And The Winner Is.....

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SPEECH!!の一声から鳴り響くホーン、駆け抜けるビート、流れるように絡みつくようにスピットされるライム……ここ数年の数々のヒット曲にはなかったカタルシスが、「Roc Boys (And The Winner Is.....)」にある。
シングルを見つけたときからこんだけ聞きまくった曲も随分と久しぶりな気がする。
バースとフックの温度差が少なく、頭っから尻まで上がりっ放しの4分強。
オレにとって、「American Gangster」はこれだけでよく、またこれだけでもあった。

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「Roc Boys」を気に入りすぎてたのもあるが、どうにもほかの曲が気に入らない。
アルバムを手にしてから数回聴いて、今回は「Roc Boys」だけでいいかな、そんな風に思ってたんだが、あまりにも周囲の評判がいい。
もしかしたらいつもよりさらに、時間をかけて良くなるアルバムかもしれない。
そんな思いで朝昼晩問わず、本気で聴きまくった。
そしてハマった。
ジガ自身、四十路を控えたベテランだが、なんつうか、ベテランが時流に沿ってアルバムを作るとか、ベテランがベテランリスナーを喜ばせる懐古的なアルバムを作るとか、よくある話だが、このアルバムはベテランがルーキーのときから時を重ねて、そして同時に時を重ねてきたリスナーにジャストでビンゴでストライクな、アダルトコンテンポラリー・ヒップホップアルバムなんだよ、「American Gangster」は。

とはいえ、この作品は同名映画にインスパイアされ自らのハスラー時代を思い出した衝動で作られたコンセプトアルバムだから、そんな思いはオレの勝手な受け取り方にすぎない。
日本盤を手にしたのにまだちゃんと読んでないので、込めた思いもいまいちわからん。
だけど、耳障りは完全にオッサン向けだと思う。
クランクだかハイフィーだかわからんが、フロアでガンガン、て感じの曲は見当たらない。
「Party Life」なんて、もうベッドサイド・ミュージック。
「Say Hello」も初期のカニエ作品を思い起こさせる、スロウなソウル。
Biralが歌いあげる「Fallin'」にしたって、固めのビートなんだけどやけにメロウ。
メロウな気分にマッチするんだなー、このアルバムは。

ナスとの競演「Success」は「Hiphop is Dead」での駄作を忘れさせるたぎる仕上がり。
No.I.Dの起用は別の意味でメロウだが、多くのDJがこの曲を2枚使いしてることもメロウ。
リル・ウェインと物凄いベースの上でキックする「Hello Brooklyn 2.0」とか、地味すぎる、しかしハマる、ネプチューンズらしさが出た「Blue Magic」とか、いかにもジガの新作っぽい曲もちゃんと入ってたりする。

もはや引退宣言はネタでしかないが、ジガの歳の取り方はカッコよすぎる。
作品も、リスナーも歳をとっていく。
当たり前のようで、これをヒップホップで実現する当たり、恐れ入った。
by blue-red-cherry | 2007-12-20 16:34 | 音楽
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