KINGDOM COMIN' BACK

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すでにロカフェラという「DYNASTY=王朝」は築いてたんだから、「KINGDOM=王国」COMEってよりは、COMIN' BACKな気がする。
例の引退宣言から、DefJamのCEOという立場から、BACKって意味もあるしね。
40歳(!! )を迎えるJay-Zの新作「KINGDOM COME」が文句なしの傑作だ。
10年くらい前から完全にジガマンセーのオレ。
こんだけ期待しまくって裏切られなかったことって久々。
中古屋で90年代初頭のクラシック買ったみたいだ。

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リリース後、引退からの復帰作ってことがほとんど騒がれなくなったね。
それはやっぱり作品のよさが、話題性を凌駕したという事実だと思う。
一聴すればわかるはずだが、過去の人の作品じゃない。
完全に現在進行形のヒップホップアルバムだ。
BlueprintシリーズがあってBlack Albumと多数のリミックス集があって、コレがある。

特に感じるのは前作「The Black Album」との近い耳触り。
既聴感があるってわけじゃなくて、アルバム全体の音のよさとか、タイトなまとまり具合だったりに、通ずる部分がある(タイトさで言えば、「Illmatic」も挙げとく)。
聴けば聴くほど味が出る点でも一緒かな(発売日から毎日一回は通しで聴いてる)。
突出してるし、パンチがあるし、シングルは「SHOW ME WHAT YOU GOT」で納得。
ほかはどちらかといえば、派手さはそんなにないし。

前半は同曲を手がけたジャストブレイズの独壇場。
「OH MY GOD」「KINGDOM COME」「SHOW ME WHAT YOU GOT」の3連発にはのっけからもってかれまくりだ。
「SHOW ME~」は、ネタもそうだが、ジャストブレイズの料理っぷりがいい。
ループだし、サンプリングミュージックなんだけど、バンド感というかジャム感が出てて、曲からすごく生き物のエナジーを感じる。
無条件でテンション上がるぜ。
彼は、ジガとの仕事だとネタもの一発勝負が多いよね。
FREEWAYの「FLIPSIDE」(オレ的NO.1BANGIN SH*T)とかの電子音ブリッブリな曲も彼のトレードマークだと思うんだけど、ジガんときは違う。
JOE BUDDENとかTHE GAMEあたりからすごいファンキーな感じも出てきて、今回での仕事っぷりはすごく大人になってきた感じがする。
おっと、ジャストブレイズばかり語ってもキリがない。
彼についてはいつか別に書いてみることにしよう。
おっと、ジャストブレイズ曲だとジガのラップが男前に映えることもいっとく。
「KINGDOM COME」のかっこよすぎる(フロウはナヨいww)フックは↓

♪(I will be) The King Of New York (I will be) New York
 Not only N.Y.C. I'm hip hop's savior (Yeah)
 So after this flow you might owe me a favor (Yeah)
 When kingdom come, you ready? (I will be)
 When kingdom come, uh huh (I will be)
 Not only N.Y.C. I'm hip hop's savior (Yeah, yeah)
 So after this flow you might owe me a favor
 (Hey! Hey! Hey Hey Hey!!!)

そして参加が発覚してから最も話題になったドクタードレね。
全曲ミックスダウンはドレ仕事みたい。
どーりで音がいいワケだ。
プロダクションはよくも悪くも破綻がない感じで、手堅いドレ仕事ってとこか。
彼に触れるといつもそうなっちゃうんだけど、やっぱりクラシックの「2001」を思い起こさせる隙間のあるトラックは独特。
一個一個の音がすごい立ってるし、耳に頭にズンズン響く。
ベースのトラックはめちゃくちゃシンプルで、そこに乗っかるジガのラップも、ゲストボーカルもシンプルだから、聴き込んでくうちにメロディーが頭でループしまくる。
「LOST ONE」のフックはもー離れないね!

