finding forever

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あれだけ待ちきれない、とか言いながら手にしてどうだったか書かないのは何か筋が通ってないので、「finding forever」の感想文。

いやー傑作でしょ、傑作!
間違いなくコモンの最高傑作だよ。
このアルバムがビルボードのラップチャート1位だって?
アメリカも捨てたもんじゃねーな。
クランクだけじゃあ、ダメだよ、心がスウィングするようなソウルが欲しいのさ。

ディズニーランドにでも迷い込んだかってくらいファンタジーなときめきに胸が躍るイントロから始まり、Jディラに捧げた「forever begins」まで、聴きとおして感じる統一感、完成度の高さ。
ほとんどの曲をカニエが手がけてるというのはもちろんあるが、何でもこの作品は俳優業にも追われ、忙しさの合間合間で作ったらしいじゃないか。
それでもブレないのは、コモンがとても成熟したアーティストである証明だ。
気分次第でその表情を作品ごとに変えるアーティストもいるし、それも悪くないと思うが、時流にも気分にも流されない、時流も気分も飲み込んでさらに「オレ」であり続けるアーティストの作品ってすごいと思う。
スピリチュアルなアプローチが印象的な「One Day It'll All Make Sense」、エキセントリックな作風に好き嫌いが分かれる「Electric Circus」はやや、異質な感じも受けるが、基本的にはストレートでオーソドックスなMCと、時流に媚びないヒップホップ然としたビートが貫かれる様は変わらない。
NO I.Dとの「Ressurection」、ソウルクェリアンズとの「Like Water for Chocolate」と、相性抜群のプロデュースがあってこその統一感も昔から変わらない。
そして今の彼にとって「Be」「finding forever」と続くカニエとのコンビは必然なんだろう。

前に書いた「the people」「southside」「the game」のシングル曲は、アルバムの中でもやはり群を抜く出来。
それらをバランスよく配置した、アルバム通しての聴き心地が最高に良いんだ。
カニエのトラックはどれもソウルフルで、かつ、ドラムやキックの強さがある。
気持ちいいだけではなく、だからこそいつもより無骨なコモンのラップが冴える。
ああでも、なんか気持ちいいんだけど、感傷的な感じもする。
「start the show」とか、メロの階段を上下するピアノの旋律がやたらグッとくる。
「break my heart」はラブソングなんだから当たり前っちゃあ当たり前だが、こんなになんかおセンチになるヒップホップの曲も、ピートとCLの「Lots of lovin」以来?
ゲストがあれだからってわけじゃあないんだけど、リリー・アレンが参加した「drivin' me wild」なんかは最近のカニエの音楽の幅の広がりとシンクロしているように、ヒップホップの枠にとらわれないGOOD MUSIC。
耳に頭に胸に刻む曲が続く中で、ウィルアイアム作の「i want you」、ディラと最後のコンビネーションを聴かす「so far to go」のクールさが際立って、気持ちよかったりもする。
プリモがこするバンガー「the game」があったりするわけで、バランスのよさは出色。
んで、曲順がすごくいい。
いくつか曲調に似通った部分はあるかもしれないが、配置が絶妙。
同じような曲が続きだれてくることもまったくない。
ああ、素晴らしい。

このアルバムが売れてることはとても意義深いことだと思う。
アメリカのリスナーの良心を感じた。
この作品が正当に評価されるのが今のヒップホップであるのなら、コモンもオレも「I still love H.E.R.」だよなー。
by blue-red-cherry | 2007-08-17 20:36 | 音楽
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