なでしこ、やってくれた。 男子に続き、優勝決定戦となった東アジア選手権第3戦、中国戦。 ドアウェーに飲まれることなく実力を出し切ったなでしこたち、スカっとした~。 中国は長く日本の前に立ちはだかってきたアジアの強豪(実況受け売り)らしく、繋ぎの意識が高い日本に対し出足鋭くプレスをかけ、奪い即縦へ早い攻撃を仕掛けてくるスタイルで、韓国戦より緊張感ある立ち上がり。 特に9番の選手がスピード、パワー、技術ともに優れ(それこそ欧州クラスの選手に映った)、しばし押し込まれる場面も見られた。 こういう展開で我慢が出来るチームは強い。 今のなでしこはポゼッションを高め、連動性と繰り返すチャレンジ、緩急のギアチェンジで攻めていくチームだから、機が熟すまでは耐えるが吉。 大会通じて安定している若干21歳の岩清水、体調不良から戻った頼れるベテラン・池田(ex.磯崎)のセンターに、得意の攻撃を抑えてまずは守備を心がけた近賀と柳田の両サイド、最終ラインに破綻はない。 加藤に比べるとパワフルさが目立つ坂口もラインの前で身体を張ったプレーが目立った。 苦しい時間を耐え、徐々にボールを繋げるようになってくるとあとはなでしこの時間。 しかも荒川、永里で組む2トップに、ストライカーの大野を右ハーフで使う攻撃的布陣が大当たり。 特に永里がキレキレで、確かなポストプレーに抜群の飛び出しで何度となく好機を演出。 中国のGK、能活よりデカイらしいけどww、彼女の活躍がなかったらハットだったな。 2得点1アシストの大野は出来すぎ。 ゴールはどちらもストライカーとしての得点感覚を証明するものだし、一方でアシストに繋げた相手裏への鋭い飛び出しの繰り返しは2列目としての特性も見せてくれた。 大会MVPを授賞した澤、サイドからのクロス、セットプレーの精度が両足ともにハイレベルな宮間をはじめ、ディフェンスラインまで含めてなでしこたちは総じて技術レベルが高い。 ポゼッションが可能な時間帯になるとその強さを一気に発揮する。 加えて佐々木監督が尽力してきた前線からのハードなディフェンス。 量だけでなく質も高いので、前線でボールを奪っての決定機演出も多かった。 攻守両方とも要求されているもの、目指しているものは決して簡単ではないが、試合を重ねるごとに研ぎ澄まされてきた。 初タイトル、素晴らしい。 完全アウェーにして本番・五輪開催地という状況下で結果を出したことは素直に素晴らしい。 さらに内容も伴っている。 かつて辛酸をなめさせられた強豪・中国を圧倒した。 はっきりとぶれないチームコンセプトのもと、出る選手出る選手が結果を残したことでポジション争いも激化するというこの状況、夏に控える五輪に向け、申し分ない。 本大会で対戦する世界の強豪は、中国で数少ない脅威だった9番のフォワードやゴールキーパークラスがごろごろいるチームだ。 ハードワークとコンビネーションを駆使したなでしこのサッカーが世界相手にどこまで通じるのか。 この夏の五輪の楽しみは文句なしで女子サッカー。
by blue-red-cherry
| 2008-02-25 18:32
| サッカー(FC東京以外)
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