死神の精度

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「死神の精度」、読了。
ここ最近はアイドルタイムをすべてモンハンに捧げてたので、久しぶりに本を一冊読みきった。

単行本が出たばかりの頃に一通り読んではいたので、読み進めていくうちになんとなく既読感と当時の記憶を思い出した。
伊坂作品は久しぶりだが、やっぱりいい。
このどうにもならない死神の平社員的シチュエーションがいい。
いや、正確にいえば、可不可の判断は下せるわけだし、今作の主人公である千葉という死神の無感動な性格がいいのか。
死に向き合う人間の喜怒哀楽や過去にフラットに触れる冷たさが心地よい。
底にはある種どうにもならない運命があり、人はそれを受け入れるしかなかったりするが、それを仕方なしとする千葉の存在が重い運命を読者にも受け入れさせてくれる。

そんな大前提の設定が、この人の作品をオレが好きな理由、バッドでもサッドでもハッピーでもないエンディング、を短編の終わりごとに味あわせてくれる。
どの作品読んでもこの胸をそわそわさせる感覚がたまらない。
リズムはあるし展開もあるが、浮き足立たない。
この人、反倫理的なものに対して、潔く立ち向かうよね。
そこがすごく好きなんだよなあ。
殺戮だなんたらって、そういうのを楽しんでたりすることもあるんだけど、やっぱり根っこはこういうところに安心するというか。
死神の視点で描かれる今作はそこまでの事件もないし、強い表現もないけど、やっぱり死神から見た人間のいびつさはアンチテーゼ。

オレはいざ自分の死が迫ったとき、この本の登場人物みたいに穏やかにそれを受け入れられるだろうか。
そんなことも考えたり考えなかったり。
by blue-red-cherry | 2008-06-27 19:34 |
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