マンチェスター・ユナイテッド×マンチェスター・シティ イングランドプレミアリーグ09-10 第6節

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一週遅れで09-10シーズン最初のマンチェスター・ダービーを見た。
生中継時のtwitterのTLを臍を噛む気持ちで見ていたので、結果も、劇的な展開も知っての上での視聴。
しかし、劇的な展開・結果とは裏腹に、中身は意外にもほぼユナイテッドのワンサイドゲーム。
ピンポイントな局面でのモロさや隙が、興奮のバカ試合を生んだといえる。

シティはアーセナル戦の蛮行でアデバヨールが3試合の出場停止、ロビーニョはブラジル代表の試合で骨折で長期離脱と苦しい布陣。
テベスをトップに右にライトフィリップス、左はベラミーという3トップに、中盤はこのところ固まってきたアイルランド、デヨング、バリーで構成、最終ラインはいつもどおり。
対するユナイテッドもCLとうまくターンオーバーしながら、結果を出しつつあるルーニーとベルバトフの2トップ、中盤は右からパク、キャリック、アンデルソン、ギグスと攻守のバランスが取れた並びを敷き、こちらも最終ラインは定番の4人。
このメンバーを並べただけでも、また、ここまでのシティの勝ち方、戦い方を見てもユナイテッドが中盤で優位を保つ展開が予想されたが、前半はシティもかなり奮闘したと思う。
開始早々の2分、スローインの反応でエブラが勝り、エリア内深くからの折り返しをルーニーが巧に押し込んでユナイテッドが先制。
しかしここから畳み掛けることはできず、テベスのフォアチェックは健在、両ウイングも参加しての中盤のプレッシャーが枚数上のミスマッチを五分に戻し、プレス合戦の末にどちらも主導権を握れないゲームが続く。

こうなると中盤を越しての早い展開、トップに負担がかかる試合になる。
この部分でも互いの持ち味が出た、がっぷりよつ、見応えがある戦い。
ユナイテッドはベルバトフ、ルーニーがともにコンディションの良さを見せつけた。
特にベルバトフの収め具合は異様なほどだった。
浮き球もグラウンダーも往年のベルカンプを思い出させるような、長い足に吸い付かせるようなトラップで収め、そのあとも懐深い、独特の間合いと見事なボディコントロールでシティディフェンスが飛び込めない空間を作る。
背負ってはタッチしながらのターンでいつのまにか方向転換され、しっかりと引きつけられ、展開されてしまう。
徹底してゾーンを空けないディフェンスがあったから最終ラインの深追いによる致命傷こそ負わなかったが、このベルバトフの顔出し、キープ、展開は大いにシティを苦しめた。
一方のルーニーもプレイエリアは広い。
今季はセンターフォワードを任されているので持ち場を大きく離れることはないが、バイタルまで下がってくると、低目から仕掛けるオフェンス面だけでなく、カウンター対策の一番手として守備面でも高い貢献を見せる。
ベルバトフと縦に、横に、スペースを共有する感覚は徐々に良くなってきており、この2トップはかなり面白いことになりそう。
動のルーニーと静のベルバトフ、バランスもいいしね。

対するシティはテベスが精力的。
苦しい展開ゆえにどうしても前、縦への若干乱暴なパスが増えてしまっていたが、なんとか喰らいつこうとする動きは、昨年随分と助けてあげたユナイテッド守備陣への大きなプレッシャーとなっていた。
ゲームの主導権がどちらともない膠着状態の中、彼の鬼プレスがミスを誘ったのはある意味必然だったかもしれない。
16分、ロングボールの処理をもたつくユナイテッドGKフォスターから奪ったボールを冷静にバリーに折り返し、バリーが流し込んだゴールは半分、テベスのゴールだ(バリーの流し込みも丁寧に針の穴を通す素晴らしい技術)。
チャンスは多くなかっただけに、前半終了間際、アイルランドのスルーから流れたボール、エリア内でフリーで放ちポストを叩いたあのシュートは決めたかった。
この試合一度もリードできなかったシティだが、主戦術がカウンターであることを考えると、あそこでリードできればまた違った展開も望めたかもしれない。
後半爆発したベラミーはあまりプレー機会なく、逆に後半は沈黙したライトフィリップスが幾度かいい突破を見せたものの、シティも散発に終わった前半戦。
やはり相手にリトリートされてからのマイボールの運び方は相変わらず改善されておらず、トップに当てるかサイドに逃げるしかない。
スピードに乗った状態で個の力が活かせればかなりの破壊力があるが、遅攻になってしまうと万事休す。
これではファーガソンに「まだ早い」と言われてしまっても仕方ない。

