カテゴリ:本( 103 )

anego

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4月から日テレドラマ化される、30代独身OLの恋愛人生物語。
会社の後輩は、切々と語られる腐女子婦女子の生生しい心の動きに辟易したのか、「女が嫌いになった」と言ってたが、オレ的にはこんな人と知り合ってみたいな、なんて思った。

主人公の奈央子は33歳になる商社のベテランOL.
仕事が出来て、後輩の面倒見もよく、まさに〝姐御〟。
んが、就職→早々にイイ社員を捕まえて寿→海外赴任でセレブマダム化、なんつー商社OLの勝ち組ルートからはもれてしまっておる。
仕事も出来て容姿端麗なのだが、頭が回りすぎて、目の前のオトコに素直に身をゆだねられない、そのくせ運命の出会いを待ち焦がれてる、のが原因。

ってオレもそう!(エクセプト容姿端麗)
なんて思っちゃった女々しい漢。
ココ何年かは「コレは違うだろ~」なんて思いながらセ(ry

をっと、自分の恋愛感なんてキモチ悪いものを晒すところだった。
↑のような気持ち悪いことを思いながら前半部を堪能してたのだが、後半はドロドロの不倫劇に。
ちょっと蛇足なぐらいにたたみかける不倫編。
ヤリ杉!?とか思ってたんだけど、読み終えて、コレもあるから売れるんだろうなっと。

最近はこの手の30女(負け犬やらナンやら)をテーマにしたドラマやら小説が多い。
しかも売れてる。
この本の著者の林真理子ったら、ある種第一人者として認められてるだけに、ヒントがあるかな、なんて気持ちで読み出したんだった。
んで思ったのが、肝は共感させること。
当たり前っぽいんだけど、その上で味噌となるのは心の動きではなく、細かいディテールの描写なんじゃないか、と。
エステに行くだの、合コンで失敗するだの、行きずりのオトコとやっちゃうだの、行動に対して「あー、アタシも」なんて思わせるんだろーし。
さらに細かいけど重要なのが、環境とか設定。
エルメスのナンチャラを使ってるとか、OL内の話題になる会社設定(上司との関係、オトコ関係、OL内のランクとか)などなどなどなど。
あくまで伏線なんだけど、えらく細かく描写されてんのよ。
忘れた頃にはサブリミナル効果を狙ったがごとく、念押しされる。
実際30女じゃないんで共感とか、そーゆーんじゃナイが、リアリティは増す罠。

そう、内面は千差万別だけど、目に映るものは万人の共通認識。
そこで共感を得るのは至極正攻法なんだ!

もちろんベースになる文章力やら想像力を前提にした上での独走的理論ですが、ナンだが役立ちそうな希ガス…


*補足:そんなリアルな世界が延々描かれるからこそ、非現実的なまでの不倫劇が功を奏すわけなのです
by blue-red-cherry | 2005-03-25 21:17 |

吐きたいほど愛してる。

吐きたいほど愛してる。_c0025217_1915643.jpg


救われない気分が味わえた一冊①。

最低週イチ、多ければ三冊の新刊単行本を読むという、世間的にも読書家なレベルに達しつつあるオレ。
きっかけは仕事がらみなんだけど、いまやかかせない習慣になりつつある。
今回のは、二ヶ月前くらいに呼んだ「動物記」がかなりよかった作家・新堂冬樹作品。

単行本を購入する際は、多少値段も張るだけに、カバーデザインや帯のセンスも問われると思われ。
ただ、大概のものに関しては、読み終えてその作品が気に入れば気に入るほど、最初にその作品の概要をイメージさせてくれた帯の一文が、蛇足であり、どうしようもなく腹が立つことが多い。
今作もたぶんに漏れず、その類。

「逆上妄想男の迷惑な勘違い愛、夫の帰りを正座して待ち続ける壊れた妻、可憐な美少女が味わう生き地獄、非道の限りを尽くして虐待される寝たきり老人が自己の中心で愛を叫ぶ!

