ポルト×アーセナル UEFAチャンピオンズリーグ 09-10 1/16ファイナル 1stレグ

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今季のCLはグループリーグからそこそこ見られてて、いくつか期待しているチームもある。
バルサはもちろん、レアル、ユナイテッド、チェルシーなどの第一集団を追う、第二集団とでも言おうか、ボルドーやバイエルン、ポルト、フィオレンティーナといったあたりが個性を活かし、小気味良いサッカーを見せてノックアウトラウンド残ってきた。
できればこの、第二集団同士の対戦ではなく、第一集団にチャレンジするカードが組まれて欲しかったが、1/16ファイナル二日目は、期待してたチーム同士の対戦が並んだ。
まずはポルト×アーセナル。

立ち上がりは期待通りのオープンな打ち合い。
動き多いセスクを経由したボールが、ベントナーを使いながらナスリ、ロシツキーの両ワイドに展開。
ピッチを広く使うアーセナルのポゼッションに対し、ポルトは前後役割がはっきりと分かれつつも、前線の3枚とオフェンシブハーフに入ったルベン・ミカエル、ラウル・メイレレスのフォローで迫力ある速攻を仕掛ける。
ポルトの3トップはまたそれぞれが個性的で、最前線で体の強さと足元の巧さで粘るファルカオ、左サイドを重戦車のように強引に突破するフッキ、右サイドはテクニックとスピードに秀でる典型的なウインガーのバレラ。
失点は事故感が残るし、多くの時間はよく対応していたと思うけど、この3枚は少なからず、アーセナル最終ラインの手を焼かせた。
特にフッキ×サニャの肉弾戦、バレラ×クリシーのテク+スピード勝負は見応えがあった。
アーセナルも慎重策とポルトの勢いに付き合った感じの序盤は、こう打ち合うことでポルトの前線にも見せ場が多く、その末のバレラの何度目かの右サイド突破、速いクロスでファビアンスキーのミスによる失点に繋がったと思う。

しかしこのあとが、これも去年くらいから見てていつも思うことなんだけど、割り切って前後分断しているからか、ポルトは守るときは守る意識にスイッチが入りすぎてしまうというか、すぐ引いちゃう。
それもアンカーのフェルナンドはほぼ最終ラインに吸収されてしまうし、ほかの2枚もかなり深くまで戻ってきてしまい、元々守備の貢献度が低い3トップというのもあり、前線から中盤でのプレスが皆無。
確かにチェルシーとかユナイテッドとか、プレミアでアーセナルと戦うチームもある程度回させることはあるんだけど、それでもバイタル前からは厳しいプレスをかける。
中盤や前線もサンドイッチしたりで、ここで奪ってこそのショートカウンターに繋がる。
それがポルトの場合、バイタルあたりに入ってもスペースを埋める意識のほうが高いというか、そのままエリア近くまでボールを運ばれて、それじゃあ迂闊に飛び込めないだろうという段階までもってこられてしまう。
これが終盤だと話は別で、ロングフィードにクロス、相手が攻め急げば問題ないんだけど、まだ時間はたっぷりあり、そしてアーセナルのようにボールを回しながら人の動きで穴を空けたりリズムを変えられるチームには危険すぎる守り方だった。
11分の先制後はずっとアーセナルのターン。
ポゼッションからサイド、中央とバランスよく攻め、中は固められているのでベントナー、ロシツキーとミドルでゴールを襲う。
17分のセットプレーは、そのベントナーのシュートが弾かれて得たもので、これは別物だが、セスクのボールがニアの競り合いでファーに流れ、フリーのロシツキーの折り返しをキャンベルが押し込んだこのゴール自体は、ピンボールみたいで美しかった。

