亡国のイージス

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壮大なスケールで製作され話題となった「亡国のイージス」を日曜洋画劇場で初見。

先日感想を記した「クライマーズ・ハイ」もそうだったが、やはり演技に力のある俳優がそろい、かつ骨太な物語だとガチで楽しめる。
そもそも佐藤浩市に光石研、岸辺一徳と、両方にでてる俳優もいるんだが。
撮影にはハリウッドのスタッフも参加したそうだが、なるほど、戦闘シーンは迫力満点。
イージス艦内での戦闘は手に汗握る。
最終的な局面では、敵味方お構いなしにバッタバタ人が死んでいくのはちょっとやり過ぎだった感もあるが、壮絶なシーン(谷原章介の最後!)が作品に重みをプラス。
イージス艦・いそかぜを乗っ取った中井貴一演じるヨンファと、寺尾聰が好演した日本を裏切った自衛官・宮津副長のそれぞれの戦いが熱い。
形や事情は違えど、祖国の真の姿を求めて戦う二人。
危機的状況にあっても私欲が臭う、国家の最高機関とは実に対照的だった。
彼らは悪だが、果たして悪と言い切れない、そこら辺が上手く描けてたと思う。

そして主役の真田広之。
なんかあの人って忍者っぽいよね。
すごく純・日本人って感じ。
と、そんな印象はさておき、すごいいい役だった。
国家の最高機密内で起きている、国家間を揺るがす争いにおいて、一部隊の責任者である仙石(真田)が、ただひとつ己の仲間を守るという使命をまっとうする様には、戦争と一般人の距離感が感じられ、また両極端な<北vsほか>の図式以外の人間としての立場として機能していたと思う。
彼が主役として活躍するからこそ、エンターテインメントに成り得たのではないだろうか。

原作はベストセラー作家の福井晴敏。
「6ステイン」しか読んだことないけど、軍もの書かせたらすごいんだろうな。
ちらっといろんな掲示板とか見てみたんだが、やっぱり2時間の尺に納めるためにだいぶ割愛されたエピソードがあるみたいだね。
原作も読んでみたほうがよさそうだわ。
by blue-red-cherry | 2006-10-30 18:27 | 映画
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