ドイツ×日本 北京オリンピック 女子サッカー3位決定戦

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なでしこジャパン、北京でのラストゲームとなった3位決定戦
五輪の3位決定戦って、世の中のあらゆる競技の中でももっとも勝利の価値が高い3位決定戦だと思う。
紙一重でメダル、悔しい思いは残る。

鈴木健の喋りっぱなしよりはマシだったが、NHK野地さんも「日本のほうが良いサッカーをしている」けど「試合巧者のドイツ」にしてやられた的な内容の連呼、うるさかったなあ。
もういいよ、聞きたくないよ。
今年は五輪にしても東京にしても、同じようなことばかり。
唯一違ったのはEUROのスペインくらいか。
それらを経てわかったことは、良いサッカーをしてる、通用してる、っていうのはまやかしじゃないかと思う。
結果として勝てなかったとき、そこで胸を張るんじゃなくて、そこにある確固たる差を見つめなければいけない。
日本とドイツの間にあった差、銅メダルを獲るチームと獲れなかったチームとの差は果たして体格差やスピードだけだっただろうか?
確かにパス回しや局面でのスキルに関して上回っていた場面は多かったが、最後、奪われた2点のフィニッシュ、何人の選手がペナに押しかけ、そしてどれだけ冷静にシュートを打ってこれたか。
選手交替で後手を踏んだところにはスタメンと控えの差があるという現実もある。
見つめるべき「差」は確かに存在した。

さすがに両者ミスパスが目立った試合だった。
雨、疲れ、ここまできての真剣勝負はかなり消耗しただろう。
ミスは仕方ないが、宮間にしろ、永里にしろ、なでしこ全般にいえることだが少しマイボールの運びが急ぎすぎな気がする。
あれだけのテクニックがあるんだから、どこかで溜めて、ひきつけてってできれば穴は空けられると思う。
そこは通じて気になったかな。

しかしこの大会の躍進もまた大いに評価されるべき。
年が明けてから監督交代という事態だったにも関わらず、前任者の作ったベースに澤や阪口のコンバートなどでプラスアルファが生まれて着実に前進した。
去年のワールドカップで足りなかった部分は少しずつ埋められてきていると思う。
なでしこの良さは強化が一貫しているところ。
早くから日本の標榜すべきサッカーを、それこそ世界との差が分かりやすかったからかもしれないが定めることができ、その後監督が変わったり大会の周期が終わったりの代替わりが行われても徹底して継続してきた。
これがアトランタでの3戦全廃から、北京への4位という着実なステップアップの所以だと思う。
そしてこれは今後も継続されるはず。
今大会攻守のリーダーだった澤と池田、それに貴重なバックアッパーだった荒川や加藤らを除けば、なでしこの主力は23歳前後。
4年後もまだまだ脂の乗った時期で向かえることができる。
ここまで通用したパスサッカー、走るサッカーの精度を高め、大きな差を感じたフィニッシュという課題を磨き上げていく時間はたっぷりある。
今から期待に胸が膨らむ。

決定的な2点目を奪われてもなお、ゴールに向かっていくなでしこに対して浴びせられたホスト国の観客によるブーイングは心底胸糞悪かった。
あれはスルーしないと同じことなのかもしれないが、大いに批判されるべきだ。
後味の悪いものをみせられたが、なでしこの頑張りを素直に称えたい。
ロンドンでの更なる成果に向け、頑張ってほしい。

で、そんな後味の悪さを吹き飛ばしてくれたソフト日本代表、改めておめでとう!

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by blue-red-cherry | 2008-08-22 09:27 | サッカー(FC東京以外)
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