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局面でのぶつかり合いも激しく、緊張感のある、守備意識がせめぎ合ったからなんだけど、意外な膠着ぶりに眠気も出た前半とは打って変わって打ち合い、ユナイテッドの底力を知ることになった後半。
まずは49分、左サイド高い位置でエブラとギグスが粘り、エブラの落としをダイレクトで入れたギグスのクロスにフレッチャーが飛び込んでユナイテッド勝ち越し。
コーナーやフリーキック、立ち止まった状態ですら乱れるんだけど、シティのディフェンスは横からのボールに異常に弱い。
並びっぱなしで飛び込みに対応できてないゾーン、つききれてないマーキング。
個人能力の高さで正対した1対1は跳ね返せても、揺さぶりをかけられると一気に脆さが出る。
無失点を続けてきた守備陣も、チームとしての約束事のなさがこう、強豪とぶつかることで明らかになった印象だ。
しかしその3分後には、数少ないシティの持ち味が活きる。
中盤で奪ったボールをアイルランドからテベス、テベスが斜めのドリブルで右から左まで運んでベラミーに渡すと、寄せが弱まった隙を見逃さず、左45度から強烈なミドルを逆サイドネットに突き刺した。
ショートカウンターの切れ味はさすがで、スピードも迫力も充分。
さらに見事に沈めたベラミーの一発力もさすが。
このチームがゴールを奪うためには現時点ではどうしても、カウンターが最も有効であり、ほぼ唯一の手段といえるだろう。
いかにカウンターで相手と同数以上の状況を作れるか。
相手に攻め込ませる状態に持ち込むのか、中盤高めで奪えるようなプレスを組み立ててショートカウンターを志すのか。
カウンターをどう極めていくかがシティの浮沈を握っていると思う。

電光石火の点の取り合いで始まった後半だったが、シティはこの同点弾以降ほとんど、攻撃に転ずることができなくなってしまう。
引き続きベルバトフ、ルーニーに当てて組み立てるユナイテッドだが、2トップとパク(→バレンシア)、ギグスとの距離感が良く、また中盤のサポートも惜しみないのでボールを失わない。
運動量こそ少なく、フレッチャーがその分倍動いてくれていることがあってのものだが、アンデルソンが効いていた。
トップから落とされても、最終ラインやサイドから引き出しても、確実なキープと長短の正確なパスで攻撃のリズムをコントロール。
隙あらばゴールを狙う姿勢もあり、その堂に入ったプレーぶりは、昨シーズンから大きく成長を遂げた印象がある。
ベルバとアンデルソンの溜め、展開力を軸に、高いポゼッションからピッチをワイドに使うユナイテッド。
特にギグスとエブラの左サイドは強力で、エブラの上下動、献身的な運動量がギグスのクリエイティビティーを存分に発揮させる格好になっていた。
ポゼッションが高まり被ファウルも増えるという押し込む流れの中で、65分から70分の5分間には3度の決定機。
ともにギグスのプレースキックからベルバトフが二度のドンピシャヘッダーを叩けば、バレンシアの突破から抜けたクロスをギグスがハーフボレー。
いずれも立ちふさがったのはシティの守護神、ギブン。
この時点でのポゼッション率は8:2でユナイテッドという数字が表しているように、ほぼすべての要素でユナイテッドの後塵を拝する形となったシティだが、ゴールキーパーの質だけは勝っていた。
フォスターがミスから失点を招いたのに対し(ベラミーの2点目も、飛び込み方、ニアの空け方とかどうかと)、度重なる決定機のスーパーセーブはお見事。
彼がいなければ、ゴール数でもユナイテッドのワンサイドゲームが実現されたことだろう。
しかしさすがのギブンの砦も陥落する。
80分、またしてもギグスのフリーキックに、後方から走りこんだフレッチャーがヘディングで叩き込んで3-2。
受け手と出し手が同じばかりでなく、横並びになったラインが後ろからの動きに対応できないという、まったく同じ形での失点。
ギブンのスーパーセーブが目立つということは裏を返せばそれだけ決定機を作られている守備陣に問題があるということ。
セットプレーだけでなくユナイテッドのポゼッションに対し、人数はそろい、スペースは埋めてるんだが、ゾーンとゾーンの間に出る人とボールの動きにまったくついていけてない。
だからインターセプトする機会なんかほとんどないし、セカンドボールへの反応も一歩、二歩遅い。
シティにとっては、起こるべくして起きた失点で、攻撃面の課題は明らかだったが、連勝で隠れていた守備面の課題も噴出した試合となったのではないだろうか。

