重力ピエロ

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伊坂幸太郎の本が好きだ。

いつだったか自分の書庫をこのブログにて書き留めたと思うが、そのあとにもあんときの倍くらい読んでいく中で、最近の作品からはまってった。
「魔王」「砂漠」「終末のフール」「死神の精度」の4冊が既読。

時間を持て余してたし、旅行の予定もあったので、久々に読書癖を付けようかと本屋をめぐって見つけたのが「重力ピエロ」。

さかのぼって読んでるので、この表現は妥当ではないが、相変わらずの微熱感。
微熱感、はオレの造語。
淡々と冷静に、かつ熱いメッセージを隠すことなく発信する。
それにぴったりの、冷静で知的、正義感をもった物静かな男が主人公で、舞台は杜の都・仙台、てのはお決まりのパターンみたいだ(もちろん例外もある)。

今作は「魔王」に続き(これもさかのぼりだから正しくない)、兄弟もの。
兄弟間の微妙な設定、心の動き。
語り部的な主人公の兄と対照的な弟の存在が、この物語に本線並みにぶっとい軸として描かれている。

兄弟の<血>にまつわる<過去>が、伏線であり、本線なんだけど、もはや性善説というか、テーマは大きく重い。
考え出したら答えを出すのは難しい、繊細で重厚な問題だが、オレは、この兄弟のやりとりが媒介になっていたおかげで、そこまで悩むこともなかった。
軽く見せるんではなく、あくまでポジティブに。
もちろん、深淵までその悩みの深さを描いたあとでだよ。
その辺の書き方が伊坂さんのすごく好きなところ。
やけっぱちの潔さ、とか。

結末はある程度予想してたとおり。
いや期待してたとおり、かな。
最高でも最悪でもない。
そんな終わり方がいちばんよかったりする。
全部が全部ハリウッドじゃ飽きちゃうよ。

仲のいい友達の結婚式の帰りとか、世を徹して遊んだときの帰りとか、ひとりになったときにめちゃくちゃ綺麗な空。
寂しさとさわやかさが同居してるとこが大好きだ。

*現在「ラッシュライフ」読んでます
by blue-red-cherry | 2006-09-06 00:21 |
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