BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!

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超待望のニューアルバム、「⊿」の発売を目前に控えたこのタイミングで、DVD「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」を見終えた。
作品ごとにステージを上げていくパフュームのことだ、更なる高みに登ることは想像に難くないし、集大成的なイベントだったこのライブDVDを、新作の前に見といて良かった。

あらゆる「雑音」は抜きにして、純粋にライブエンターテインメントとして楽しんだ感想を。
やっぱりライブアーティストとしての基礎体力が高い。
とりわけ目立ったのはあーちゃんの客いじりのスキル。
クローズドな現場で、熱狂的なファンとの間で成立してたコール&レスポンスを、分かりやすさとしつこさで一見さんすらも巻き込み、それが嫌味じゃない。
武道館という超大箱ならではの、2階からアリーナ、上手から下手、広大なステージと客席を駆使してのいじり方も心得ている(スタンディングの客を一度座らせるんじゃなくって、ジャンプさせてウェーブを実現するってのは初めてみた)。

最近のパフュームのライブはどこでやってもホームの一体感、そんな評をどこかで目にした。
確かに一体感はあったし、カタルシスもあったと思うけど、武道館はどんなアーティストにとってもホームにはなりえないよね。
国立競技場がそうであるように、聖地は聖地でしかなく、誰のものにもなり得ない。
だからこそ、武道館でのライブは、そこでライブをやれる域に達するというステータスがあるとともに、そこでどんなパフォーマンスをするかが問われる、アーティストのライブ力が問われる場でもある。
永ちゃんの武道館とライムスターの武道館、パフュームの武道館はどれも趣の異なる演出で、それぞれの世界観を表現しているが、どれも武道館のライブであることは隠しがたい事実。
豪華なセットを組もうが、証明にひたすら凝ろうが、武道館ライブは武道館。
その歩みをともにしてきた熱狂的な信者の後押しを得つつも、この武道館がファースト・コンタクトとなるファンもたくさんいる。
パフューム色に彩られたステージから少し目を外せば、伝統と格式漂う(時代遅れの)コンサートホールの作りが目に入る。
誤魔化しは利かない。
歌、踊り、客いじり、すべてにおいて実力が問われる。
このライブアーティストのひとつの到達点は、そこでの開催権を獲得した達成感を与えるとともに高いハードル、試練の場を与えられることにもなるのだ。

だからこそ、パフュームのシンプルなステージが映えた。
ゲストを招くでもなく、大所帯のバンドやダンサーにサポートされるでもなく、コントを挟むでもなく。
ただひたすらに歌い、踊る。
そこにギミックはなく、楽曲の強さ、キャラクターの強さ、それだけ。
もちろん練られた構成、曲順に1曲1曲の演出、素晴らしい。
でも、このライブで感じたのは、作りこまれたステージングよりも、箱負けしない、パフューム3人の確かなライブ力。
初っ端の「コンピューターシティ」から、アンコールの「Wonder2」まで、一糸乱れぬコンビネーション、キレを失わないダンス。
開演前のステージに並べられていた無数のマネキン。
物言わず動かぬそれらに代わり、その後の2時間、ステージ上には歌いっぱなし、踊りっぱなし、躍動するパフュームがいた。
「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」は、パフュームにとって、それまでの努力が報われたひとつのギフトだけど、単なる記念碑ではない。
ハタチそこそこの3人の女の子が、1万人の観客をロックし続ける。
その記録映像は字面をはるかに超える、インパクトがあった。

とかなんとか言っときながら、例によって鑑賞中はにやけっぱなし。
特にお色直し後のかしゆかの衣装のカワユス加減は異常すぎて、それ以来釘付けだった。
テレビのモニターにセンサーつけといて、自分の目線を集計してみたら絶対、ゆかちゃんに偏ってただろう。
かしゆかといえば、特典ディスクの「TOKUTeeeeeeeeeeN!!!!!」に収められた、生・JKかしゆかも必見。
観客を向こうにテレながら、ステージの端でうしろ向きに「あのぉ~」だの、「わかんにゃい~」だのやってるゆかちゃんの後姿は、ステージのそれとはまったく異なりつつも、同じく胸をかきむしる何かがある。
振り付けのMIKIKOって人も本当にすごいと思う。
詞世界、音、パフュームのパーソナリティ、どれをも取り込んだバッチリすぎる振り付けのおかげでどの曲見てても飽きないってのは絶対にあると思う。
それに、組み合わせの妙で超複雑、難易度高いってのはあるけど、ひとつひとつの踊りのパーツは割りとオーソドックスだよね。
それ女の子にやらせたら絶対可愛い!ってのを満遍なく散りばめてて、ほとんど全部の曲で「おおっ!」ってなる。
かしゆかばかり見てたせいか、かしゆかの寄りが多かった気がするんだけど、気のせいかな。
でも喋ったらあーちゃんの独壇場だしな。
のっちは元々、センターの時間長いしな。
まあでも、いいわ、パフューム。
本当にいい。
変わらずいい。
いろんな意味でこの「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」はひとつの区切り。
このライブから今にいたる半年ちょっとの間にもいろいろと変化はあっただろうし、このあと、「⊿」以降のパフォーマンスがどうなっていくのか、セットリスト考えただけでも楽しみ。
「⊿」リリース後のツアーは「⊿」中心で行くんだろうけど、またどこかのタイミングでこういう、集大成的なパッケージも見てみたいな。

この際、「雑音」に関しては何も言うまい。
宇多丸氏が「タマフル」でおっしゃってたとおり、そんなのどうでもよくなるクオリティの「⊿」を楽しみにしてたら、すでにどうでもよくなったよ。
いよいよ明日、「⊿」は店着日。
当然フラゲでヘビロしますよ。
by blue-red-cherry | 2009-07-06 16:59 | 音楽
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