ホームレス中学生

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話題のベストセラー、「ホームレス中学生」、読了。
「―すべらない話」などで披露した、麒麟・田村の実体験に基づく貧乏生活ネタをまとめ、自叙伝的に発表した本。
普段からお笑い好きなわけではなく、麒麟のネタもほとんど見たことがないんだが、田村がこの話を「―すべらない話」で話してた回をたまたま見てて、この本の存在を知ってから興味津々。
ブックファーストとか割と大きめな本屋を結構回ったんだが、どこも完売。
amazonでも紀伊国屋でもランキング1位でなかなか手に入らなかったんだが、先週、ついに発見し、あっという間に読み終えた。

もろもろ編集者の力添えはあっただろうが、基本的には田村の筆だろう。
小説家やエッセイストのそれに比べれば拙く、そもそもタレント本を好んで読むほうではないのでこれくらいが標準なのかも知れないが、序盤、これが売れるんだ、などと意地悪な読み方をしていた。
だがしかし、これがハマる。
常日頃アグレッシブなノリ突っ込みをこなしているだけあって、文章のテンポがよく、散りばめられたくだらない笑いのエッセンスに思わず笑ってしまう。
そしてこの貧乏ネタの最大の魅力であるあり得ない貧乏生活。
人の不幸は何とやら、自分を含め、人の浅ましさには辟易だが、面白い。
あり得ない生活だが、あり得ないなりにあり得る、どこかリアリティーの感じられる貧乏生活が絵に浮かぶ。

しかしこの本の本質はそこではなかった。
彼が極貧生活を送るにいたった大きな理由、母との死別。
これが人間・田村の半生に大きく関わってきて、この本の肝になってるんだな。
不覚にも、タレント本、芸人本で数回、泣いた。
マザコンの気がある男子はイチコロだ。
洗練された物書きの文章じゃないからこそ、リアルに響いたのかもな。
家族ネタはキツイっすよ。
家族だけじゃない。
お母さんもそうだけど、友だち、先輩、先生、親戚。
田村の周りには信じられないくらいいい人がいて、信じられないようなええ話が。
辛い話にいい話、どっちもあるから、人生なんだな。

エッセイをそのまま真に受けるほど純粋培養されてきたわけではないが、この本に書かれてるほとんどのこと、できれば信じたい。
田村、いいヤツだな。
本、売れてよかったな。
人が金持ちになる話聞いて喜んだり、何かを得たりするのは避けてるんだが(啓蒙の本とか、新書系とか)、田村は金持ちになったほうがいい。
んで、金持ちになっても変わらないでいてほしいね。
気になったので麒麟のネタも見てみたけど、面白いじゃん。
噛み具合にも田村の人柄が出てる気がするなあ。

麒麟・小説風漫才
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骨太な小説もいいけど、たまにはこういうのもいいなあ。
売れてるものには売れてるなりの魅力があるもんだ。
by blue-red-cherry | 2007-09-25 15:46 |
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