ゲーム、両チームの評価としてはここで終わるのが妥当なゲームだった。
ここまでに互いの良さ、脆さ(主にシティだが)が出て、このまま終われば正当な実力差がそのまま内容・結果に反映されたといっていいゲームだった。
しかしここから、ダービーがそうさせるのか、まさかのマンチェスター劇場へ。
残り10分、わずかながらも反攻するシティだったがそれも実らず、終わろうかという90分、リオ・ファーディナンドがハーフライン付近でまさかのループパスを選択し、まさかの初歩的なミスキック。
ペトロフにカットされるとすぐさま前線に流され、戻るリオの一歩先に出たベラミーが独走し、絶妙の間の取り方でキーパーの手の届かないところ、ニアに流し込んで同点。
ベラミーのスピード、フィニッシュへの一連のパフォーマンスは実に見事で、先制点も含め、この試合、素晴らしい仕事をしたし、ポテンシャルを見せてくれた。
だが、あのリオのパスミスはない。
シーズン1、2を争う凡ミスで、あのままドローで終わっていたらハンパじゃないバッシングに晒されたことだろう。
命拾いしたとはいえ、猛省が求められる。
ここから疑惑のアディショナルタイム。
ベラミーのゴールが90分ちょうどくらいだったこともあって、ゴタゴタのままテレビで見る限りはアディショナルタイムの表示がないまま試合が進む。
ゴールの興奮冷め遣らぬ中だったこともあり、あまり違和感なく94分を迎えるが、95分あたりでセットプレーが跳ね返されるも笛は鳴らず、ベラミーやベンチのヒューズ監督が審判に訴えるシーンもちらほら。
おかしいぞと思った矢先の96分、セットプレーが跳ね返されたところをルーニーがダイレクトで放り込み、そのクリアボールがギグスの足元へ。
するとギグスはトラップ後、躊躇なく正確で速いグラウンダーをエリア左でフリーになっていたオーウェンへ、オーウェンは速いボールをベストの位置にトラップし、飛び込んでくるキーパーとディフェンスの鼻先で見事に右隅へ流し込んで三度勝ち越し。
ギグスのトラップからオーウェンのシュートまでのすべてのプレーがお手本のような連続性で、パーフェクトなゴールだった。
…が。
目立った怪我や言い争いはなく(その意味では激しさはあれどクリーンなゲームだったといえる)、あのアディショナルタイムの長さは誰がどう見ても不自然だ。
テレビで追えなかっただけなのか、アディショナルタイムの表示がない時代ってこんなだったっけ?
試合トータルで考えればユナイテッドの勝利という結果は至極真っ当だと思うけど、このアディショナルタイムの出来事は、しばらく物議を呼ぶだろう。
見てるほうからすれば、素晴らしいゴールが見られたと単純に喜んでおけばいいと思うけど(両マンチェスターファン除く)。

ユナイテッドの強さが戻ってきた。
後半、完全にゲームを支配していた時間帯、最終ラインはほぼハーフラインに並ぶほどの高さを保ち、コンパクトな空間の中で持ち前のハードワークが全開、一方でベルバとアンデルソンというアクセントもうまく取り込まれたかつてない「強さ」を漂わせていた。
この状況でファン・デル・サールが戻れば、穴のない、ほぼ完璧なチームに映る。
シティは深刻だと思う。
あわや同点という派手な試合結果の前で、隠すことはできない攻守の課題が噴出した。
本当にビッグ4の牙城を崩したいならば、見過ごせない欠陥が多すぎる。
遅攻の精度を高めるよりはカウンターの精度を上げるべきだと思うが、そのカウンターを支える守備にしても、揺さぶりの弱さ、セットプレーの守りの脆さは明白。
特にセットプレーは攻撃面含め、徹底的にやったほうがいい。

遅れで見て、しかも結果も展開も知ってたゆえの感想だなあ。
生で見てたら絶対、興奮してこんな冷静には振り返らなかったと思うww
by blue-red-cherry | 2009-09-26 12:56 | サッカー(FC東京以外)
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