FC東京×大宮アルディージャ J1第33節

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物哀しい気持ちや、不信感や憤り、負の感情を追いやり、結託する選手の姿や塩田の背中に同調し、ひたすらにエモなテンションで見た07年ホーム最終戦
クラシコ敗戦、翌週の緒戦の不甲斐なさから、こんなチームがタイトルを取れるはずがないと冷め気味だったが、今日はじめて(正確には先日のエルゴラ紙上での原さんのコメント以来)、このチームでタイトルを獲りに行くんだという強い気持ちを抱いた。

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塩田の男意気に、昨年に続き試合前から目に汗かかされた。
ああいう熱い男が東京のゴールマウスを守っていることを誇りに思う。

熱さを保ったまま突入した試合では、裏腹に、軽快なパス回しを見せ付けられた。
ユウタと梶山が復帰した東京の中盤は、梶山離脱以来の縦orサイド一辺倒、ラグビーと揶揄された武骨さがなりをひそめ、中央での細かいパス交換、意表を突くサイドチェンジと、相手を翻弄する。
熱さの裏をかかれたといえば、大宮というチームにも肩透かしをくらった。
J1残留とJ2降格の当落線上にいるチーム、さぞかし手ごわいかと思えば、それこそ順位が順当に思えるようなチームで、さほど全開でなかった東京のプレスの前にミスパス連発。
東京の中盤の流れるようなプレーも、相手による部分があったのは否めない。

それにしてもユウタと梶山は東京の攻撃にリズムをもたらせた。
タイプは違えど独特のタッチで貯めを作り、前線にサイドにボールを展開した。
本当に見てて楽しかった。
ルーコンはもちろん、栗澤や池上、徳永、浄と絡んでの攻撃は実に面白かった。
やはり彼らは東京の宝であり、軸になるべき選手だということを確信した。

一方でこれだけ支配して決めきれない、永遠の課題は解消されないままだ。
どれだけボールを回してギャップを作ったところで、待ってるのはルーコン一人。
石川の先制点の場面もそうだが、最低でもユウタか両翼の一人、そしてボランチと、組立てに回った選手とカウンターに備える選手を除いて3人は欲しいところ。
意識の問題、配置の問題、システムの問題、いろいろあるが結局ここは改善されぬまま。
ユウタや梶山が奏でる、魅せるサッカーにそこが改善されれば文句はない。
アドバンテージを活かし、課題を改善する、やるべきことはシンプルだが難しい。

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ガンバ戦に続き好調を維持した池上についても、来季に期待、計算できる出来だった。
先週感じたように、浅利よりは今野に近い、オールラウンダーっぷりをまた発揮。
梶山を生かすことを優先し、そのフォローぶりは抜群。
人数をかけながら崩しきれない場面では再構築の起点も及第点でこなした。
どちらかというと攻撃型の中盤において、見事なアンカーぶりだったと思う。

ついに初出場を果たした八田については、厳しい現実が待っていた。
長身FWの森田対策として機能していたと思うが、あまりにもあってはならないミスだった。
それ以降、疲れもあっただろうし自信も失っただろうし、交代はやむなし。
代わって入った伊野波も気合い十分でまずまずのプレーを見せていたが、最後にディフェンダーのレアンドロに1対1で完敗を喫した。
結局ここも、茂庭の負傷に事を発したセンターバックの問題を1年かけてクリアできなかったことを象徴しており、なんともらしい終わり方といば終わり方なのかもしれない。

この試合は塩田にはじまり、塩田に終わったと思う。
土肥の魂とともに戦い、最後は誰よりも勝ちたい気持ちを前線へ上がることで表現し(あの場面、塩を囮にして直接決めるくらいの気概を見せろよ、ノリオ!)、ただの1敗ではなかったことをその丸めた背中で訴えた男気。
誰がなんと言おうと、今の塩田はカッコいい。
元旦まで、アイツと一緒に戦いたい、そんな気にさせてくれた。

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不甲斐ない結果に終わったことを謝り、それでも1年通じた声援に感謝した原さん。
勝ってるときも負けてるときもその声援は届いてたと、頭を下げた。
それじゃあ心ない野次もたくさん聞こえてたろうなあ。
今日の采配にしたって疑問がないわけじゃないし、1年かけて大きな積み上げがあったかと聞かれればそうともいえない。
監督としてこの成績に責任をとる必要があるのかもしれない。
それにしたって他に頼れる人がいないからという嘆願を快く引き受け、外れ外人を掴まされ、相次ぐ負傷者に悩まされた指揮官の最後の挨拶の哀しさったら!
涙が止まらなかった。
下手すりゃ原さんがこの味スタに、東京の一員として立つことはもうないかもしれない。
いくら人のいい原さんだって、思うところはあるだろう。
やっぱりオレは原さんが大好きで、あんな監督と戦えてたオレたちは恵まれてると思う。
だからこそ、原さんとリーグのタイトルを獲りたかった。
この別れ方では、もうそのチャンスを永久に失うかもしれない。
そんな空気漂う、シーズンを締めくくる挨拶だった。

土肥と福西が胴上げされた。
土肥はここで引退したかったと言ってくれてたらしい。
ああ、試合前、いの一番にキーパー練習で出てくる土肥に、「土肥ーっ!」と叫ぶのを試合に入る儀式にしてた人、オレ以外にもいるんだろうな。
福西の男前すぎるプレーや立ち居振舞い、1年で見納めなんてもったいなさすぎる。
2人に関しては、まだ振り返れないや。

胴上げを拒否した原さんの心意気に、オレたちも応えるべきだな。
胴上げは元旦で、ってことだろう。
「ハラトーキョー!」も「攻撃攻撃ハラトーキョー!」もまだまだ歌うよ。
小瀬行って、丸亀行って、熊本は…勝ってきてもらったら絶対エコパ行く。
とにかくこのメンバーでの戦い、残されたチャンスは最大で5試合。
しっかりと目に焼き付けておこうと思う。

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by blue-red-cherry | 2007-11-25 13:37 | FC東京
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