♪Lose one, let go to get one
 Left one, lose some to win some (You lost one)
 Sorry I'm a champion, sorry I'm a champion
 You lost one

歌い手とプロデューサーのコンビとしては現在世界最強だと思う、カニエウェスト&ジョンレジェンドと組んだ「DO U WANNA RIDE」も出色。
最近のカニエらしい、フィルターがかったモコモコドラムスと、超シルキーながら漢の香りがする、ジョンレジェンドのボーカル。
イケてすぎ!

ボーカルものでいえば公私混同ジョイント第5弾のビヨンセ嬢と歌う「HOLLYWOOD」。
この2人でこのタイトル。
裏切らないきらびやかさはある意味、今作のトーンからは浮いてるけど、イイ。
ビヨンセは「RING THE ALARM」みたいに吼えてんのも悪くないけど、こう、キャワイく歌ってるとグっときちゃうね(ツンデレですか!?)。

最初聴いたときは手抜き工事かと思ったスウィズ作の「DIG A HOLE」とファレル作でUSHERゲストの「ANYTHING」だけど、今となってはツボ。
どっちかというと、「Black Album」でもそうだったし、古きよき、なテイストの中、病みつき系中毒系のトラックがジワリと気に入ってきた。
こういうイレギュラーなトラックを乗りこなすジガ、かっけーんだよなあ。

やべーよやべーよ!
一枚のアルバムにこんな書いたの初めて。
マジ超気に入ったよ「KINGDOM COME」。
改めて書き出すと、統一感とかアルバムの完成度とか高いと思ってたけど、結構バラエティーに富んでて飽きさせない仕上がりなのかも。
そこで落ちることないスキルの安心感と、新しい試みで刺激をくれるジガのラップがやっぱ一番スゲーってことなんだろう。
アカペラリリース(たぶんしないけど)したら、前作みたいなことになるんだろうか。

「The Black Album」に関しても少し。

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黒で統一(盤面の裏まで!)されたパッケージ含め、HELLA TIGHT!
ママ愛に満ちた曲「December 4th」で始まるんだけど(「KINGDOM~」内の「I MADE IT」もママ大好きソングっぽい)、当時引退作にする予定だっただけに、集大成感はあった。
創始者・リックルービンと「99problem」やったのは、Def経営への布石だったのかね。
ともかく、前に記事にもしたが、アカペラ出したら世界中のプロデューサーに火が着いて、大変なムーブメントになったのが証明してるんだが、ラップ力がすごい。
あと、攻撃的。
そこが「KINGDOM~」と違うんだけど、全曲ガンガンシングル向き。
「What More Can I say?」「Encore」「Change Clothes」「Dirt Off Your Shoulder」「Threat」「Public Service Annoucement」「Lucifer」。
このアルバムもめっちゃくちゃ好きで、聴きまくったからやべーな。
超語れる。

「The Black Album」は、ライブ映像もすごいんだけど、このアルバムの製作状況がのぞけるDVD「Fade to Black」と一緒に見聴きするとより楽しめる。

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特に$箱プロデューサーたちとのやりとり!
全然曲を仕上げてこない重役製作な、ファレルとジャストブレイズをスタジオに呼びつけて、「見張ってるから、今からここで作れ!」みたいなとことか激オモロイ。
ちなみにそのあと、ファレルとジャストブレイズが超真剣になってるとこもたまらん。
ティンバランドのスタジオで「Dirt Off~」のビートもらうところもすごい。
最強の出来で自信満々なティンバと、いい曲には子供のように食いつくジガ。
スタジオの雰囲気って、いい曲できる雰囲気って、コレだよなあ。
「KINGDOM~」では共演なかったこのコンビにもまた復活してほしい。


やべーやべーやべー(Shut Up!!!)。
ジガに関してはいくらでも語れる。
次回、「Blue prints」に続く。
そのあと、「Life and Times of S. Carter」に続く!
by blue-red-cherry | 2006-11-29 11:15 | 音楽
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