…最後の締めコメは、(゚⊿゚)イラネ!
まぁ、アレを意識してなんでしょうが。
でも、そんな使い古された流行語など入れなくとも、その前の四編の紹介だけで、十分にエレクトしそうなもんだが。

実際、帯どおりの順番で、帯に記された特徴をもつ主人公を据えた四編の短編が収録。
元来、その文言のもつ力は作品を代表し、作品の魅力を凝縮し、ときに作品の内容を誇張するくらいなのが帯コメ。
だが、今作の場合は、それなりの過激なことばを用いてはいるが、それは作品内に描かれる狂気の世界を包み隠すオブラートとして、四六判変型の単行本に巻きついていた。
これだけ煽っておいて、さてどれだけ狂っているかというと…

①逆上妄想男、というのは言いえて妙な表現で、甚だ迷惑な話。その妄想っぷりも逆上っぷりも尋常じゃなくて、なんてったってン年ぶりに再会したアイツをいきなり(ry

②夫の帰りを正座して待ち続ける壊れた妻なんですが、そのことばの響きだけで身震いしてしまう、世のお父さんが目に浮かびます。だけど、そのようなワイシャツの襟についた口紅を気にしたり、煙草の匂いを無理矢理背広につける、なんて話ではナイ。正座で待つったってただ待ってるだけじゃなくて(ry いきなり夕食にあんな(ry

③可憐な美少女が味わう生き地獄。まぁ小説の世界においては、可憐な少女は生き地獄に生きてたりするもんです。でもあんな目に会ってるコ…orz そのコに対してアイツったら(ry

④非道の限りを尽くして虐待される寝たきり老人ったって彼だって(ry

ハハハ、ここ実は反ネタバレ推奨blogだったのよ、今日から。
オレなんかの稚拙な文章で感じてもらうよりは、自分の目で確かめて欲しいのです。

上の駄文からすると、キ●ガイの一大奇行集みたいな間違った認識を与えそうなので、まとめ的補足を兼ねた総評を。
帯にもあるとおり、この話は〝愛〟のおはなしです。
行き過ぎた愛、というかさまざまな愛のかたちというか。
ストーカーであったり、我が子を虐待する親であったり、その全てがそうとは思わないし、そうでナイとも思わない。
が、さまざまな愛のかたちがある世の中だからこそ、生まれた問題のような希ガス。
この作品で描かれている愛を端的に言えば、狂っている。
でも、狂っているものの目線で見れば(その愛情の注ぎ方を認識≠容認すれば)、その愛は狂気である以前に果てしなく純粋なのであった。
純粋。
ことばって改めて難しいな、と思う。
純粋ということばの辞書的な意味にはカバーされていないが、狂気をはじめ、憤慨、絶望、至福、といった振れ幅の激しい感情の動きはきわめて純粋なものなのではないか。
容姿だったり、環境だったり、ただ大多数の人と違うだけで、その愛はいびつなものとして人々の心に形成される。
その疎外感が、純粋なものを孤立させ、より純度を高めていく。
それが人々の目にさらに異形なものとして映し出される…

そんなことを思い、救われないなぁ、って感じたのよ。
by blue-red-cherry | 2005-01-31 19:56 |

第16回ファンタジーノベル大賞

第16回ファンタジーノベル大賞_c0025217_648122.jpg第16回ファンタジーノベル大賞にて大賞を受賞した「ラス・マンチャス通信」なる書を読んだ。

受賞者・平山瑞穂の作品は、選考委員の「リング」シリーズで名高い鈴木光司氏によれば

「選考委員になってもっとも面白かった」

らしい。
また、氏は

「カフカ+マルケス+?=正体不明の肌触り」

とも評していた。
カフカもマルケスもようわからんDQNの私ですが、正体不明の肌触りではあった罠。
基本線として、主人公「僕」の半生?を追うという流れはあるのだが、5つの章で組まれたユニットの切れ目切れ目がやや唐突で、その各ユニットで起こる奇奇怪怪な事象に明確な回答を出さないまま進む展開。
その奇奇怪怪な事象が面白不気味で、その実態を激しく知りたい衝動に駆られるのだが、寸止めされたまま終わってしまうのです。
小説を読むようになったのはここ半年くらいのことなのだが、私論としては、漫画と違い、小説は想像力を読者に働かす余地を残しておくくらいがよい塩梅だと。
音楽でいえば、いい作曲家は、ヴォーカルが乗って初めて完成する楽曲を提供するって感じ。
なので、この状況としてはすごく健全ではあるのだが、いかんせん意味不明なことが起きまくっているのでどうにもこうにも…
でも、その分頭の中では相当にビジュアル化したな。
カバーのデザインまんまでアニメ化とかしたら、意外とカルトな人気を誇りそうな希ガス(って有名な人なのね)。

…と、すっかりかき回された風ですが、最後の章ではきっちり落とし前をつけており、それなりにすっきりもします。
暗澹とした空気が占めておりますが、楽しめる作品だと思いますた。
by blue-red-cherry | 2005-01-12 06:51 |