ABC戦争 Plus 2 stories

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疲れた。
本読むのにこんな疲れたのは久しぶりだ。
時間もかかった。
読み始めたのはいつだろう。
ちょっとさわりを読んでみて、こりゃ一気に読まないと読めないなと感じたので、本格的に読み始めるまでにかかった時間(難解な本を読む覚悟に要した時間)もかかった。

阿部和重作品、読むのは3作目だが、最も難解な文体に苦戦した「ABC戦争」。
文庫化にあたり、別に単行本化されてた作品も収録したお得版「―Plus 2 stories」。

表題作が厄介だった。
とにかく状況説明が繰り返されるんだが、読点がなかなか打たれない。
しかも無駄に難解な観点で事象を描写し、同じ話が幾度となく繰り返される。
挙句、語り尽くしたところで、果たして今の話には意味はない、みたいなことを平気で書きやがるから徒労感も憤りも生まれたもんだが、最後には慣れた。
この人の小説の解説書いてる人もまた、凄く難しく掘り下げてて、とてもじゃないけどその解説を読む気にはなれない(もともと読む習慣もないが)。
タイトルがそうだが、冒頭から語られる、記号化された言語。
語り部が終始気にする、自分の文学的能力の低さ。
それらは常に付きまとうんだが、あまり意味はない。
地方都市にて起きた、どこにでもある小競り合いを<戦争>として描いた今作。
そのテーマや描かれる内容もナンセンス。
とにかくナンセンス。
たぶん、<戦争>がナンセンスなんだと思った。

文庫化で追加された「公爵夫人邸の午後のパーティー」、「ヴェロニカ・ハートの幻影」は、この順に収録されていたが、順々に読みやすくなっていった。
あ、文体の問題ね。
初めに「ABC―」があったもんだから、楽勝。
内容もシンプルだ。
欲求不満の婦人と、感情が描かれてない女子高生の話が(それぞれがスリリングなストーリー)がリンクする前者、オカルト絡みだが、語り部の転換と最終局面でのピッチ転換に頭がかき回される後者、ともに普通に面白かった。

この人の本とか読んでると、ホント書評ってなんだろね?と思う。
あ、オレのは読書感想文。
by blue-red-cherry | 2006-10-20 18:03 |
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