスリが自在に入れ替わる。
セスクの顔出しでボールを収め、常に前向きのナスリが低い位置からスピード上げて相手ラインに仕掛ける形がたびたび見られ、その仕掛けからフリーでウォルコットがチャンスを迎えるパターンを多用。
開始20分で3度はこの形で決定機が作れていただろうか。
ウォルコットの外しっぷりは後半も続くのでおいといて、このガナーズがいい攻撃をできていた時間、ナスリのよさが目立った。
低い位置で使われるメリットとしては前を向いて、比較的プレッシャーの少ない中、ボールを扱えるということ。
ここのとこナスリをこの位置に置くパターンが続いているが、CLのユナイテッド戦の最初の10分といい、攻められている時間はそのスピードやテクニックが存分に活きるんだよね。
これを期待してここで使いたいのはわかる。
でもこの位置だと、自分たちがポゼッションできてる以外はナスリのよさがまったく出ない。
守備は専門外だし、フィフティーのボールに迫るスピードにしたって前向きなスペースであればそのままチャンスにすることもできるが、中盤の争いではいまひとつ。
それもこれもアルシャビンとの併用を見越して、というのはわかる。
ナスリも使いたいし、アルシャビンも使いたい。
でもアルシャビンも出れないときもこれにこだわる必要、あるのかな。
確かにセスクとのポジションチェンジでセンターを自在に使う形は良かったけど、ディアビの左は物足りないし流れ止めちゃうし、あそこを逆にするとか、デニウソンとソングにしてナスリを左に置くとか…いけない、どうも最近フォメ厨、ウイイレ厨度が加速している。
脱線しまくったが、このいい時間に点取れなかったことが最後まで尾を引く。
このあと1点取られても、2点取られても点を取りに行く姿勢、繋ぎとスピードを活かして攻める姿勢は見せてくれたけど、先手が取れないとこのサッカーはどんどんドツボにハマっていっちゃう感じだな。
決定機に顔を出す勘や、どんなボールでもチャンスに変え得る脅威のスピードは大きな武器だけど、最後で精度を欠いてしまっては意味がない。
ウォルコットが名だたるトッププレーヤーと肩を並べるのにはもう少し、時間が必要かもね。
やっぱりいい攻撃をして、決めるべき人が決めてこそのトップクラブということだ。

それでいくとやっぱり、チェルシーの勝負強さは目を引く。
前半20分まではまったく、何もさせてもらってなかった。
意図的に引くでもなく、プレス合戦で劣勢に回るでもなく、ただただガナーズの勢いとパス回しの前に後手後手になっていた。
でも元気ない、気落ちしている感じはしなかった。
変わらず好調を維持しているマルダに、大量のブーイングを浴びてテンション上がったか、A・コールのフォローがよく絡み、そこからドログバを使ったカウンターは切れ味充分。
荒れ荒れだったドログバも前線での献身に徹し、被ファウルが増える。
流れがよくないときのセットプレーほど貴重なチャンスはないが、そこで決めてくるのは練習の賜物であり、集中力の結晶。
CLで見せた守備面での高い集中力とは別で、ここ一番に賭ける一瞬の集中力が発揮された27分のセットプレー、ドログバの速いクロスにアレックスが打点の高いヘッドでネットを揺らした。
アウェーの戦いで劣勢のチームにとって理想的な展開だ。
その後もチェルシーは途切れない集中力を攻守に発揮する。
守っては崩れないブロックでしっかり受け、勝負をかけてくる3人目、4人目の動きにも離されずしっかり対応。
攻めては少ないチャンスに手数をかけず、ゴールへの最短距離を突き進む。
アネルカの追加点もゴールへの最短距離をぶち抜いた一発だ。
基本、右サイドに位置取りしていたアネルカはこのとき中央でボールを受け、普段なら組み立てに参加しそうなところで突如、ターンでマーカーを振り切る。
低い位置だったこと、ゴールに背を向けていたこともありマーカーは一枚、かわせば当然、ゴールへの道筋がくっきりと見えたはず。
迷いなくボールを進め、やっとの思いで足を延ばしたディフェンダーを置いてきぼりにする弾丸ミドルシュート。
アネルカについてもう少し、彼は後半、あきらめずに攻め続けるガナーズの攻めに対し、最後尾まで戻って守備に貢献していた。
スコラーリには重用されていたが、復調したドログバと両雄並び立つためにヒディングから与えられたのは右のウイングのポジションだった。
これをアネルカは見事にこなしていると思う。
ときに中盤後方まで戻ってボールを引き出して組み立てに参加し、もちろんフォワードの本分であるフィニッシュの意識も高い。
加えて相手ボール時には最終ラインに戻っての守備までこなす。
ユナイテッドのルーニー、リバプールのカイト、強豪には彼らのように質を落とさず労を惜しまない選手がいる。
奇しくもウイングを基本ポジションとするアタッカー。
プレミア型ウイングとでも言おうか、サイドバックの重要度が増し、その動きの質と量が求められる中、彼らサイドバックの前に位置するウイング(もしくはサイドハーフ)の役割も進化してきている。
このまま行くとサイドバックとサイドハーフのハイブリッド、みたいな選手が次々に生まれてくるのではないか。
サイドバックの如く守備に貢献するウイング、ウイングばりにサイドを切り裂いてチャンスを演出するサイドバック。
相互に助け合い、自在に入れ替わる二段攻撃は確実に脅威になるだろう。
身近なところで思い出すのはなでしこジャパンの安藤梢と近賀の関係だね。
所謂ゼンデン現象は過去のものに…なるんじゃないかな。

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で、だいぶ脱線したが、後半は始まってまもなくのトゥレのオウンゴールで大勢が決まってしまった。
ボルトン戦で試合を決めてから3点返された、なんてこともあったが、CL制覇に照準を絞りコンディションを上げてきた彼らの前にそんな展開は望むべくもなく。
前半同様ポゼッション率は高かったし、セスクを経由してウォルコットやファン・ペルシーがフィニッシュする速く、厚い攻撃も見せたんだが、どうにも精度が低いのとツェフを筆頭にチェルシー守備陣の壁が高く高く立ちはだかった。
互いに間延びした終盤は打ち合いになり、黒パンマンことベントナーが一矢報いれば、前がかりのガナーズにトドメを刺す鮮やかなカウンターでマルダが追加点。
1-4は今のガナーズとチェルシーの充実度、実力差として妥当だと思った。
それにしてもホームでユナイテッド戦に続いてのこれは、情けないけどね。

恐るべきチェルシーの勝負強さ。
鍛え抜かれた(生まれ持った)フィジカルの強さと、それを120%生かす脅威の集中力。
スペースを潰すまでは誰だってできるかもしれないが、跳ね返し続けること、スピードを上げ人数をかけた連携、連動を逃さない瞬発力、それをこなした上でここぞの一刺し。
こんなに強いチームがアウェーでは9バックを強いられ、それを受けての2戦目でもリスクを冒すことができなかった相手、バルサはそこまで強かったかって、今は思う。
これでチェルシーは来季もCL本戦から、ガナーズは予備戦から。
あと決まってないのはチャンピオンと、残留争いか。
それもミッドウィークのユナイテッド×ウィガン次第じゃ、週末のガナーズ戦で決まるかもね。
意地見せられるかな…無理だろうな…。
by blue-red-cherry | 2009-05-12 16:31 | サッカー(FC東京以外)
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