ポルトの先制後から前半終了まで、そしてポルトの勝ち越し点が入った51分までは基本、そういった流れだった。
51分のポルトの勝ち越し点はまさに事故的なもので、当事者が出場機会の多くないキャンベルとファビアンスキーだったこともまた、アクシデント的要素を強めている。
ポルトのフィードをキャンベルが、一度は出そうとしてやめたのにもかかわらず、逆足に当たってしまったボールがバックパスになり、それをファビアンスキーは何の気なしにキャッチしてしまった。
これが事の顛末だが、さらに問題はこのあとで、ポルトが早いリスタートでルベン・ミカエル→走りこんだファルカオと繋いで守備組織の整わないアーセナルゴールに突き刺す。
この早いリスタートは絶対に防げた。
こんな、エリア内の間接FKなんていう、絶体絶命のピンチじゃなくても、得点機になりうるセットプレーの際、味方の帰陣する時間を稼ぐのは定石だ。
キッカーの前に立つ、それ以前にボールを渡さない。
ちょっと注意されるくらいの代償で済む行為だ。
だがこの場面、ファビアンスキーはあっさりルベン・ミカエルにボールを渡してしまっている。
さらに審判に抗議していたキャンベルは守備態勢に入れていなかった。
バックパスのアクシデントは百歩譲って仕方ないとして、事後処理のまずさが問題だったと思う。
もちろんこういうチャンスを狙っていたファルカオのランニングと、それを見逃さなかったルベン・ミカエルのパスが素晴らしかったんだが、残念なゴールではあった。

このあとはポルトの守りがいろんな形でアーセナルを焦らす。
まずは序盤から徹底していたセスク潰し。
かなり粗くいってたね。
セスクだけじゃなく、ナスリやデニウソン、ロシツキーにもきつくいってた。
フェルナンドはもちろん、両サイドバック、ラウル・メイレレスとルベン・ミカエルもか。
とにかく中盤のポゼッションに対しては、アフター気味にでも止めにいきだし、カードも複数枚出ていたが、それ以上にこの徹底した当たりの守備がアーセナルのパスサッカーを封じ、同時に選手たちにかなりのストレスを与えていたはず。
アクシデント的な2失点もまた、アーセナルの選手たちの冷静さを奪っていたのではないだろうか。
残り時間は30分近くあったわけだが、彼らのパス回しは落ち着かず、厳しい当たりを避けるようにボールは縦に急がれ、屈強な最終ラインに弾かれつづけた。
そう、もうひとつは屈強な最終ライン、というかセンター。
アーセナルの攻撃がゴールへの最短距離に集中し出してからは、ロランド、ブルーノ・アウベスのセンターバックと、アンカーのフェルナンドが躍動。
クロスやフィード、楔の類はセンターバックの2人が徹底して潰し、クロスやスルーパスに対しては反応鋭くフェルナンドがカット。
じっくり回されると、前後分断を良しとしてるがゆえに組織的なプレスが機能しないポルトだが、こう、スクランブルのように攻め急いでくるチームを跳ね返す力には確かなものがある。
一方でやはり、中央で勝負できるストライカーがいないという、今季のアーセナルを象徴する課題も、一因ではあるのだけれど。

フッキをウイングで使うことで、ファルカオと3トップのうちに2枚、張るタイプのセンターフォワードが並び、さらにウインガーのバレラ。
この3トップを組むとチームの連動性がだいぶ損なわれるように映った。
少なくとも去年なんかはフッキをトップにして、両サイドは、この試合も途中から入ってきたマリアーノ・ゴンザレスとか、運動量多く、中盤との絡みも意識的な選手だったから、この日見たポルトはだいぶ印象が違った。
どうしてもこうなると、積極的な守備ができないというか、アーセナルのようなパスワークのチームには後追いになってしまうし、多少ファウルが増えてくる。
そんなこんなで、なんとなく抱いていた清々しいイメージが覆されてしまった。
もちろん勝手なイメージだったし、このサッカーで結果を出しているのだからそれはそれでいいんだけど。
あとCLで見るフッキ、これもいつも思うんだけど、序盤は身体能力やテクニックと勢いが合わさって対峙するディフェンスを押し込むんだけど、それに向こうが慣れてくること、あとケアが強まってマーカーが増えると必ず封じられてしまう。
これは相手のマークが集中してもフッキが同じことをやろうとするからで、フッキにそれを利用して回りのフリーの選手を使うアイデアがあればさらに評価は上がるはず。
ただこれにはポルト全体でフッキには単騎突破を許してるというか任せちゃってる感があるので、一概に彼一人の問題とは言えないか。
しかしもう、CLの舞台でプレーするのも当たり前の選手になってきたのは隔世の感がある。

なんにせよ、このカード自体はこの結果で面白くなったと思う。
2ndレグ、アーセナルは点を取らなければいけないわけだし、となればポルトのカウンターにも期待がかかる。
アーセナルが意地を見せるか、ポルトが優位性を活かせるのか。
by blue-red-cherry | 2010-02-20 20:44 | サッカー(FC東京以外)
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