バルセロナ×ディナモ・キエフ UEFAチャンピオンズリーグ 09-10グループリーグ

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UEFA CLグループリーグ第2節、1日目の2試合目はバルセロナ×ディナモ・キエフ
決定機があった以上、ディナモ・キエフに勝ち目がなかったとは言い切れないが、終始バルサが圧倒。
パス、ドリブル、トラップにシュート、90分ハイレベルのプレーで唸らせてもらった。

負傷のアンリがベンチ外になったものの、トップにイブラヒモビッチ、右にメッシ、左にイニエスタ、センターハーフはチャビ、ケイタ、トゥーレ・ヤヤ、最終ラインはいつものと、ほぼベストメンバーをそろえたバルサ。
開始早々に、キエフの左SB、マグロンがオーバーラップから放ったシュートがポストを叩き、冷や水を浴びせられるが、慌てることなく徐々にエンジンを温めていく。
バルサの試合を見たのはリーガ開幕前週のUEFAスーパーカップ以来だが、イブラヒモビッチの馴染みっぷりに驚いた。
インテルではその高さ、強さを買われ、少ない手数で仕留めるためのプレーを担わされたが、バルサにおいてズラタンの何が活きてるって、そのテクニックがいちばん輝いている。
戦前の予想では、バルサに欠けてた高さ、強さやキープ力が加わるという意見に占められていたが、蓋を開けてみると、この試合ではメッシやイニエスタと、激しくポジションを買え、シャビやケイタと流れるパスワークにも加わる。
もちろん、ちょっと足を上げると、普通の選手のヘディングの高さのボールをトラップできたり、背中で2人背負える強さだったり、その身体能力はバルサでも群を抜く、強力な武器。
しかしテクニックでも、ほかの手練れの選手たちに一歩もひけをとらない。
この試合では割と左サイドの高い位置に流れることが多く、そこからストライドと足裏を使った、緩急のドリブルで2、3人抜いたシーンではアンリも顔負けの突破を見せたし、パワーありつつ柔らかさもあるから、モーションなしのパスがズバズバ通ってた。
バルサ全員に共通することだけど、彼もまた相手の裏をかくアイデアが豊富で、またそれを実現するテクと、さらに超人的な身体能力があるからすごい。
高さ、強さは大きな武器だけど、そればかりを強いられたイタリア時代のタスクから開放され、とにかく伸び伸びやれている印象だ。

バルサのポゼッションサッカーは、それを志すものにとっては手の届かないお手本なんだと思う。
なんつったって、全員巧いのが大前提で、かつ、11個のポジション、それぞれの特性を持った選手をそろえることからしてまず、大変でしょ。
全員攻撃のひとつの象徴としてピケの足元の巧さが取り上げられることが多いけど、止めて蹴るの技術が当たり前のように全員ものすごく高い。
それが何に効いてるかっていうと、独特のトライアングルの作り方なんだよね。
バルサの攻撃は、それこそクライフ時代から変わらない、ピッチに多くのトライアングルを作って、常にサポートのある状態、数的優位の状態を作って繋いでいくサッカーだと思うんだけど、バルサにとっての適切な選手間の距離感って、ほかの多くのチームに比べると結構開いてるように思う。
それもこれも、速くて正確なグラウンダーをすべての選手が蹴れて、さらにそれを止めてまた次の選手に繋げる技術があること、これに尽きる。
人のムーブも多いので、絶え間なく人が動いている印象があるけど、ボールのほうがもっと動いている。

そんな状態だから、守るほうは人につきつつゾーンを埋めつつも、もっとも目を奪われるのはボールの動きになるのが必然だ。
重心を自分の分担するゾーンに置きつつ、マーカーに体を寄せ、目ではボールを追い、頭では次の展開を読まなければならない。
並べただけで疲れる。
こんな状況の相手ディフェンスにさらに追い討ちをかけるのが、これまたメンバー全員が持ち合わせている裏をかくアイデアだ。
2本、3本と横パスが繋がり、ときに楔を前に当てたりバックパスも辞さない。
しかし無為にボールが5分も10分も続くことは稀で、必ずどこかのタイミングで裏、スペースを狙うパスが出てくる。
その出しどころが一定化しないというか、思いもよらないタイミングで出てくることが実に多い。
受ける側の飛び出しの意識も高いし、これも相手にとっては非常に手を焼くポイントだろう。

ビルドアップにおける、チーム全体の伸縮も美しい。
最終ラインから始まるビルドアップは、横パスでピッチを横断させながらラインを徐々に徐々に上げていく。
これでトップから最終ラインまでがグっとコンパクトになり、局面でのパス回しを武器にさらにボールを回すと、独自のタイミングでグっと前線に飛び出す選手が出てきて、それを合図にさらに全体が押し上がる。
最終ラインと、ボール回しに関与しない選手はカウンター対策、オフサイド狙いもあるのでハーフラインギリにポジションを取るので、一時的に全体が伸びる形になる。
攻撃が失敗に終われば、前線はそのまま取り返すプレスに回るもの、リトリートするものに分かれつつもまた、全体がコンパクトに縮む。
前も後ろもラインは綺麗にそろってるのでその伸縮を見ているだけでも楽しい。
どの状態でもボールを引き出し、捌く中心にいるチャビは、もっとも代えの効かない存在だ。

そんなこんなでバルサばかり見てた。
ゴールシーンは取るべくして取った点だったし、ショフコフスキのスーパーセーブがなかったらもっと入ってただろうし、過程のほうにばかり目がいった。
90分通してのポゼッションは7:3だったが、持たされてる状態、遊びで回している状態はほとんどなく、意思を持ったポゼッションで7割実現は、相当なものだった。
ただし前半からミスパスがいくつかあったし、メッシのドリも引っかかることが少なくなかった(先制点はさすがで、ほかのシーンでも相手と2メートル以上距離があれば100パー抜いてたけど)。
スピードアップには時間がかかったし、上に書いてきたように巧さは際立ったが、本調子ではなかったかもしれない。
そんなだったから、実質この試合の勝利をかなえたのは、高い守備意識とカウンター対策だったかも。
ディナモ・キエフの守備陣の集中力は本当に高く、そして守護神・ショフコフスキはスーパーセーブを連発し、まさに神がかっていた。
76分まで2点目を許さなかった集中力は、バルサに少なからず苛立ちを与えていた。
2点目が欲しいバルサの最終ラインは、終盤ほとんどハーフラインくらいまで上がってたし、プジョルやピケが、相手陣内でインターセプトする場面もあった。
ディナモ・キエフが得た、セットプレーやらカウンターやらで3回はあった決定機のひとつでも決まっていれば…というところだが、1点入ってたら入ってたで、ガチのバルサが牙をむいてたかもね。
さすがにこの劣勢では満を持して古巣復帰を果たしたシェフチェンコも輝けずじまい。
バルサがグループリーグ突破に向けて、着実に勝ち点3を奪った試合だった。
by blue-red-cherry | 2009-10-01 12:39 | サッカー(FC東京以外)
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