クワイエットルームにようこそ

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映画公開も間近に迫った、松尾スズキの「クワイエットルームにようこそ」、読了。
会社の女子の間で回っていた文庫版をささっと掠め取り、割り込みで借りて読んだ。

特に大人計画フォロワーでもないので、松尾スズキのパーソナリティーなぞ、わからん。
「TVブロス」を一時期買ってて、巻頭のエッセーはまあ、面白かった。
それと監督作品の「恋の門」、あれも面白かった。
で、「クワイエットルーム~」、これも面白かった。

いわれのない(ってこともないが)精神病の疑いをかけられた主人公の女子が、隔離された女子専用の精神病患者用の病棟で過ごした日々のお話。
ひとつの見方として、狂ったヤツウォッチング集ってとこ。
話の展開は人切りで章を構成してて、その章のメインキャストのもろもろが綴られる。
拒食、過食、オーバードーズ、それぞれ抱え持つ問題が違えば、狂いの度合いも違う。
まとも(じゃないとこもあるが)な主人公はそんな中に身を置き、正気と狂気の狭間を行ったりきたりするわけだが、これさあ。

狂ったヤツらを見ることで自分がマトモであることを認識する。
金持ってないヤツらを見ることで、自分がまだマシだと思う。
そうでなければ自分を保てない、少なからず誰もが抱えてる、人間の超闇の部分だよね。
実際、自分がマトモかどうかなんて、分かんない。
だから自分より狂ってるヤツを見て、蔑んで、自我を保つ。
最低だよなー、でも無意識にやるんだよなー。

この、考えただけで鬱になるテーマに触れながら、そこまで落ち込ませない文章。
テンポのよさと、軽い軽い文言の使用。
かなりのテクニックだと思った。
それが彼のスタイルなのかもしれないけど。
音楽的で、ビジュアライズされてて、カッコつけてるんだけど、嫌味じゃない。
クセはあるけど、テーマが狂ってるようで実は普遍的だから、みんな楽しめると思う。

まあでも自分が狂ってるのか、相手が狂ってるのか、そもそも世界が狂ってんだよ。

映画だとどうなるのか、楽しみだ。
by blue-red-cherry | 2007-10-13 22:07 |
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