天使に見捨てられた夜

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桐野夏生の探偵・村野ミロシリーズ第2弾、「天使に見捨てられた夜」、読了。
こういうシリーズものはまとめ読みに限る。
テンションも思いいれも高くて深いから一気にいける。
一方で読後の寂しさもデカかったりするんだけど。

前回の事件から一年後の設定と思われる(前作との絡みを直接的に書いた記述はほとんどない)。
すっかり探偵を生業にしているミロは頼もしくもあり、しかし探偵に染まったがゆえの危うさもある。
AV女優の失踪事件を追っていくうちに起こるあれこれがこの物語。
根っこにあるのが性ド真ん中のAVだからか、ミロは探偵でありながら、強烈に「女」としての行動が目立つ。
男女の心身がくんずほずれつの世界に身を置くことでいろんなものが剥がされていくというか。
強く気丈、怖いもの知らずの行動力を見せたかと思えば途端にもろく儚い女としての一面をも認めてさらけ出す。
ある意味潔いが、女女した展開は、正しい使い方ではないがそれこそ女々しく、ちょっとトゥーマッチだったかも。
かたせ梨乃がミロを、この女全開の部分を演じていると思うと、ちょっとスープ割りしたくなるww

ミステリーとしての面白さは増した気がする。
何しろ情報がまったくないところからスタートするもんで、事件の全容は玉石混合、ありとあらゆる情報がなだれ込んで起こるジェットコースター的な展開がスリリングで楽しい。
読み始めるととまらなくって、ついつい夜更かししてしまった。
それにも関わらず前述のミロ、そしてミロの鏡として大きな役割を果たした隣人のトモさんと、登場人物の描写にもぬかりなく、迫力のある筆だと思った。

この調子でこのシリーズは読破しますぜ。
by blue-red-cherry | 2008-08-26 20:10 |
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